2019年03月04日

海外情報(2019年2月分)

1. O-I社の2018年業績

 2月5日にO-I社の2018年業績が発表された。それによると、2018年は堅調な財務実績を達成し、2019年の高収益とキャッシュフロー創出への期待を確認したとしている。
純売上高は69億ドル(7590億円:1ドル110円換算)で、2017年比で若干増加。びん価格は全世界平均で2%向上した。一方、出荷数量はConstellation Brands,Incとの合弁企業への生産移管や米国でビール市場が引き続き縮小している事や生産能力の制約などもあって2%減少。セグメント営業利益は945百万ドル(約1,040億円)で、2017年比で若干増加。地域別にみると、ヨーロッパのセグメント営業利益は3億1,600万ドル(約348億円)で、前年同期比で5,300万ドル(約58億円)約20%の改善となった。米州のセグメント営業利益は、2017年と比較して29百万ドル(約32億円)減少し、585百万ドル(約644億円)となった。ブラジルの前年比出荷も堅調に推移した。米国では、2018年の食品顧客への出荷が前年比で堅調に伸びたのに対し、アルコール飲料顧客への出荷が減少した。アジア太平洋地域のセグメント営業利益は4,400万ドル(約48億円)で、前年同期比で21百万ドル(約23億円)減少した。

出典:O-I社

訳注1:記事の詳細については以下のURLを参照ください。

2. ヨーロッパ平均のガラスびんリサイクル率は74%

 FEVEの最新の統計によれば、ヨーロッパで収集されたガラスびんとジャーは12百万トンで、全体平均のガラスびんリサイクル率は74%と安定している。FEVEは収集漏れを抑制してこの値を上げたいとしている。FEVEのファレリ事務総長によれば、収集されたガラスの90%は新びん製造に回っており、リサイクルされたガラスは最も重要な原材料で環境上のメリットと省エネをもたらしている、としている。国別では個別収集方式など収集体制が整っているベルギー、フィンランド、オーストリア、スウェーデン、スロベニアが90%のトップリーグを形成している。その一方で、リサイクル体制が整っていないギリシャ、ハンガリー他では40%未満となっている。

出典:FEVE

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3. ヴィドララグループのポルトガルの2工場の使用電力は100%再生可能エネルギーによる

 ヴィドララグループのポルトガルの2つの工場、SB Vidros工場とGallo Vidro工場では、使用電力の100%をAcciona Green Energy Development(アクシオナグリーンエナージデヴェロプメント)社からの風力発電など再生可能エネルギーによってまかなっている。これによるCO2排出削減量は例えばSB Vidros工場の場合は年間3万トンに上る。

出典:Vidrala社

訳注1:記事の詳細については以下のURLを参照ください。

訳注2:Acciona Green Energy Development社については以下のURLを参照ください。

アクシオナ社会長兼CEOのホセ・マヌエル・エントレカナレス・ドメック氏は、西日経済委員会委員長を務め平成30年春の叙勲で日本・スペイン間の経済関係強化及び相互理解の促進に寄与した功績で旭日重光章を受賞している。

4. ヴェラリアグループの新しい同社製品識別マーク

 2015年にヴェラリアグループがサンゴバン社より独立して約4年が経過し、10カ国(フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、ドイツ、ウクライナ、ロシア、ブラジル、アルゼンチン、チリ)にある32工場で生産される製品に新しい同社識別マーク”V”に国別頭文字を付けたマーク(例えばフランスならVF)が使われることになった(注:訳者注にある同社発表では1カ国に複数工場がある場合の工場識別マークは不明)。
ヴェラリアグループは主にワイン、ビール、ソフトドリンク及び食品分野に製品を供給していて、同社HPによると飲料および食品向けガラスびんメーカとして世界第3位となっている。

出典:Veralia社

訳注1:記事の詳細については以下のURLを参照ください。

5. XPAR検査機が食器分野でも採用

 昨年のびん協EU視察でのエンサーク社エルトン工場他の訪問で、Xpar Visionの赤外線(IR)カメラが当たり前のように使われている様子が見られた。そしてXparの検査情報を主要なISタイミングシステムと組み合わせることで、赤外線(IR)テクノロジはインダストリー4.0規格を満たす準備が整ってきている。このXpar Visonが2018年に食器製造の分野にも導入される様子で、参照元の記事では企業名は不明だが食器業界の大手と協力してIR-Dシステムがプレスブローでのタンブラー製造ラインに設置され、歩留まりが5%向上したとされている。

出典:Glass International

訳注1:記事の詳細については以下のURLを参照ください。