2009 授賞式レポート

 2010年3月17日、東京會舘にて、第6回「ガラスびんアワード」の授賞式が行われました。受賞者のみなさんをはじめ、関係者が多数集まり、和やかな雰囲気の中で授賞式と合同懇親会が行われました。そして今回は、なんとサプライズゲストも。それでは、その模様をレポートします。

山村幸治会長からの開会の挨拶


 「ガラスびんアワード」も今年で6回目を迎えました。 今年もたくさんのご応募をいただき、最終的には160エントリー、361本のご応募をいただきました。 今年から、従来のアワードのように、ガラスびんのデザイン性を審査するだけではなく、ガラスびんのもつ環境面でのメリットや、密封性や安全性といった機能面でのメリットを十分に活かした商品についてもスポットライトを当てていきたい、という想いから、これまでの「ガラスびんデザインアワード」という名称も「ガラスびんアワード」へ変更しました。 また、審査委員につきましても、より幅広い目線から審査をいただきたい、ということでリリー・フランキーさん、小黒一三さんのお二方にお願いしました。 これからも、このような活動を通じ、ガラスびんの普及に努めてまいります。

受賞作品一覧

ネスカフェエクセラチャージ220g ハッピーキャニスターセット

 数あるガラスびんの商品の中から、最優秀賞に選んでいただき、ありがとうございます。受賞理由が、デザイン以外にも、使い勝手の良さや環境性といった点を評価していただいたということで、コンセプト通りのご評価を頂き、喜んでおります。コーヒーの詰め替え、というスタイルの中で、しっかりとお使いいただけ、かつ同封のシールでのデコレーションでオリジナリティを出して欲しいという商品企画でしたが、光文社様「Mart」とのコラボレーションの中で、より企画が広がってきたと感じています。 実は、今年でネスカフェは50周年を迎えます。これまで味や香りについての開発を進めてまいりましたが、開けやすさ、持ちやすさ、密封度といった、容器の重要性が高まってきていると思います。今後の商品企画の中で、ガラスびんのさらなる進化に期待したいと思います。

ネスレ日本株式会社 村本正昭様

キューピードレッシング、キューピーノンオイル

 光栄な賞を頂き、ありがとうございます。 ガラスびんという素材は、モディファイしやすく、かつ密封度の高いものと認識しています。今回、お客様のニーズ、ライフスタイルの変化に対応するための商品開発をおこないました。容量を少なくし、点字を採用する以外にも、ドレッシングのびんでは「振る」作業が発生しますので、振りやすい形状としたことも機能性の高さとして認められたのではないかと思っています。

キユーピー株式会社 依田晃様

メグまごころビン

 牛乳びんは、もともとリターナブルにでき、環境に優しいと言われてきました。この商品は、さらに販売店様の高年齢化が進む中、少しでも販売員さんの負担が軽く出来ないかということも考えたものです。企画からわずか4ヶ月での上市というタイトなスケジュールの中で、スムーズな導入が出来たことを、関係者の皆様に感謝いたします。

日本ミルクコミュニティ株式会社 城端克行様

サントリー緑茶 「伊右衛門 秋の茶会」

 素敵な賞をいただきまして、ありがとうございました。緑茶というとPETボトル入りであるのが主流である中、この商品は、「身近な人と、ゆっくりとお茶の味を楽しんでいただきたい」というコンセプトに基づき、ガラスびんを容器に選択しました。昨年11月に発売させていただき、非常にご好評を頂きました。中身は通常のお茶に比べ、高級なものを使用しており、それに見合う容器としてガラスびんは必須でした。

サントリー食品株式会社 新関祥子様

2010年 FIFA ワールドカップ南アフリカ大会公認 「日本の酒」シリーズ マグナムボトル

 当社は町の酒屋ですが、こういう賞をいただけ、会社の宝といたします。この企画に賛同してくれた、全18酒蔵(マグナムボトルでの展開は17酒蔵)と一緒に頑張ったから受賞できた賞だと考えています。若い人がお酒をあまり飲まない中、「おいしい日本酒を世界中の人に楽しんで欲しい」という考えから、ワールドカップとの企画に踏み切りました。今回のマグナムボトルは、スマートさと力強さをモチーフに作っていただきました。今年はワールドカップイヤーです。サッカー中継を見ながら、おいしいお酒を楽しんでください。

