2011年05月25日

海外情報(2011年4月)

ガラスびん業界、グローバル2大企業の2010年決算ニュース

O-I社とSaint Gobain社が、世界のガラスびん市場における2大企業である。しかし、両社のこの市場への対処方針は異なっている。 O-I社は、ガラス部門に専業化し積極的に新興国市場に進出を図っている。一方、Saint Gobain社は、板ガラス・ニューガラス製品・建築材料分野などに注力し、総売上高に占めるガラスびん部門(Veralliaと命名した)の割合は極めて小さくなり、この部門を切り離し売却する意向がしばしば伝えられてきた。 以下に、websiteに公表された2010年決算とその説明を記す。

1.O-I社
 2010年の純売上高(net sales)は66.3億ドル(前年の66.5億ドルに比し微減)であった。
一方、説明では「新興国市場(南米・アジア太平洋地域)で、買収やジョイントベンチャーにより、10工場を加え将来に備え3窯を建設した。」とある。
 北米・欧州の既存市場が、なお厳しかったと推測される。

 営業利益(operating profit)は9.6億ドル、前年の8.9億ドル比増加した。販売価格と構成は、前年度と大差はない。出荷トン数は1%減少した。
 製造原価と輸送費は、会社のコスト削減策によってインフレを克服して減少した。非営業コストは、企業買収に伴う借入金増加で金利が上昇した。

 Stroucken会長は「2010年の営業利益の改善は、南米における成長と企業内コスト削減努力が貢献した。
 また、南米・アジア太平洋地域における拡大投資は、将来の成長に貢献するであろう」と述べた。

 O-I社は現在、21カ国で81工場を稼動し、24,000人を雇用している。

2.Saint-Gobainグループ
 決算発表の見出しが「Sharp upswing in 2010 results (2010年業績急上昇)」とあり、次の表示がされている。

単位:100万ユーロ

2009年 2010年 2010/2009
売上高 37,766 40,119 +6.2%
営業利益 2,216 3,117 +41%

付表では、売上高の部門別・地域別内訳が表示されていて興味深い。残念ながら部門毎の地域別はない。

【売上高部門別】

単位:百万ユーロ

2009年 2010年 2010/2009 2010構成比(%)
板ガラス 4,572 5,218 +19.1 12.7
高機能材料 3,220 4,069 +26.4 10.1
建築用製品 10,414 10,940 +5.4 26.6
建材流通 17,101 17,326 +1.3 42.0
容器(ガラスびん) 3,445 3,553 +3.2 8.6
内部取引 -966 -987
37,786 40,119 +6.2 100.0

注)上記の部門別標記は日本語ホームページによる。
英文では、Flat Glass, High-Performance Material, Construction Products, Building Distribution, Packaging

【地域別】

単位:百万ユーロ

2009年 2010年 2010/2009 2010構成比(%)
フランス 11,495 11,388 -0.9 27.1
その他の欧州 16,557 17,063 +3.1 40.8
北米 4,864 5,516 +13.4 13.1
新興国・アジア 6,367 7,983 +25.2 19.0
内部取引 -1,497 -1,831
37,786 40,119 +6.2 100.0

※ 新興国(emerging countries)・アジアの伸長が際立っている。

 部門別の状況説明があるが、容器(ガラスびん)部門は、極めて短く「この部門は、売上高・営業利益共に健全さを維持したと言える。営業利益率は12.2%で、前年の12.7%と比べると微減した。エネルギーコストが影響した。」と書かれていた。

3.両社のガラスびん売上高対比
  両社の2010年売上高を円換算にして比べ、また、日本の業界出荷額(経済産業省統計)とも対比してみた。
(換算率:ドル・82円、ユーロ・120円)

O-I   66.3億ドル (5,440億円)
Saint-Gobain   35.5億ユーロ (4,260億円)
日本業界 1,318億円