2010 最終審査会レポート

 2月17日、都内某所にて「ガラスびんアワード2010」の審査会が行われました。今年で7回目を迎える「ガラスびんアワード」は、今回より新たにデザイン賞および各審査委員の個人賞を設け多角的・総合的な審査を行いました。審査委員長にはリリー・フランキー氏、審査委員には根本美緒氏を迎え、新たな審査委員陣での厳正な審査の結果、各賞が決定いたしました。

「ガラスびんアワード」各賞 受賞作品決定!


 2月17日の最終審査会での、厳正な審査の結果、以下の各商品がそれぞれの賞を受賞されました。

受賞作品一覧

ネスカフェエクセラチャージ220g ハッピーキャニスターセット

日本コカ・コーラ株式会社(ガラスびん/石塚硝子株式会社)

 デザイン・機能・環境すべての面において、高い評価でした。おしゃれな外見でありながら、軽量かつリターナブル利用されており、環境面でも優れています。また、従来のデザインを踏襲しながらも、242mlに内容量が増量されており、現代のライフスタイルに合っている面もよいと思います。何よりも、「びん入りを選びたい」という衝動にかられる商品であるということで、最優秀賞に選ばれました。

キューピードレッシング、キューピーノンオイル

日本酒造組合中央会(ガラスびん/星硝株式会社、株式会社山村製壜所)

 冷蔵庫のデッドスペースを有効活用できる、三角形で小ぶりのフォルムが機能的であると評価されました。何本か手元に置いておきたい商品で、ちょっと料理にふりかけるには内容量もちょうどよく、「料理酒だからこそ」の機能性がうれしいと、高く評価され、機能優秀賞に選ばれました。

メグまごころビン

ハウスウェルネスフーズ株式会社(ガラスびん/東洋ガラス株式会社)

 カレットが90%以上使用されたエコロジーボトルであるということと、軽量化がなされていることが高く評価されました。また、点字で「C-1000」と刻印するなど、さまざまな取り組みがなされていることも評価され、環境優秀賞に選ばれました。

サントリー緑茶 「伊右衛門 秋の茶会」

オリバーソース株式会社(ガラスびん/きた産業株式会社、株式会社山村製壜所)

 オシャレな洋酒の入ったびんと思わせるような、デザインがすばらしい商品です。また、そのびんの中に、ソースが入っているという意外性も高い評価となりました。商品をまっすぐ立てておくだけでなく、斜めにしても置けるなど、遊びゴコロがあふれ、かつガラスびんならではのデザイン性が高く評価され、デザイン優秀賞に選ばれました。

2010年 FIFA ワールドカップ南アフリカ大会公認 「日本の酒」シリーズ マグナムボトル

盛田株式会社(ガラスびん/東洋ガラス株式会社)

 びんの底が赤く着色されており、ラベルとのマッチングが良い。ビードロのような雰囲気で光の反射が美しく見え、粋な感じが醸し出されていると評価され、リリー・フランキー賞に選ばれました。

3210(ミニーレ)フィニッシュワークシリーズ

高砂酒造株式会社(ガラスびん/星硝株式会社、東洋ガラス株式会社)

 子どもが喜びそうなかわいらしいデザインが良い。表側のデザインと、びんの裏側のデザインを一緒に楽しめるのも、ガラスびんならでは。旅の思い出として、ずっと取っておきたくなる商品と評価され、根本美緒賞に選ばれました。

株式会社桃屋(ガラスびん/東洋ガラス株式会社)

 長年においてガラスびんを採用いただき、今回受賞された商品で「食べるラー油」という新しい市場を開拓されました。発売以来大ヒットとなり、同様の商品も含めると年間1億本の需要を創出。2010年のガラスびん市場を大きく牽引、ガラスびんの需要喚起に大きく貢献いただきました。

大塚化学株式会社
(ガラスびん/大商硝子株式会社、東洋ガラス株式会社、日本山村硝子株式会社)

 ガラスびんに入った商品を代表する商品で、長年にわたりガラスびんをご愛用いただいています。2010年に発売45周年。2011年には累計販売本数300億本突破という節目の年に、感謝の意を込め、日本ガラスびん協会特別賞に選定させていただきました。

生活クラブ事業連合生活協同組合連合会
(ガラスびん/東硝株式会社、石塚硝子株式会社、東洋ガラス株式会社)

 ごみを減らす取り組み「グリーンシステム」のひとつとして、1994年よりリターナブルびんをご採用。2000年には牛乳を紙からリターナブルびんへ、2010年にはマヨネーズの軽量化を伴うUDリターナブルびんへ切り替え採用など積極的にガラスびんをご利用頂いています。環境にやさしい容器=「ガラスびん」を長年アピール頂いている点に敬意を表し、日本ガラスびん協会特別賞に選定させていただきました。

審査

リリー・フランキー 審査委員長
 1963年福岡県生まれ。武蔵野美術大学卒業。イラストのほか、文筆、写真、デザイン、作詞・作曲、構成・演出、俳優など幅広い分野で活動。おもな著書に、「誰も知らない名言集」、「美女と野球」、日本映画についてのコラムをまとめた「日本のみなさんさようなら」などがあり、05年に扶桑社から発売された長編小説「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」は06年本屋大賞を受賞、220万部を超すベストセラーとなった。また初のオリジナル絵本「おでんくん」は老若男女問わず熱烈な支持を集めている。最新作は「エコラム」。俳優としては、映画「ぐるりのこと。」でブルーリボン賞などを受賞している。

コメント
 今年は昨年に引き続き審査をさせていただきましたが、昨年と比べて、環境面や機能面で十分な性能を備えた上で、なおかつデザイン性の高いびんが多くあったように感じます。また、全般的に軽量化された商品が多いように感じられ、さまざまな面で昨年と比べてガラスびんの改良が進んでいることが実感できたアワードでした。

小黒 一三 審査委員
 1979年2月10日東京・佃島出身。慶應義塾大学経済学部島田晴雄ゼミで環境経済学を学ぶ。東北放送でアナウンサーを経て、現在はフリーキャスター・気象予報士として活躍し、TBS系「週刊!健康カレンダー カラダのキモチ」、「ごごネタ!クックTV」などの番組に出演中。また、これまでに環境省が主催する『容器包装廃棄物排出抑制推進委員(3R推進マイスター)』をはじめ、『地球いきもの応援団』、『チャレンジ25キャンペーン応援団』に就任している。

コメント
 作品ひとつひとつを見てみると、使い勝手が良く考えられており、正直驚きました。かゆいところに手が届く、という商品が多いと感じました。若者が手にとってもらえるような商品が増えていくことを望みます