2008年08月01日

海外情報(2008年8月分)

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Feve事務総長Mr.Andrew Somogyi氏辞任

Somogyi氏は、16年間ガラスびん容器産業の共通の利益を擁護するために貢献されたが、この度退職された。この間、Feveを今日の欧州22カ国に亘る59のガラスびん・テーブルウェア製造の大小の会社を代表する組織にまで拡大されることに多くの努力を傾注された。
Feveの事務局・会員会社は挙げて、その献身と手腕に感謝している。
(Feve news Apr.)


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ガラスびん会社業績-2008年第1・4半期 概して好業績

1)アメリカ O-I
売上高は前年同期間比16%増の19.6億ドル、営業利益は大幅増の173百万ドル(前年同期間48百万ドル)であった。要因は売上量減、原燃料・輸送費高をカバーする値上げと製品ミックスの改善・生産効率の向上及び低利息・減税が寄与したためである。しかし、通期についてはチャレンジを要すると述べられている。
(Feve news May. '08-www.glassonline.com- 5 May. '08)
2)ドイツ Gerresheimer社
売上高は前年同期間比18.2%増の239百万ユーロ、営業利益は20.4%増の43百万ユーロの好業績を挙げた。欧米における薬品バイアルの好調が寄与した。当社は欧米・アジア(中国)で41工場、10,800人雇用の会社に急成長している。
(Feve news Apr.&May. '08-www.glassonline.com- 5 May.'08&29May. '08)
3)メキシコ Vitro S.A.B.de C.V.(メキシコ本拠のグローバルガラス企業)
連結売上高は6.1%増加したが、税前利益は15.6%減少した。天然ガス価格の23%高が響いた。ガラスびんの出荷は輸出(米国が主)14%増、国内も3.5%増と好調であった。
(Feve news May. '08-www.glassonline.com- 8May. '08)
4)イタリア Zignago社(Zignago groupのガラス部門、他に繊維・ワイン)
売上高は7.3%増の60.9百万ユーロ、純利益は58.8%増の6.1百万ユーロを計上した。この会社は、国内と輸出向けにワイン・スピリッツ・化粧品・香水・食品・飲料用高級、特殊ガラスびんを製造している。
CEOは「当社は合併の機会を探している。」と述べている。また2008年は20百万ユーロを投資し、パリ郊外の工場に1窯増設を計画している。
(Feve news May. '08-www.glassonline.com-16&20 May.'08)
5)スペイン
2007年に購入したベルギーの製びん会社を併せ、社内の活動の統合に努めている。
2008年第1・4半期の純利益は30.2%増の9.14百万ユーロ、売上高は目標の100万ユーロを超えた。売上の44%は輸出で、向け先はフランス23%・イタリア10%・ポルトガル7%、他となっている。 
(Feve news May. '08-www.glassglobal.com- 2May. '08)


米国ガラスびん業界 6月出荷やや陰りか?

米国ガラスびん業界・月別出荷本数
単位:百万本、%
  1月 2月 3月 4月 5月 6月
2007年 2,824 2,648 3,026 2,992 3,227 3,185 17,902
2008年 2,864 2,726 2,893 2,988 3,157 3,033 17,661
'08/'07 101.4 102.9 95.6 99.9 97.8 95.2 98.7
(出所:米国統計局)

英国業界 輸入ワインをバルクよりびん入りに変えることに成功

英国には、政府その他のFundによって設立された"Waste and Resources Action Programme(WRAP)"と言う組織があり、公私の団体の省資源・リサイクルの活動を支援している。その支援を得て、British Glass(ガラスびんも含む団体)は"the Glass Rite Wine project"を推進した。内容は、「外国産ワインをバルクで輸入し、英国内で製造した軽量化ガラスびんに詰めてもらう」ことを目論んだ。その結果は成功で、英国ガラスびん生産は増加、特にリサイクルされたカレットの使用が進んだ。 このプロジェクトは2006年開始されたが、2007年のカレットの使用は24千トン増加し、びんの軽量化のために11千トンのガラスが節減された。
WRAPのメンバーの一人は、「2年間に軽量びんはスーパーの棚で馴染になり、ワインのバルク輸入はびん詰めに替わった。」と述べた。これらのActionによって、年間の炭酸ガス28千トン以上の削減となったが、これは8,500台の車の使用減に相当する。
この"Glass Rite Wine Project"の第1期は2006年夏から2008年3月で終了したが、WRAPはその成果をthe London International Wine Fair(20-22May)でプレゼンテーションした。このプロジェクトには、国際的ブランドワイン製造者・エージェント・フィラー・製びん業者・小売業者等が加わった。
(Feve news May. '08-www.glassglobal.com- 22May. '08)
(Feve news May. '08-www.glassonline.com- 28May. '08)


英国業界 輸入ワインをバルクよりびん入りに変えることに成功

REACH(Registration,Evaluation,Authorization and restriction of Chemicals:化学物質の登録、評価、認可、規制に関する規則)に関する法令は2006年EUによって可決され、同時にECHA(European Chemicals Agency)欧州化学庁が設立された。
現在使用されている約3万種の化学物質(酸・金属・溶剤・塗装剤・接着剤等)は、6月1日~12月1日にECHAへ事前登録を要する。REACH規則は6月1日から施行されるので、欧州委員会とECHAは数万の化学物質の製造者・輸入者に対して、2008年中の事前登録を勧めている。事前登録は18万件を超えると予想されるが、当事者に化学物質のデータを共有し、知識を深める機会を与えよう。
将来の安全確保の前提となる。
(Feve news Apr'08-http://europa.eu/- 11Apr'08)
ECHAへの登録料については欧州委員会によって採択され、告示されよう。
内容は、10トン以下の製造量、1,600ユーロ(約27万円)から1000トン超え31,000ユーロ(約527万円)まで。また、小企業に対して90%低減、共同申告に対して25%低減等の制度がある。
この登録料はECHAの運営費となるが、会員国代表委員会によって承認を得ることとなろう。
(http://europa.eu/- 11 Apr.'08 and 16 Apr.'08)


sphenol A (BPA)関連ニュース

Apr.・ May号共に、Bisphenol A 関連ニュース(特にカナダ、米国がソース)が極めて多く掲載されている。わが国ではかねて(2000年代)から環境ホルモン問題の一つとして取り上げられ、研究・対策が採られたと考えている。
今回の一連のニュースでは、カナダや米国において改めて実験や研究が注目され、カナダ保険省(Health Canada)が、その化学物質の禁止を検討している。それが米国・欧州に影響を及ぼすのではないか等と述べられている。
わが国でも、改めて厚生労働省が安全評価を諮問したとのニュースが新聞に掲載されていた。
因みに、一連のニュースの中で、EUでこの種問題を担当するthe European Food Safety Authority(EFSA)は、2007年「BPAの1日の摂取量の最高限度を体重Kg当たり5mg」と決めたとのこと。再検討するのではないかとのニュースも含まれている。