2011年06月28日

海外情報(2011年6月 No.2)

 今回は、近着のFEVE Newsがデータソースです。
 今回の内容は、世界のガラスびん主要企業の近況である。

1.O-I社
 2011年第1四半期の業績は以下の通り。売上高は17.10億ドル、(前年同期比11.2%増)、営業利益(operating profit)は199百万ドル(前年同期比3.1%増)であった。  
 Stroucken会長の説明、「売上高の増加は、全ての地域・全ての需要業界で見られた。経済状況が良くなったこと、特に南米・中国における企業買収が貢献した。
 稼働率も上昇したが、その効果は、コストインフレと借入金増加に伴う支払金利増で相殺された。 今後も将来の利益を伴う成長を達成するために、セールス・マーケティング力の向上に投資して行く。」
(Fevenews May.-UK.finance.yahoo.co.uk)


2. Saint -Gobain社

(1)グループの2011年第1四半期の業績
 売上高は、9,799百万ユーロ(前年同期比12.2%増)。この中2.6%が、スカンジナビア諸国、多くの新興国(特にブラジル)の通貨高(対ユーロ)の寄与による。
 グループの各部門は順調に推移した。新興国・アジア・東欧諸国での取引は増加し活況を維持した。
 ガラスびん部門(Verallia)は、欧州(主市場は仏・独)・米国で経済環境の回復が見られたので、成長した。
(Fevenews May.-Prnewswire.com) 
(訳者注:2010年部門別売上高は、海外情報(2011年4月分)に掲載した。ガラスびん部門の売上は、O-I社に次いで世界2位であるが、グループ内の構成比は極めて低い。2010年8.6%)

(2)ガラスびん部門(Verallia)を分離 IPO(Initial Public Offering株式公開上場)へ
 この部門を独立させる試みは、かねてから報じられてきた。今回は、経済状況が回復、株式を株式市場で公開(上場)する手続きに入ったと公表した。
 その中で「この部門は、会社の主要・重点部門から外れているので、独立が適切と考えて来た。市場状況が回復してきたので、この決定をした」と述べている。
(Fevenews May.-Reuters/CNBC.classic.com)


3.Ardah社 イタリア本拠の容器会社買収

 当社は、Fi Par社を125百万ユーロで買収した。Fi Par社は、イタリア・ギリシャで、金属缶、エアゾールの製造・販売を行って来た。
 440人を雇用し、2010年には、150百万ユーロを売り上げた。買収はイタリアの政府関係機関に4月承認される予定。 
 Ardah社、Chief Executiveは次のように述べた。「イタリアにおける売上げは増加し、我々の主要市場の一つとなり、全欧州、特に南欧における我々の存在を強化するだろう。我々は、この取引を歓迎している。」
 当社は今や、容器(金属・ガラス)のグローバル企業として、24カ国で14千人を雇用し、年間売り上げは32億ユーロに達している。
(Fevenews April-Irishtimes.com)
(訳者注:Ardah社はグローバルなガラスびん市場において、O-I、Veralliaに次ぐ第3勢力として注目されている。)

4.ドイツ市場 2011年も良好見通し
 2010年は、ドイツのガラスびん業界にとって良い年であった。各企業は、2011年についても売上・生産量の増加を見込み、新規雇用と新たな設備投資を計画している。しかし、2012年までに新窯を起動する計画は聞かない。
(Fevenews March-Euwid.com)

5.活況が報じられるインド市場
(1)Hindusthan National Glass、新工業団地建設に着手 
 当社は、インド最大のガラスびん製造会社で55%のシェアを持つ。
 この度Naidupetaに、東南アジア最大のガラス工業団地の建設に着手した。3年間で製造能力を倍増することを目標にしている。敷地は210エーカー(約25万坪)。初回の投資額は70億ルピー(約140億円)で、世界の最新技術を取り入れた650トン/日能力の窯を建設する。
 最終目標は、ガラスびん3窯とフロートガラス2窯の工場である。この立地を選んだ理由は、南インド諸州が個人所得、各種飲料の消費水準が高く、かつ港湾・交通の便宜を考慮した結果である。
 当社はこのプロジェクトで、将来は中近東・東南アジアから、更に米国・欧州まで目標市場の拡大を考えている。
(Fevenews March-Moneycontrol.com)

(2)HSIL社 2010年末までの四半期好業績
 当社は、建材・ガラスびん製造のインドの代表的企業。この四半期は、売上高29.7億ルピー(約60億円)、前年同期比38%増の好業績を上げた。両部門とも貢献した。今後の見通しと計画の見直しを図っている。
(Fevenews March-Priog.org)