2021年08月21日

海外情報(2021年8月分)

1. O-I社のマグマ溶解技術

O-I社は効率的な生産を進めるために、2018年11月に米国イリノイ州のストリータ工場(Streater)に同社のマグマ(MAGMA;Modular Advanced Glass Manufacturing Asset)と呼ばれるガラスびん生産のイメージを根本的に見直した先進的な生産技術を試験導入し、2019年にはドイツのホルツミンデン工場(Holzminden)にも導入を開始し、幾つかのマイルストーンとなる技術を成功裏に導入した。導入されたマグマ溶解技術では、バイオ燃料およびその他のCN再生可能エネルギー源、例えば水素、更に多種のリサイクルガラスを使用できる。同社は次世代のマグマ2をストリータ工場に試験導入する予定。更に、ウルトラ(Ultra)と呼ばれる超軽量びんの開発や、第3世代の技術開発に取り組むとしている。

出所:glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。

訳者注:
(1)ウルトラでは既存の溶解炉で、より炭素負荷の少ないガス・酸素燃焼を使うとしている。
(2)同社イノベーションセンターには試験溶融生産設備(1窯2ライン)があり、ここで様々な新規技術・製品の開発を行い、その後に同社の数ある工場の中で開発技術の導入意欲を示した工場に導入・実用化するという形をとっている。(訳者の知る限り自社内に試験溶融生産ラインを保有しているのはO-I社のみではないかと思う)
イノベーションセンターについては、ユーチューブに紹介動画がアップされている。

2. アルダー社2021年第二四半期業績

同社の2021年第二四半期は好調で、調整後EBITDAは金属缶事業(AMP;Ardagh Metal Packaging)が前期比18%増、ヨーロッパでのガラスびん事業は36%増だった。売上は前年比11%増の19億ドル(約1,995億円;105円換算)。ガラスびんはヨーロッパで昨年の落ち込みから強く回復した需要増に支えられ出荷は7%増加(ヨーロッパ地域は11%増)だった。

出所:glassonline.com
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3. O-I社の2021年第二四半期業績

2021年第二四半期の営業利益は、前年同期が0.99億ドル(約104億円;105円換算)に対して2.32億ドル(約244億円)だった。
米国地域:営業利益は前年同期0.52億ドル(約55億円)に対して1.24億ドル(約130億円)。
ヨーロッパ地域:営業利益は前年同期0.42億ドル(約44億円)に対して1.08億ドル(約113億円)、出荷が前年同期比で22%増と回復。
アジア太平洋地域:営業利益の計上無し。

出所:glassonline.com
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4. ベラリア社2021年上期業績

第一四半期はコロナ感染の影響があったが、第二四半期ではカフェ、ホテル、レストランの再開もあって、第一四半期の本業での売上は記録的なものとなった。2021年上期売上は13.28億ユーロ(約1,660億円;125円換算)で前年比4.2%増だった。2021年第二四半期をみると、売上は前年比4.2%増の7.23億ユーロ(約904億円)だった。上半期の調整後EBITDAは、前年同期の2.99億ユーロ(約374億円)に対して3.45億ユーロ(約431億円)となった。

出所:glassonline.com
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5. エンサーク社が業界の抱える問題に対する専門家の意見をHPに掲載開始

エンサーク社は、同社HPに“明解な意見:Transparent Thinking”というびん業界や飲料業界が抱える大きな課題に対する著名な専門家の意見掲載シリーズを始めた。このシリーズには、三つのテーマ、すなわち、働く人の多様性や人材不足を扱う“全ての人のための製造:Manufacturing for ALL”、持続性、製造責任や炭素排出削減を扱う“地球ファーストの生産:Planet-First Production”、インダストリー4.0の今後、知的なガラスびん(intelligent glass container)の理想的なライフサイクルを扱う “スマートボトルへの競争:The Race to Smart Bottle”があり、本年から来年にかけて定期的に同社のHPに掲載される。

出所:glassonline.com
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記事にあるエンサーク社の専門家意見掲載のページは以下のURLを参照ください。

訳者注:
エンサーク社のカリー社長はこの活動について次ぎのように述べている。
「エンサーク社は、お得意先を始めとして、非常に素晴らしい洞察力を持った方々、実際に行動されている方々と一緒にお仕事をさせて頂いています。このような方々は、弊社がより持続的になり、もっと進展し、そしてより成功するように助けて下さっています。このような方々が持っておられるご意見を頂く事の価値は計り知れません。そのため、弊社は、このような方々のご意見や知識を、業界発展を助け、支援するものとして皆様と分かち合いたいと望んでいます。今回立ち上げた”明解な意見:Transparent Thinking“はそのような弊社の思いを実現し、我々全員の将来をより良い、確実なものとするための助けとなると考えております。」