2014年09月19日

海外情報(2014年9月分)

1.EUの2013年出荷状況

 FEVE統計によると最近5年間の出荷状況は次表のようになっていて、2013年は2012年対比でほぼ横ばいであった。FEVE加盟国別ではトルコが+7.5%で突出している一方で南・東欧諸国合計が-6.9%と逆に減少している。合計を5年スパンでみると僅かに増という状況となっている。

FEVE(The European Container Glass Federation)加盟国最近5年の生産状況 ∗¹

 

国別 \ 年 2009
千トン
2010
千トン
2011
千トン
2012
千トン
2013
千トン
2013vs2012
%
ドイツ 3,779 3,788 4,065 3,935 3,934  0.0
イタリア 3,332 3,507 3,569 3,392 3,439  1.4
フランス 3,154 3,152 3,310 3,147 3,031 -3.7
イギリス 2,116 2,317 2,311 2,226 2,241  0.7
北・中欧諸国 ∗² 1,950 1,950 2,041 2,097 2,094 -0.1
スペイン 1,928 1,980 2,067 2,012 2,087  3.7
ポルトガル 1,288 1,313 1,352 1,442 1,439 -0.2
南・東欧諸国 ∗³ 1,069 1,069 1,187 1,198 1,116 -6.9
トルコ 613 779 823 950 1,021  7.5
ポーランド 909 986 987 997 1,004  0.7
合計 20,138 20,841 21,711 21,396 21,405  0.0
EU合計 19,421 19,957 20,783 20,334 20,278 -0.3
参考:日本 1,330 1,337 1,342 1,281 1,287  0.5

 ∗1:出荷量は、食料・飲料のびん及びジャー、小びん(Flacon;薬品、化粧品、香水)の合計
 ∗2:北・中欧諸国(オーストリア、ベルギー、デンマーク、エストニア、スエーデン、スイス、オランダ;7カ国)
 ∗3:南・東欧諸国(ブルガリア、チェコ、ギリシャ、ハンガリー、ルーマニア、スロバキア;6カ国)

 出典:FEVE
 http://www.feve.org/index.php?option=com_content&view=article&id=10&Itemid=11

2.Vetropack社 現地通貨ベースで最大の収益 – より高いEBITマージン ∗¹

 2014年上半期に、Vetropackグループは昨年より5.5%増の23.6億ユニットの販売を達成した。為替レートが下がった影響で、連結売上高は1.2%減の3.114億スイスフラン(為替の影響調整後4.2%増)。原材料やエネルギーコストが低かったことが市場価格への圧力を相殺した。 EBITマージンは昨年の9.5%から10.3%に増加した。欧州の政治的状況は安定している一方で、上半期のVetropack社ウクライナ工場は、ウクライナの政治危機の影響で通貨が40%以上急落した影響で消費者や得意先が慎重な動きを見せるといった不利な条件にもかかわらず、フル生産で稼働成績も良かった。下半期については、上半期同様の成績となると予測していない。これはチェコ工場に新炉を設置することや、ウクライナ工場の更なる拡張によるコスト負担が主要な要因である。また、ロシアに併合された領域でのエネルギー配給(ガス、電気)、貿易と物流の問題の脅威と消費の減少は、ウクライナ工場に影響するし、ウクライナ通貨の為替レートがどうなるかも予測できないため。
 ∗1:「EBIT÷売上高」で算出。EBITは、Earnings Before Interest and Taxes(金利税引き前利益)の略。

 出典:FEVE NEWS/FN430 09 14

3.Vitro社がビールびん生産を3倍に拡張

 メキシコの最大手であるVitro社が、Constellation社と輸出向けビールびん7,300百万本の契約、推定950百万USドル、を締結した。これにより同社のビールびん生産は3倍になる。この契約は7年契約となっている。同時に同社はMonterrey工場に100百万ドルをかけて18ヶ月以内に新炉を建設する。
 これまでVitro社はConstellation社とはワインびんを供給してきた。

 出典:Glass International
 http://www.glass-international.com/news/view/vitro-to-triple-beer-market-production