2010年01月07日

海外情報(2009年12月分)

今回の情報源はFeve news Dec.'09号です。



1. 業界・関係協会等のニュースから


EU:プラスチック廃棄物に警告

欧州プラスチック業界は、政府から海上の有害な散乱物("plastics soup"と呼ばれている)を防ぐ対策を迫られている。オランダ政府は、海上のプラスチック廃棄物に起因する環境被害にEUレベルの対応策を求め、EU環境閣僚会議(10月21日)に提議した。

オランダ代表は「プラスチックやゴムの漂流物が大洋のエコシステムの脅威となっている。我々にはプラスチックのサイクルが、できる限りクローズであること、現存する漂流物を除去すること、更に必要なことは海が最初の廃棄場所にされることを防止することである。」と述べた。

英国プラスチック協会は、オランダ代表の会議への呼びかけを歓迎し、そのスポークスマンは「海洋の汚染について更に調査し、教育のイニシアチブをとり、より厳しい罰を課する等、国際的な対応を考える。プラスチック業界は決して海に廃棄しない。この問題は、不法な投棄・不適切な廃棄物管理や輸送に起因する」と述べている。
(Feve news Dec.'09-Packagingtoday.co.uk)

飲料容器・包装に対する環境税の要求

ドイツ自然保存協会(The German nature conservation society)は、国土や海洋でのプラスチック等の廃棄汚染に対処するために、環境に有害なワンウェイ容器に環境税を課することを求めている。協会は「リサイクル率は80%に決められているが、2007年のレベルは57%に過ぎない。税のレベルは、リサイクルの現状によって決め、製造業者に課する。それは商品価格に反映され、消費者が選択することになるだろう」と言っている。
(Feve news Dec.'09-www.globalmalt.de

欧州統計局:2007年リサイクル状況公表

欧州統計局(Eurostat-the European Office of Statistics)は2007年ガラスびんリサイクル状況を公表した。リサイクル目標値は、2008年60%と設定されている。12カ国中11カ国が2007年にその目標を越えている。スペインのみが56%で達していない。トップはデンマークである。新加入国では、チェコ・キプロス・エストニアが設定した目標を越えた。しかし、ギリシャ・キプロス・ルーマニアは20%以下であった。
(Feve news Dec.'09-Euwid Verpackung)

欧州委員会:メンバー国に対し包装に関する基本的ニーズの規制を要請

委員会は現在、基本的なニーズ(例えば廃棄の抑制・重金属の限度・目的にフィットした包装-過剰を避けるも含むと考える)を充たす包装に関する規制が行われていない国が多いと考えている。コンサルタントに依頼し、現状を調査し対策を検討している。年末までにメッセージを出す予定である。現在、規制を持つ主要国はフランス・英国・チェコである。
(Feve news Dec.'09-European Environment & Packaging Law)

ISO(The International Organization for Standardisation):新サブ委員会発足

新委員会の目的は、環境に調和する包装の基準(環境に対するインパクトの減少・流通への障害の最小化・現行スタンダードとの調整など)を検討することである。最初の会合は12月ストックホルムで開催され、議長国はスウェーデンと中国である。
(Feve news Dec.'09-European Environment & Packaging Law)

ドイツ/Packagingサミット

ドイツWiesbadenで開かれた2009年サミットで、ドイツガラスびん協会の副会長は次のように述べた。「最近、商品品質を表現するために"プレミアムPremium"が多用されている。消費者は、品質のため高額を払う。ガラスびんは中身商品の"プレミアムPremium"を強調する素材と考えられている。最近の傾向では透明かブラックが好まれている。」
(Feve news Dec.'09-Euwid Verpackung)



2. 個別企業からのニュース


ドイツ:Saint-Gobain Oberland社

ドイツの2009年1~9月ガラスびん需要は、前年比10%減少している。東欧は更に悪い。グループの売上高は、その上にロシア・ウクライナ通貨の為替相場低下(年間平均-3.5%)の影響を受けている。第4四半期も状況は変わらないだろう。生産を調整することで対応している。
(Feve news Dec.'09-www.saint-gobain-oberland.de

東南アジア:Fraser & Neave Holdings Bhd.社 ベトナムでガラスびん設備に投資

当社は東南アジアの有力飲料企業である。ベトナムで新工場建設のために43百万ドル(約38億円)を投資する。投資先はMalaya-Vietnam Glass Ltd.で持ち株比率はFraser &Neaveが70%、Saigon Beer Co.が30%である。新工場のスタートは2011年4月の見込み。軽量リターナブルびんなどの市場を目指す。
(Feve news Dec.'09-Glassonline.com)