2008 授賞式レポート

 2009年2月13日。第5回目となった日本ガラスびん協会主催の「ガラスびんデザインアワード2008」の最終審査会が行われました。今年も昨年同様、合計4人の審査員を迎えて審査が行われました。今年も優れたデザインのガラスびんが多数集まり、充実した内容の審査会となりました。その模様をご紹介しましょう。

山中昭廣会長からの開会の挨拶


 ガラスびんデザインアワードは今年で5回目を迎えました。
 今回は199エントリー、395本もの作品が集まり大変喜ばしいことと思います。
 これからもガラスびんの良さをどんどんアピールしていき、更なる需要喚起に繋げていきたいと思います。

受賞作品一覧

株式会社プレミアム・サケ・コンソーシアム 記年美酒(きねんびしゅ)

 この度は最優秀賞という、栄誉ある賞を頂戴しましてとても良い思い出となりました。私どもは日本酒メーカー約40社が集まりまして、昨年度から古酒の販売ということを目的にした事業を行っています。古酒というものは一度途切れたしまった文化でしたが、再び構築していこうと蔵元たちが立ち上がり、我々の熱意と時をかけて育まれた深い味わいをこのガラスびんを通して上手く表現できたと思っております。

株式会社プレミアム・サケ・コンソーシアム 代表取締役 上野伸弘様

瑞穂酒造株式会社 琉球泡盛 島米 濃醇・端麗

 このような栄えある賞をいただき、本当に光栄です。この商品は研究開発・販路拡大・ブランド構築を目的としてつくり上げられたものです。びんのデザインにおいて「先進性」「ピュア」「プレミアム感」をコンセプトとし、「見せる、際立たせる」ことを意識してつくりました。こうしたこだわりを評価していただき、このような形で賞をいただいたことは誠に光栄です。本当にありがとうございました。

瑞穂酒造株式会社 代表取締役社長 玉那覇有彦様

岡山県青果物販売株式会社 FRUITS-J FRUIT GELEE

 本日はこのような賞を賜りましてありがとうございます。弊社は開発から生産加工までを一貫して行っているメーカーでございます。商品名である「FRUITS-J」のJの字はJAPANの意味をもっており、日本の果実を全国のたくさんの人に味わってもらいたいという意味を込めております。このガラスびんを使用したデザインにより「中身の素材をきれいに見せている」というお褒めのお言葉をいただき誠に喜ばしいことと思います。

岡山県青果物販売株式会社 代表取締役 大西直規様

タケサンフーズ株式会社 つくだにシリーズ

 この商品は瀬戸内海にある、小豆島の風土、歴史、そして塩の旨みを味わってもらいたい、という思いをしっかり詰め込んでつくり上げました。内田繁審査員長からは「食卓にとても馴染みやすい」というお褒めのお言葉をいただき本当にありがたく思います。これからも、小豆島のおいしさと品質の高さをしっかり詰め込みながらも、心温まるようなアットホームな商品企画ができるよう、努力をしていきたいと思います。この度は本当にありがとうございました。

タケサンフーズ株式会社 代表取締役社長 富田孝之輔様

株式会社マンダム  バリアリペアベビーモイストベース ベビーモイストエッセンス

 授賞式には株式会社マンダム様のご都合がつかず、
お越しいただくことができませんでした。

齊藤酒造株式会社 吟の実 りんご

 今回授賞させていただいた「吟の実 りんご」という商品は「日本酒とりんご果汁との出会い」を求めたリキュールでございます。吟醸酒の「吟」、それに加え 吟味された果汁の「吟」という言葉。そして丸々としたボトルからイメージできる果実の形を意識しまして、この度「吟の実 りんご」という名前で発売させて いただきました。これからも消費者の皆様に喜んでいただけるような商品を出していけたらと思います。本日は誠にありがとうございました。

齊藤酒造株式会社 取締役社長 齊藤透様

ハウス食品株式会社 ハウス オーガニックスパイスシリーズ

 この度は大変栄誉あるクロワッサン賞を頂戴しまして誠にありがとうございます。スパイスというものは、お客様が購入されてから使い切っていただくまで大変長い時間がかかるものです。場合によってはまた詰め替えてご使用される方もいらっしゃいますので、長期間の使用に耐える必要があります。そうした意味でスパイスはガラスびんに尽きると思います。それだけに我々も、ガラスびんの機能性を活かせるよう、デザインにもこだわって開発をさせていただいております。今回は食品の中では特殊カテゴリーに入るスパイスにスポットを当てていただき、大変ありがたく思うとともに、今後の励みとさせていただきます。

