2022年03月01日

海外情報(2022年2月分)

1. 2022国際ガラス年(IYOG2022)が公式に開幕

2022年2月10日に、国連で採択された国際ガラス年の開幕行事がスイスのジュネーブで開催された。この開幕行事はコロナの影響で出席者を限定して開催された。開幕行事の様子が国連のオンラインチャンネルで視聴できる。

出所:glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。

開幕の様子は以下の国連オンラインチャンネルより視聴ください。

2. シセジャム社の2021年売上など

トルコのシセジャム社(Şişecam)は、2021年売上が前年比50%増の約320億TRY(約2,720億円/1TRY=8.5円換算)、EBITDAが約8.6億TRY(約73.1億円)と報告した。
事業分野別では、板硝子(建築用:91億TRY/約774億円:前年比85%増、自動車用:32.3億TRY/約275億円:前年比36%増)、食器(48.76億TRY/約414億円:前年比53%増)、ガラスびん(74.72億TRY/約635億円:前年比37%増)、化学品(58.65億TRY/約499億円:前年比37%増)だった。売上を地位域別にみると、トルコ国内:34%、輸出:23%、ロシア・ウクライナ・ジョージア:15%、欧州:25%、その他:3%だった。

出所:https://www.sisecam.com.tr/
詳細は以下のURLを参照ください。

訳者注:同社は板硝子:世界第5位、食器:世界第2位、ガラスびん:世界第5位、ソーダ灰:世界第2位にあると報告している。

3. シュテルツレ社がフリント炉の更新投資を完了

オーストリアのシュテルツレ社(Stoelzle)は、フリント炉の設備更新に22百万ユーロ(約28.6億円:130円換算)の投資を完了した。この投資は生産効率の向上、エネルギー効率の向上とCO2排出削減を目的としている、具体的には、溶解量を270t/dに拡張し、エネルギー消費をトン当たり13%削減するとしている。天然ガス消費量を削減するためにグリーン電力を使った改良型電気ブースターが使用される。過去数ヶ月に渡り行われた市場回収カレットの使用テストの社内評価でも、フリント色調や品質を犠牲にすることなく成功し、CO2排出量を16%削減した。同社は2030年までにCO2排出量を50%削減することを目標としている。

出所:https://www.stoelzle.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。

4. エンサーク社のコルシコ工場が地域に熱エネルギーを供給

イタリアのコルシコ(Corsico)に立地するエンサーク社コルシコ工場(旧ヴィドララ社イタリア工場)が、地域の熱供給網に熱エネルギーを供給する。これは、同工場がコルシコにある地域暖房会社のAtecc社及びエネルギーサービスのレノビス社(Renovis Energy)がパートナーを組んで行われるプロジェクト。このプロジェクトのために、ヴィドララ社は同工場に新しい電気集塵機および排熱回収設備などを設置した。

出所:vidrala.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。

訳者注:Atecc社については以下のURLを参照ください。

Atecc社の親会社ELARIS社については以下のURLを参照ください。

Renovis Energy社については以下のURLを参照ください。

5. ボルミオリファルマ社の持続可能性に向けてのプロジェクト

ボルミオリファルマ社(Bormioli Pharma)は、生産性向上や持続可能性などを目的として研究開発センターであるIMEM-CNRにガラス専門の基金を提供し、3年にわたり内外表面コーティング開発に取り組む。また、同社はグラスフューチャーズの低炭素プロジェクトにも参加する。このプロジェクトは10年継続する予定。同社は2025年までに同社製品の50%を低環境インパクトの原料を使って生産するとしている。

出所:bormiolipharma.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。

訳者注:IMEM-CNRについては以下のURLを参照ください。

6. ヴェルソンス社が全電気溶融炉での生産を計画

ヴェルソンス社(Verescemce:旧SGD社)は、フランス北部のソンム県のメール・レ・バン(Mers-les-Bains)に立地する工場の1号炉を、2025年から全電気溶融の実証炉として化粧品びんなどを生産する予定。これは同社では初の全電気溶融炉となる。同社は2020年からCNガラス生産に向けたプロジェクト(Vercaneプロジェクト)を開始しており、様々なエネルギー源について調査を行ってきている。同社は、2034年にはCO2排出(スコープ1及び2)を現状の40%までに削減する目標を掲げている。

出所:glassonline.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。

又は

7. IPGRがCN生産に向けての開発に参加

ヴィーガント社(Wiegand-Glas)、ホーン社(Horn Glass)などが参加しているIPGRが、CNガラスびん生産を目的としたZeroCO2ガラスプロジェクトで開発を進める。このプロジェクトは、ヴィーガント社、RWTH大学、溶解炉を得意とするホーン社及びIPGRなど業界の専門家が参加するコンソーシアム形態で行われる。完全なCNガラスびん生産に向けて新型の水素燃焼炉の開発および関係するガラス化学を開発目標としている。
このためには、以下の事柄が開発されなければならない。

  • 炭素を含まない原料およびバッチ調整条件
  • 高度に柔軟な電気と水素のハイブリッド型溶解炉の操窯
  • 革新的なサブマージ型の原料供給を可能とする溶融炉設計

約2.4t/dのプロトタイプ炉でテストを行い、コンピュータモデルなども使い、商用炉にスケールアップする。このプロジェクトで注目されるのは、使用エネルギーのみならず原料までも含んでいる点にある。なお、このプロジェクトはドイツ連邦経済エネルギー省(BMWK)の第7次研究プログラムの一部として資金提供を受け2022年から2024年にかけて実施される。

出所:glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。

訳者注:IPGRについては以下のURLを参照ください。

RWTHアーヘン大学については以下のURLを参照ください。

8. グラスフォルム社による生産現場のAI化

ボテロ社(Bottero)とティアマ社(TIAMA)が共同して、生産工程の自動化を目指して別会社のグラスフォルム社(GlassFROM.ai)を設立した。両社はボテロ社の生産プロセスに対する知識、ティアマ社のセンサー技術を使ってここ数年戦略的に共同して業務を進めてきていた。ガラス業界では、ノウハウを持った熟練オペレータがいなくなる一方で、新しい技術は特定の能力が必要といった事が課題となっている。両社はこのような状況に対応するにはデータ処理に基づく自動化が鍵となると考え、AIを使った成形工程を自動的に管理する手段を提供する事などを目的にしたグラスフォルム社を立ち上げた。

出所:glassonline.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。

訳者注:グラスフォルム社については以下のURLを参照ください。