2020年11月16日

海外情報(2020年11月分)

1. グラスフューチャーズが英国政府から約20.9億円の投資を確保

グラスフューチャーズは、英国のセントヘレンズ(St.Helens)の旧ユナイテッドグラス社ピーズリークロス工場(Peasley Cross)跡地にエクセレンスセンターを建設するために、英国研究イノベーション(UKRI)のトランスフォーメーション・ファウンデーション・インダストリーズ・チャレンジの一環として、英国政府から1,500万ポンド(約20.9億円:1ポンド139円換算)の投資を確保した。英国政府の資金以外に、リバプール市地域複合機関から約1,000万ポンド(約13.9億円)、セントヘレンズ自治区評議会から更に2,000万ポンド(約27.8億円)が提供され、合計で約5,400万ポンド(約75億円)の資金が予定されている。センターには試験生産設備があり、30t/dの生産が可能。

出所:glass-international.com

訳者注:グーグルマップでみると、建設予定地はトタリーウィケッドスタヂアム(Totally Wicked Stadium)の隣。現在更地になっていて、すぐ近くにピルキントン社の工場がある。
記事詳細は以下のURLを参照ください。

2. フランスでもカーボンニュートラルに向けたプロジェクトが始まる

フランスのエンジー(ENGIE)社、フィヴ(FIVES)社、セヴァーグラス(Saverglass)社、ヴェレソンス(Verescence)社は、共同してカーボンニュートラルを目指してヴェルキャン(VERCANE:fusion de VERre CArboNFutre:carbon neutral glass melting)プロジェクトを開始した。ガラス製造業はフランス産業界での旗艦の一つだが、2050年までに低炭素化をどのように進めるかという課題に直面しており、CO2排出の大半を担うガラス溶融に焦点を当て、様々なエネルギー源、例えば、水素、バイオ由来、および電気などを試用し、セヴァーグラス社及びヴェレソンス社の設備で研究開発を進める。

出所:glass-international.com

訳者注:記事詳細は以下のURLを参照ください。

ENGIE社については以下のURLを参照ください。

Saverglass社、Verescence社及びFIVES社についてはそれぞれ以下のURLを参照ください。

3. BDF社デルタ炉シリーズ

BDF社は同社の研究と経験の成果として、ガラスびん生産向けとしてブースティングや先進的な燃焼システムなどをモジュラー化したエンドポート型のデルタ炉シリーズを公表。BDF社では、技術面だけでなく、経済的にも最良の解決策を提案するために、設備投資と運営費のバランスにも目を光らせて、燃料消費とガラス品質の面で完璧な妥協点を持つように、この一連のエンドポート炉を設計した。
炉の技術仕様:
・型式:蓄熱型エンドポート炉 BDF デルタモデル
・対象ガラス種:ソーダ石灰ガラス(ソフトドリンク、ビール及びワイン用の品質に対応)
・色調:フリント、ハーフフリント、グリーンあるいはアンバー
・シード数: 60 個/100 grガラス (シード直径0.2~0.99 mm)
・取り出し量:3,0 ~ 4,0 TPD/m2
・溶解面積:45 m2~140 m2
・燃料:天然ガス / 軽油 / 重油
・蓄熱室タイプ:チムニー
・ドッグハウス:BDF製オシレータ電動バッチチャージャ
・燃焼システム:3 + 3 アンダーポートバーナ
・スロートブースター: 60 KVA

出所:glassonline.com

訳者注:記事詳細は以下のURLを参照ください。平面図が掲載されている。

4. イタリアのガラス産業団体は2021年6月に延期されたグラステックに不参加

イタリアのガラス産業団体のジマブ(GIMAV)は、COVID-19パンデミックの状況を検討した結果、10月13日付けで公式に来年6月に延期となったデュッセルドルフで開催予定のグラステックに加盟各社は参加しないと表明した。同時に、来年2021年10月5日~8日にイタリアのミラノで開催予定のヴィトルム(VITRUM)が唯一の可能性ある展示会として、またイタリアガラス産業の卓越性を真に促進できる展示会としたいとしている。

出所:gimav.it

イタリアの業界は、来年6月のヨーロッパはまだCOVID-19パンデミックが収まっていない懸念があり、10月なら大規模展示会が開催できる可能性があると考えているようだ。
GIMAVの公式声明は以下のURLを参照ください。

またVITRUM会長のインタビュー記事は以下のURLを参照ください。

GIMAVについては以下のURLを参照ください。