2010年12月22日

海外情報(2010年12月分)

ガラスびん業界・企業に関するニュース


1.O-I社
(1) 2010年・第3四半期(7~9月)業績公表
  出荷量は前年同期比2.4%減少した。売上高は17.4億ドル、前年同期比7.0%減となった。差は為替の関係による。利益は1.387億ドル、前年同期比9.5%増。
  会長Stoucken氏の説明「業績は営業活動している市場ごとの経済回復ペースの差を反映している。新興国市場では、すべての需要分野で改善した。ビールは先進国市場で下降した。わが社は、長期の成長戦略を推進する。魅力ある成長市場でのビジネスを拡大するため、年初から、アルゼンチン・中国・マレーシア・ベトナムで会社を買収した。当期に於いては、北ブラジルのCIV社を買収し、ペルーとアルゼンチンで新窯を始動した。一方、ベネズエラ工場の国有化の影響は5%弱であろう。」
(Fevenews Dec.-Glassonline.com)

(2) ベネズエラ チャベス政権と法廷で争う
  チャベス大統領は10月末に、O-I社の2工場を国有化することを発表した。
  O-Iサイドは次のように述べている。「食品・飲料業界への供給の継続の必要性を強調している。しかし事態は混迷し、変動している。長い法的手続きを要するだろう。結果は予測できない。操業が継続できる解決を目指す。O-I工場の正当な評価を含め多くの問題が残されている。O-I社は雇用しているベネズエラ人リーダーと全員のとった行動を高く評価している。」
(Fevenews Dec.-Packagingnews.co.uk)

(3) Black Glassで市場開発を目指す
  フィーダーカラー方式で"Black Bottle"の生産を開始した。スピリッツ・ワイン・ビール・食品などのプレミアム商品をターゲットに売り込む。
  当社マーケティングマネージャーは「紫外線を良くカットし、中身商品の賞味期限を延ばしうる。」と述べている。
(Fevenews Dec.-Packagingnews.co.uk)

(4) ガラスびんの内面彫刻の技術開発  
  当社はガラスびんの内面に彫刻する技術を開発している。それは中身商品の差別化のツールとなり得る。 適用例はMillerCoors社の"Miller Lite"の容器"Voltex"(渦巻)びん。このびんは首の内面にデザインされたみぞが彫られている。市場で、外観・新規性の両面から差別化されている。実際にこのデザインを施した新355mlびん発売以降 Miller Liteの売上は5%増加した。
  また、GPI主催の"2010 Clear Choice Award"に於いて、top 10 package designの一つに選ばれた。
(Fevenews Dec.-Cisionwire.com)

(5) ニュージ-ランドで新窯始動
  12月1日新窯がスタートする。オープニングには、Key首相とO-I本社から経営トップの一人の出席が期待されている。要した費用は85百万ドル、発展しているワイン・ビール業界からの需要に応えることが目的である。
(Fevenews Dec.-I-grafix.com)


2.Gerresheimer社
  当社は、中国を世界の成長市場のトップと認め、同国の化粧品業界から第1のパートナーとして選ばれることを目標に速やかに行動した。市場調査会社によれば、中国の香水市場は最近2桁の成長率を示している。
  責任者は「当社は発展の初段階に進出したことを、勝利の戦略として、正しい選択であったと考えている。また最高品質の保証を最も重要な仕事と考えている。我々は広い経験を持ち、市場ニーズに適切、速やかに対応できる。」と述べている。
  当社は、中国に化粧品用ガラスびん製造に特化された7工場を持っている。
(Fevenews Dec.-Cosmetics design- Europe.com)


3.インド Piramal Glass社
[訳者注:当社はMunbai拠点のthe Ajay Piramal group(主要営業分野は薬品。売上規模800億円)に属するガラスびん製造会社]
  業績は2010年3月期が転換機で好調に転じた。売上先は、化粧品・香水、薬品、特殊な食品・飲料の3分野。今後は化粧品・香水に重点を置く。薬品はPETが進出してきている。
(Fevenews Dec.-Glassonline.com)


4.ガラスびんの軽量化が世界で最重要・緊急の課題となろう
  ガラスびんの軽量化が、世界のワイン産業でびんや輸送コストと、カーボンフットプリント削減の観点から重要課題になっている。
 イギリスのWrap(Waste & Resources Action Programme)*が主体として促進しているプロジェクト"GlassRite"が注目されている。その中で、市中で使用されている一般びんが、肉厚で過剰スペックになっていると指摘している。何れにしてもびんの軽量化が、避け得られない重要課題となろう。
*イギリスの政令に基づき設立された組織。
(Fevenews Dec.-Winetimes.co.za)