2014年04月22日

海外情報(2014年4月分)

1.Vetropack社  2013年収益・販売およびキャッシュフロー増加

 Vetropackグループの2013年の収益は、前年の604.4百万スイスフランから2.7%増の621百万スイスフランとなった。同グループ全体の販売量は、前年の4.29億本から4.36億本と1.5%の増加。国内市場の本数ベースでの占有率は前年の61.7%から61.9%に増加。グループ全体の生産トン数は約1.28百万トンで、前年より3.1%増加。同グループでは、2012年に112.3百万スイスフランの設備投資(2炉窯修含む)、2013年には56.3百万スイスフランの設備投資(成形機の入れ替え等)を行った。

 出典:FEVE NEWS FN 426-04 14

2.Ardagh社 Holmegaard工場  エネルギー供給契約を締結

 Ardagh社のHolmegaard工場(デンマーク)は、ビール、ワイン、清涼飲料、食料品向けのガラスびんを年間16万トン(びん換算で約700百万本)生産している。カレット使用によって溶解エネルギーを低減しているが、依然として溶解炉からの排ガスが持ち出す熱エネルギー量がかなりある。このため、アルダー社は企業としての社会的責任を果たすという立場から、この排出される熱エネルギーを二次的に利用できる方法について検討していた。この結果、持続的社会形成を目指す立場から、主に建物冷暖房エネルギーを削減する様々な方法を提案し実現してきたSE Big Blue社と契約を結び、排ガスの持つ余剰熱エネルギーを、地元の地域暖房プラントとパイプラインを結び、約100MWH相当の熱をタンクに貯蔵し、1,000軒以上の住宅暖房に低価格で供給する契約を締結した。Holmegaard工場のHenrik Bonné工場長は、「これは関係する人皆が利益を受けるwin-winの契約で、地元最大の雇用を提供している事業者による地元への安価なエネルギー供給で、お隣同士の助け合いということであり、環境にも良く、乗用車換算で約400台に相当する年間3,300トンのCO2削減となる。更に、18,000MWhのエネルギー販売によって、当社の投資コスト削減にもなる。」と語った。

 出典: Glass International Weekly News Bulletin 2014.03.18

3.Miller Liteはレトロな包装デザインをガラスびんに拡張

 Miller Liteは、1970年代の缶デザインがレトロブームによって約6年間続いた販売減少に歯止めをかけ、ブランド回復に大きな成功を収めた。引き続いて同社は、レトロな外観をガラスびんにも採用することを考えている。MillerCoorsの上級取締役であるRyan Reis氏は、「我々はガラスびんについて真剣に考えており、・・・これは我々にとって良いアイデアのように思っている。」と語った。

 出典: GPI Smart Brief March 19, 2014

4.「高級化(Premiumisation)」はガラスびんの将来

 O-I社の欧州事業のトップであるErik Bouts氏は次のように語った。
 「消費者はより高品質なブランドに乗り換えている。いわゆる『高級化(Premiumisation)』によって、アルコール商品が棚の上段に並ぶようになり、これがガラスびん需要を加速している。このようなブランド側の需要が、Amorim社と共同開発したコルク栓抜きを必要としないHelix cork採用を促進している。ガラスはお洒落(en vogue)なので・・・プレミアムなセグメントでより良い位置にある。」

 出典: GPI Smart Brief March 19, 2014

5.英国ガラス製造事業者連合が“現場で働く女性”というイニシアチブを立ち上げ

 英国のガラス製造事業者連合(British Glass Manufacturers’ Confederation)が、“現場で働く女性(Women in Manufacturing:WiM)”というエンジニアリング及び製造現場での女性の才能をプールする場を作り、維持するイニシアチブを立ち上げた。これは英国のガラス関係者の訓練、技能開発の場である、ガラスアカデミー(The Glass Academy)が同アカデミーのサブプログラムとして設定したもので、Worshipuful CompanyとGlass Sellers of Londonの支援を受けている。WiMは非営利のイニシアチブで、業界のシニアの方々の考え方をシフトするという文化的な挑戦プログラムで、英国の製造およびエンジニアリングのコミュニティー等の支援を受け、業界への女性の誘致支援・保持を行い、多様性を奨励し、全ての階層およびキャリア開発において女性の数を増し、英国の才能ある女性をプールすることを目的としている。

 出典:FEVE NEWS FN 426-04 14
 【訳者注】
 まったく偶然だったが、先月の海外情報で、ガラスびん業界で働く女性が少なく思うといったコメントをつけ、業界をリードする女性達を特集した。その直後に、英国では業界としてそういった状況を改善しようとするイニシアチブが立ち上がったという記事が入り、皆様に紹介することとした。

6.先見的なガラス容器製造事業者が3D印刷装置を導入

 Allied Glass Containers社は高級なガラス容器製造しているが、最近、新型の3D印刷機を導入し、これを使って僅か数時間で顧客に画像ではなく立体のガラスびんを提供するということを始めている。同社は、造形サービスの一環としてイギリスの業界で初めて3D印刷装置を導入した。同社の製品デザイン担当のSteve Glover氏は次のように語った。「3D印刷装置の導入によって、我が社のデザインチームはデザインアイデアに命を吹き込むことができる。顧客は、3D印刷装置で作成した物理的なプロトタイプを見て触れて検討でき、感覚的にも評価できる。」

 出典:FEVE NEWS FN 426-04 14