はせがわ酒店 長谷川浩一様

3210(ミニーレ)フィニッシュワークシリーズ

 様々な皆様のおかげで商品開発を進められた上、このような賞をいただけたのは、非常に嬉しく思っています。実は、昨年のアワードのポスターを拝見し、「ぜひ、このアワードに参加し、受賞したい」と思っていたので、夢が叶い、本当にうれしいです。「3210」と書いて、「ミニーレ」と読みます。美しい髪へのカウントダウン、というコンセプトで付けられたネーミングで、全国の美容室にて販売を行っています。このガラスびんに関しても、そのコンセプトに合うデザインとしてご提案をいただきました。スタッフ共通の認識として、「必ずガラスびんで作りたい」というものがありました。ガラスの持つ、暖かくて、なにか不思議な魅力がそうさせたのだと思います。

ホーユー株式会社 三谷秀隆様

キリンフリー

 キリンフリーは、世界初のノンアルコールビールです。発売当初は60万ケースを目標としていましたが、ドライバーや妊産婦の方に御支持いただき、400万ケースと嬉しい誤算でした。ガラスびん市場が縮小する中、需要促進に貢献できたのではと自負する反面、大幅な販売数量増のため、急遽対応をいただいた皆様に感謝しております。ガラスびんから、缶やPETへの移行が進む昨今ですが、独創性のある商品があれば市場が活性化するという、良い事例になったのでは、と思います。

キリンビール株式会社 山田道明様

サントリーウイスキー 角瓶 450ml

 ウイスキー市場は長年右肩下がりを続けてまいりました。その中で、弊社が再度CM等でご提案させていただいたのが、「ハイボール」という 飲み方です。この飲み方を懐かしいと思われる方もいらっしゃるでしょうが、若者や女性など、これまでウイスキーにあまり馴染みの無いお客様に、手軽で飲みやすい、とご好評頂いております。その中で、コンビニ限定で450mlと小容量化した商品を開発、若い方が手に取っていただけることを目指しました。角瓶は、その名前の中に「瓶」が入っており、ガラスびんとは切っても切れない関係にあります。これからも「角瓶」と「ガラスびん」をお願いいたします。

サントリー酒類株式会社 田中嗣浩様

審査委員からの祝辞

審査委員 小黒一三
 受賞、おめでとうございます。私は「ソトコト」編集長として、環境特別賞を特に審査させていただきましたが、「メグまごころビン」は、容量もちょうど手ごろなサイズになり、またコーティングや軽量化によって、割れにくく、CO2も削減できるというメリットを実現しています。環境問題を若者に伝えるためには、エンターテイメントと同じで、「楽しさ」が必要だと考えています。生活の中で「楽しさ」につながるガラスびんであるためにも、女性関係者のさらなる活躍を期待します。びんを使った後、いかに楽しく再利用するか、というようなことも含めて、いろいろな角度から選択できれば良いと思います。

審査委員長 リリー・フランキー
 今回ガラスびんアワードで、様々な商品を審査させていただきましたが、ガラスびんの表現の可能性や、存在感のある美しさに改めて気づきました。各賞を受賞された商品に共通して、作り手の想いのこもった、あたたかい雰囲気を感じていただけると思います。そういったあたたかみのある商品が、良いガラスびん、良い容器なのではないかと思います。

 各賞の発表が終わったところで、サプライズゲストが登場。日本ガラスびん協会のCMで「おびん」を演じた竹本聡子さんが会場へ駆けつけてくださいました。竹本さんにも、お話を伺っています。

竹本聡子さん(日本ガラスびん協会 TV-CM「おびん」おびん役)
 今回、日本ガラスびん協会のCMに「おびん」役で出演させていただき、改めて、ガラスびんは魅力的で、素敵だな、と思いました。特にワインが好きで、記念ボトルを買ったりします。また、ジャムや佃煮のびんにスパイスを入れたり、植物を植えたりと、いろいろと再利用しています。このCMに出演後、ガラスびんに入った商品を進んで買うようになりました。これからもガラスびんの素晴らしさを伝えていきたいと思います。

合同懇親会

全国びん商連合会 森田半兵衛様
 授賞式に引き続き、合同懇親会が開催されました。 日本ガラスびん協会会長 山村幸治より挨拶のあと、全国びん商連合会 森田半兵衛様から乾杯のご発声がありました。
 試飲コーナーでは、今年の受賞作品をご用意。特にブームとなった角ハイボールなど皆様思い思いに楽しんでいらっしゃいました。
 名前も新たに「ガラスびんアワード」となった、第6回目の当アワード。来年度も第7目を開催いたします。
 これからも協会加盟各社一同、ガラスびんの発展に努めてまいります。