第10回 開催記念トークショー

<参加者>
リリー・フランキーさん
富永美樹さん
大塚食品株式会社 大淵由貴様
日本耐酸壜工業株式会社 平野公一様

司会:それでは、今回最優秀賞に選ばれましたジャワティを囲みながら、ガラスびんアワードの第10回を記念した「トークショー」を行いたいと思います。まずはお二人が、普段どういうお仕事をされているのかお聞きしましょう。

大淵さん:大塚食品の「ジャワティ」の製品担当、主にマーケティング関連の仕事をしています。

平野さん:私は日本耐酸壜工業という会社の営業をやっております。普段はびんを売っている立場でございます。

司会:ジャワティは今年で発売25周年を迎えたワケですが、ペットボトルの商品ではなく、今回はなぜガラスびんのプレミアムな商品を発売することになったのですか。

大淵さん:ジャワティは25年前に、食事を摂る時に飲む商品ということで発売されました。ジャワティが持つ、テーブルに置いても映える華やかさを通じて、食事の時に飲んでもらうドリンクを、25年経過した今、再認知していただこうとブランディングの一環として、びんタイプのプレミアム商品を開発させていただきました。

司会:今、華やかさという言葉がありましたが、審査の時の印象はいかがでしたか?

リリー・フランキー:遠くからですと、すごくスタンダードなびんに見えるんですが、近くで見ると、かなり手の入ったというか、丁寧に作られたびんであるなあ、という印象を持ちました。決して、華美なデザインを施すのではなくて、ガラスそのものの良さ引き出しながらデザインしているから、反対にとても豪華な、そして何よりプレミアムな作品になっていると思います。

司会:びんのデザインに関しては、相当なこだわりがあったとお聞きしています。

大淵さん:レストランや飲食店さんに置いていただけるデザインということで、開発スタートしました。とくに形状と機能性にはこだわっていました。食卓を彩る空間作りに、寄り添えるようなデザインということで。とにかく気を付けたのは、色とりどりの料理が並ぶテーブルに置いた時に邪魔しないように、シンプルかつ、少しワインを思わせるようなフォルムにしたかった、ということに尽きますね。

司会:主婦として、こんなプレミアム感あふれるジャワティをいただいたら、いかがですか。

富永さん:いつものジャワティなんだけど、びんに入っているというだけで、大いにプレミアム感がありますね。ところで、中身は、一般のジャワティと同じなんですか?

大淵さん:実は中身も今回変えていまして。レストランに置くことをイメージして開発したので、そういうお店でも合う味、ということで。今回の商品には、ジャワ島で収穫される茶葉の中でも収穫量の少ない、まさにプレミアムな茶葉を使用しております。

リリー・フランキーさん:この商品は、赤いタイプと白いタイプがありますが、どのように違うんですか。

大淵さん:それぞれに、茶葉の発酵の度合いを変えています。完全に発酵させた紅茶タイプが赤い商品です。白い方は、少しだけ発酵させた微発酵という製法で作られているのが特徴です。


司会:それでは、見ているだけはわからないので、実際に皆さまにも飲んでいただきましょう。

リリー・フランキーさん:2種類とも、ぜんぜん味が違くて、どちらも美味しい。白い方は軽くて、最後にジャワティ―の味が追いついてくる。濃い方は、お茶の味が重い感じですね。

富永美樹さん:白はさっぱりしているけれど、後味で紅茶の香りがほんのりと。確かにお食事に合いますよね。赤い方は、しっかりと紅茶、という味わいです。でも渋すぎず、ほどよく美味しいですね。

司会:たくさんの要望をいただき、それを実際にびんという形にするのが、平野さんの役割だと思うのですが、開発まで、どういう苦労がありましたか?

平野さん:当初大淵さんからお話しを伺った時は「ワインをイメージして高級感を出したい」と。それでは、まず絵を描いて提案してみようと何案がご提案しました。ところが、全部却下(笑)。それからは4、5回は提案、修正の繰り返しでした。

大淵さん:試作びんは、料理人の方やソムリエの方に見て、触って、注いでいただいて。飲んでもいただきました。このびんは敢えて首を長くしました。注ぐ時に「コポコポッ」と音がするのが、美味しさをさらに引き立たせるポイントでもあるのですが、そういったところも、料理のプロの方のアドバイスをいただきながら最終調整をしました。


司会:この金のラベルにも、相当こだわりがあったとか。

大淵さん:お茶の色の、あざやかさを見せたかった。特に赤いタイプは濃く出しているので、しっかりと見せたかったんです。ラベルには、ジャワティとしての主張も出したかったので、小さいけれどプレミアム感が出るよう、贅沢な型押しにしました。

リリー・フランキーさん:見事に、このジャワティ―は、びんの持つ美しさや質実さが、商品の特徴と融合しているんですね。最優秀賞にふさわしい、優雅さ、プレミアム感があふれているんです。

富永美樹さん:とにかく、ひと目みて魅かれましたね。早く飲んでみたい、早く開けてみたいという衝動にかられました。このびんだったらとっておいて、お客さんが来たときに、水を入れてテーブルに置いてピッチャーの代わりにしても美しいですね。1輪挿しにしてもいいかも。家に置いておきたいびんですね。

司会:それでは、これからの抱負をお聞かせください。

大淵さん:ジャワティは今年で発売25年を迎えました。これからも、これからも料理を食べる側、そして作る側の人たちをも考えながら、楽しいテーブルを提案していけたらと思っています。

平野さん:ガラスびん協会の基本姿勢でもあるのですが、びんというは見た目、手触り、口触りを通して、より美味しく感じることができる容器です。ただ、びんは重い、割れるというイメージがあり他の容器に変わってきているという現実もあります。我々の業界は厳しさを増す一方ですが、よりすぐれたびんを開発していきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。