2011年12月16日

海外情報(2011年12月分)

 主要会社の2011年第3四半期の状況等お伝えします。

1. O-I社

(1) 第3四半期の業績
 営業利益は269百万ドル、前年の279百万ドルに比し3.6%減少した。
 売上増・売値上昇・為替相場はプラス要因となったが、製造コスト・販促費用が上昇したので、上記の結果となった。
 出荷トン数は4%増加した。この内3%は前年度に実施した企業買収による。全ての地域で増加したが、オーストラリアでは減少した。
 製造コストは37百万ドル増加した。コストインフレによる55百万ドルの増加を、効率改善で吸収した結果である。
 Stroucken会長は第4四半期の見通しについて「グローバルな経済見通が良くない。当社の見通しは前年並みもしくはやや増加に止まるだろう。」と述べた。
   (FEVE News Oct.'11-Source:4-traders.com)

(2) 中国で企業買収
  当社は、中国河北省(北京・天津を含む地域)で工場を買収する契約を調印したと公表した。移行は本年末までに完成する見通しである。
 この結果、当社の中国における生産能力は現状の44万トンの倍以上の100万トンに達し、中国2番目の生産者になる。河北省は中国3番目の大市場で、全国需要の約10%を持つと見られている。
 (FEVE News Oct.'11-Source:Glassglobal.com)
 (訳者注:中国ガラスびんの市場規模については、『海外情報2011年8月』の1.Focus on Chinaの中で「パッケ-ジング産業の内訳」で報じたとおりガラスびんは629億本とあった。これからトン数は1,000万トンを超えると推定している。)

2. Verallia社 2011年9月までの業績

 9ヶ月間の売上高は2.8%増加した。売値の上昇に支えられた。
 地域別では、米国は減少、欧州も僅少ながら減少したが、南アメリカでの増加によって埋められた。
 (FEVE News Oct.'11-Source: Saint-Gobain)

3. Vitro社(メキシコ本拠) 新設備導入

(訳者注:ガラスびんと板ガラスを主製品とするグローバル企業。Web siteから当社の概要を記す。2011年の業績:売上高1,850百万ドル・前年比+4.5%。利益250百万ドル・前年比+5.5%。雇用17千人。
ガラスびん工場数:メキシコ6・中米2・南米1。 2011年第3四半期も、売上10%増、利益11%増の好業績。米国も主要市場としているため、GPIのメンバーでもある。)

 Toluca工場で新たに10セクショントリプル機を始動した。これにより工場の生産能力は15%増加する。主として化粧品、薬品市場を目指す。
 (FEVE News Oct.'11-Source:Glassonline.com)


4. Allied社(イギリス) グローバル市場への進出を目指す

 当社の歴史は古く、Yorkshireの2工場は19世紀末まで遡る。経営主体は変わってきたが、有名ウィスキー・スピリッツメーカー向けの高級少量品種、ビール、食品などの高級ブランド(niche brands)向けのガラスびん供給を特色として維持、発展してきた。現在はイギリスガラスびん業界4番目に位置している。
 当社では、1年前に2回目のMBO(Management Buy Out-経営陣による株式買占め)があった(価額75百万ポンド-約100億円)。このMBOを主導したHenderson氏は、「欧州への事業拡大を会社発展のキーと考えている。2011年には新機械の導入など3.5百万ポンドの設備投資を計画している。」と語った。 MBO以降で、売上高は9%増の85.5百万ポンドに、雇用者数は30名増の660人になった。2011年は10%の成長を見込んでいる。
  (FEVE News Oct.'11-Source: Glassonline.com)


5. Piramal Glass(インド)

(訳者注:当社については、『海外情報2010年12月』で報じた。今回はその後の情況である。)
 当社は2009年度までは損失を続けていたが、その後好転した。2010年度は売上高11,040百万ルピー、純利益30百万ルピー。2011年度は売上高12,185百万ルピー、純利益1,034百万ルピーと好調を記録した。売上は5年間で倍増した。(注:1インドルピー=約1.6円)
 当社の製品は、①化粧品・香水 ②薬品・食品・飲料に分けられている。業績好転の理由は①部門への注力による。①部門の売上に占める比率は09年35%から11年度50%へ増加した。粗利益率は①部門が30%に対し、②は22%である。会社の借入金はこの2年間に減少した。
 (FEVE News Oct.'11-Source:Glassonweb.com)

6. 飲料容器のデポジット制度は支持得られず スペイン

 この制度導入は、最近の諸会議で支持されないことが判った。産業界・消費者団体・政府関係部門で構成された会議で、「6月上院で取り上げられたこの制度は費用が掛かりすぎる。この制度を実施しているNorway・Finlandよりも高いリサイクル率を達成している国がある。」として支持しないことを決めた。
 (FEVE News Oct.'11-Source: European Environment & Packaging Law)