2009年01月01日

海外情報(2009年1月分)

1. 欧州ガラスびん業界概観


Feve news Oct.'08の最初に掲載されているニュースです。原文表題は"Glass half full for availability, price and carbon footprint" *「業界は出荷・価格・環境対策で、半ば満足の業績を上げている。」と訳した。
ガラス製造業者は、2007年及び2008年始めからの需要動向は、略順調に推移していると言っている。Feve事務総長Adeline Farrelly氏は「メンバー会社からは更に市場シェアを上げたいとの声を聞く」と述べている。Feveの統計では欧州全体の生産量は、2007年前年比4%増加した。その中で英国は略同率の伸びをしたが、フランスは3%減少した。
Ardaph Glassは今後4年間に欧州で、4億5千万ユーロを投じて設備のグレードアップ(拡大よりも)を図る。British Glass(英国業界団体)の理事は、Allied Glassは1窯を起こした。Quinn Glassの新工場もフル稼働に達した。英国では漸く需給の均衡に達した。(それまでは需要オーバー)と述べている。
環境問題に関してFarrelly氏は、「協会は、最大のコミュニケーション・プログラムを直接、消費者を対象に実施する。リサイクルの観点に立てばガラスは環境の天使である。繰り返しリサイクルされ使用される」と述べている。
(Feve news Oct.'08- www.foodmanufacture.co.uk-29 Oct.'08)
注)*:carbon footprint:炭素の足跡、商品の製造から廃棄まで消費するエネルギー、その結果排出されるCO2ガスの量、消費者が商品を購入する際の一基準として欧州で導入が始まっている。(web-siteより)



2. ガラスびんグローバル大手企業2008年第3・4半期まで(1~9月)業績-概ね好調


Saint- Gobain社

この期間の連結売上高は33,435百万ユーロ(約4兆2千億円)で前年同期間実績32,630百万ユーロ比2.5%増(為替変動の影響を除去すれば5.6%増)であった。
特にガラスびん部門はすべての市場で活況を継続し、この期間の売上は7.9%(第3・4半期のみでは10.8%)伸張した。
(Feve news Oct.'08-www.saint-gobain.com/en/html/press/communiqués 2008/20.asp-22 Oct.'08)

O-I社

この期間の売上高は、6,180百万ドル(約5,500億円)で、前年同期間実績の5,609百万ドル比 ・571百万ドル10%増であった。主因は、為替変動(ドル安)寄与が470百万ドル、価格改定・製品構成改善が422百万ドルのプラス要因で、売上トン 数減によるマイナス要因319百万ドルをカバーした。
第3・4半期のみの業績は、売上高2,009百万ドルで、前年同期間実績1,928百万ドル比・81百万ドル(4%)の増加であった。主因は為替変動寄与 が82百万ドル、価格改定・製品構成改善が149百万ドルのプラス要因が、売上トン数減によるマイナス要因146百万ドルをカバーした。
(Feve news Oct.'08-O-I Press Release 29 Oct.'08)

Gerresheimer社

ここも好調で、この期間の売上高は、783.4百万ユーロ(前年同期間比12.3%増)、粗利益(利息・税・償却前)は146.9百万ユーロ(前年同期間 比18.1%増)を挙げた。第3・4半期単独では、それぞれ268.0百万ユーロ(7.2%増)、50.3百万ユーロ(14.1%増)であった。
同社のCEOは、薬品・生化学を主市場とする営業について強気の見通しを語っている。
(Feve news Oct.'08-Gerresheimer Press Release 15 Oct.'08)



3. その他のニュース


米国ガラスびん業界・月別出荷本数

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 前半計  
2007年 2,824 2,648 3,026 2,992 3,227 3,185 17,902  
2008年 2,864 2,726 2,893 2,988 3,157 3,033 17,661  
'08/'07 101.4 102.9 95.6 99.9 97.8 95.2 98.7  
  7月 8月 9月 10月 11月 12月 後半計 1-11計
2007年 3,088 3,118 2,789 3,057 2,664     32,618
2008年 3,153 2,976 2,844 2,928 2,427     31,989
'08/'07 102.1 95.4 101.9 95.8 91.1     98.1

(出所:米国統計局)

11月は、月別では当年で最大の落込みとなった。

スペイン Vidrala社 2008年9ヶ月業績

この期間の売上高は、309.3百万ユーロ(前年同期間比14.9%増)、純利益は32.7百万ユーロ(前年同期間比20.9%増)を記録した。
売上高の地域別内訳は、スペイン54%・フランス23%・イタリア12%・ポルトガル7%その他4%であった。
(Feve news Oct.'08-www.glassonline.com-30 Oct.'08)

アイルランド Ardaph社 エンジニア部門を統合

Ardaph社は、欧州製びん業界で大手の一つである。この程、エンジニア関係事業を統合して新divisionを造ることを公表した。そこに属するの は、Heye International(ドイツ-世界の製びん業界の設備関係の開発・設置)、FUP(ポーランド-マシン部品の製造)、Heye FFS(ポーランド)、SFO(ドイツ)〔両者はびん型関連〕と英国・ポーランドにおけるびん型製作部門である。これらの事業トータルの売上高は95百万 ユーロ、人員は600名である。各社の営業は現在の社名で継続する。
統合の目的は、部門の連係を良くし、事業の収益性の向上を図ることにある。
(Feve news Oct.'08-www.glassonline.com-29 Oct.'08)

トルコ Anadolu Cam社 ロシアの工場のために借入

当社はこの程、ロシアにあるOJSC Pokrov工場のために、7百万ドルを期間7.5年で欧州復興開発銀行から借り入れたことを公表した。工場は借入金を製造能力の拡充目的に使用する。保証人は、Anadolu Cam社と、親会社のSisecam社である。
(Feve news Oct.'08-www.glassonline.com-28 Oct.'08)