ハウス食品株式会社 マーケティング本部/香辛食品部
チームマネージャー/ブランドプランナー 中谷清喜様

大正製薬株式会社 リポビタンノンカフェ、リポビタンアミノ、Biz(手売り用/ベンダー用)

 今回より新設されました「日本ガラスびん協会特別賞」を頂戴することができ、とても嬉しく思っております。ありがとうございます。このリポビタンシリーズは今年度で発売本数220億本を越える商品でございます。茶びんを使用することで「効き目感」と「安心感」を訴求することができ、お客様からの信頼が我々の成長支援になったと考えております。今日頂戴しましたこの特別賞は大正製薬にとりましては大変意義のある賞であると思います。今後とも変わらず、我々は「ファイト一発」でがんばりますのでよろしくお願いいたします。

大正製薬株式会社 理事/宣伝部長 船橋誠様

審査委員からの祝辞

クロワッサン副編集長 船山直子 審査員
 ガラスびんデザインアワードの選考に加わり今年で3回目となりました。今年も様々な色、形状のびんを見せていただき、大変楽しいひと時を過ごさせていただきました。この度クロワッサン賞に選ばせていただいた「ハウスオーガニックスパイスシリーズ」は、少人数の家庭が増えている中で時代が求めた、“ちょうど良いサイズ”の調味料だと思います。また、テーブルに良く馴染むデザインに好感を覚えました。ガラスびんの使い道というのはまだまだ可能性が開かれていると思います。来年も新しいデザインや、発想に出会えるように楽しみにしております。

 

益田文和 審査員
 皆様おめでとうございます。今回私が選ばせていただいた商品は非常にやわらかい質感をもっていてキャップの色と独特の調和をなしている作品です。こういったガラスびんを使った化粧品を初め、様々な商品の容器が時代と共にプラスチックに代わってきているのがとても残念なことだと改めて感じました。食品はもちろんのこと、肌に直接つける化粧品や、健康にかかわる商品こそガラスを使う時代がまた戻ってくるべきだと思っております。

 

内田繁 審査委員長
 ガラスびんというものは、個々に特性や機能があります。例えばリポビタンDですと、あの茶びんから表現されているのは「安全性」や「信頼」であり、最優秀賞「記年美酒」ですと、中身の個性を活かしたガラスびんから「特別感」を表現しているのです。日常使うガラスびんは形状も主張しすぎず、程よくて、品があるものになって欲しいと常々感じています。特にキッチンにはガラスびんも含め様々な“モノ”がありますが、「穏やかなデザイン=普通のデザイン」をもったガラスびんがあれば、そこは安定した美しい場になるはずです。今回、我々が選定したすべての作品は暮らしに程よく馴染み、そして品のあるデザインです。「普通のデザイン」というものが実は非常に水準が高く、美しいものであるのです。「普通のデザイン」に囲まれた品度の高い暮らしにはガラスびんは欠かせない存在なのです。本日は本当におめでとうございました。

合同懇親会

 授賞式が終わり、審査員、ガラスびん協会関係者を含め、マスコミの方々との合同懇親会が盛大に行われました。日本ガラスびん協会会長、山中昭廣から改めて挨拶があり、その後、副会長の岩本重己による乾杯の発声で合同懇親会が始まりました。会場には、受賞作品とともに一次審査通過作品も並べられマスコミを始め、多くの方の注目を集めていました。受賞作品を試飲していただけるスペースも用意し、合同懇親会は大いに盛り上がり、受賞された企業の方々の素晴らしい笑顔で幕を閉じました。
 今年で第5回目を迎えた「ガラスびんデザインアワード」は回を重ねるごとに応募の数が増え、今年のガラスびん応募総数は昨年よりも18エントリー上回る、199エントリーとなりました。今回から新たに「日本ガラスびん協会特別賞」が増え、授賞式には多くのマスコミにお越しいただき、ガラスびんという素材への可能性を再確認した式となりました。食の安全性や、エコロジーに注目が集まる今だからこそ、ガラスびんの優位性を伝え続ける為に、日本ガラスびん協会は来年もこのガラスびんデザインアワードを開催します。