第10回 授賞式レポート

 2014年3月19日、東京會館にて、「ガラスびんアワード2013」授賞式が行われました。その模様をレポートします。

石塚久継会長からの開会の挨拶

 本日はご多忙の中お越しいただき、受賞された会社の方、ご来賓の方、プレス関係の方、そしてリリー・フランキーさん、富永美樹さんにこの場を借りまして、心より御礼申し上げます。本日、ここに第10回ガラスびんアワード2013の授賞式を行えることは、当協会、ガラスびん業界としましても大変喜ばしい思いでいっぱいです。

 おかげをもちまして、ガラスびんアワードも10回という節目の年を迎えることができました。今から10数年前になると思いますが、当時の会長以下、諸先輩方がアメリカに視察に行った際に、ヒントをもらって、それを具現化されたのが「ガラスびんデザインアワード」でした。当初は、デザインというガラスびんの特性を追求した催しとしてスタートしました。しかし、ガラスびんには、デザインだけでなく環境面、機能面も併せ持っています。そういったガラスびんを総合的な観点から捉えて評価をしていこうと、2009年から名称を「ガラスびんアワード」と変更するとともに、審査委員長をリリー・フランキーさんにお願いすることにいたしました。

 今回は155エントリー 295本のご応募をいただきました。その中から、去る2月19日に、リリー・フランキーさん、富永美樹さんによる厳正な審査が行われました。その結果、最優秀賞を始め6点と日本ガラスびん協会特別賞の2点を決定いたしました。当協会としましては、10回の今回を節目として、より多くの皆さまにガラスびんの良さをご理解いただき、暮らしに彩りを与え、心に癒しを与える、そんなガラスびんを目指し活動してまいります。今後とも格別のご支援をいただきますようよろしくお願い申し上げます。本日はありがとうございました。

受賞作品一覧

最優秀賞 シンビーノ ジャワティストレート ホワイト375ml瓶 シンビーノ ジャワティストレート レッド375ml瓶

 この度は、このような素敵な賞をいただきありがとうございます。ジャワティは今年発売25周年を迎えました。記念すべき年に、最優秀賞をいただき格別な気持ちです。今後食事のために作ったテーブルドリンク、シンビーノジャワティストレートとして、料理を食べる方はもちろん、料理を作る方々にも信頼されるブランドに育てていきたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。

大塚食品株式会社
大淵由貴様

機能優秀賞 フラコラ美容液FP30 プラセンタ エクストラクト 15mL、 30mL

 この度は、大変な賞をいただきありがとうございます。
今回の受賞作品を見ますと、唯一の化粧品ということで嬉しい限りです。
 私どもはもともとフラコラというブランドがありまして、プラセンタの粒やドリンク剤といった健康食品を製造販売しています。
 ちょうど2年前に、化粧品を始めたいという話がありまして、プラセンタ関連でシリーズ化できないかと考えておりました。そこで、びんに原液を詰めた商品の開発に着手しました。ただ、中身が非常に高価なものですから、当初から高級感のあるガラスびんで、スポイトもプラスチックではなく、ガラス素材にこだわり開発しました。さらに、薬効を考え茶色のびんを採用しました。
 最初は茶色の丸びんでスタートし、順調に売れていったのですが、丸びんだと宅急便を使わないと送れないのです。その送料が非常に高く、しかもお客さまが不在だと、ポストに入れておくわけにもいきません。そこで、びん自体を薄くしたのです。これであれば、郵便ポストに入れておくことができますし、送料も安くできる。
 化粧品業界もガラスびんからプラスチックに移行するメーカーさんが多いのですが、やはり女性たちに夢を売る商品ですから、今後も可能な限りガラスびんにこだわりたいと思っています。本日はどうもありがとうございました。

株式会社協和
正願地高明様

環境優秀賞 ネスカフェ エクセラ 40g、50g、130g、230g

(ご都合により欠席のため、司会者がメッセージを代読しました)
 環境優秀賞という光栄な賞をいただきありがとうございました。ネスレグル―プとしては、環境サステナビリティに力を入れておりまして、包装資材に関しましても、重量と体積の改善を常に心がけ製品開発をいたしております。
 昨年は、インスタントコーヒーから、レギュラーソリュブルコーヒーへの転換点となった年でもあり、素晴らしいタイミングでの受賞を大変うれしく思っております。今回賞をいただいたエクセラシリーズは、びんの肉厚も非常に薄く、デザイン性を出すのが難しかったのですが、少しでも消費者の皆さまがコーヒーを飲む時間に“楽しみ”を届けられればと思い、常に触れられる持ち手の部分へのデザインを導入いたしました。
 より一層のエクセラのコーヒーとしての香りの良さを表現し、生産効率や消費者のユーザビリティを損なうことなく、ブランドのバリューアップにつながる意匠性を備えることを目指したものであります。お客さまには是非このびんを気に入っていただき、中味を使い終えた後もエクセラの詰替え用ボトルとして、永く食卓でご愛用頂ければ幸いです。これを機に、びんの環境性が再度世の中に認めていただけるとともに、ネスカフェを楽しむ方が一人でも増えてくれればと願います。

ネスレ日本株式会社様

デザイン優秀賞 バカルディ モヒート ボトル バカルディ ピニャ コラーダ フィズ ボトル バカルディ ストロベリー ダイキリ フィズ ボトル

 この度は栄誉ある賞をいただきまして、誠にありがとうございます。バカルディという会社は、キューバで1862年に設立された会社です。元はラム酒作りの会社でありまして、今年で設立152年を迎えます。
 さて、今年は弊社にとって喜ばしいニュースが二つありました。ひとつが、マルティーニというベルモットのブランドがF1のウィリアムスというチームのスポンサーになったことです。「ウィリアムス マルティーニ レーシング」としてスタートしています。
 それから二つ目は、このデザイン優秀賞をいただいたことです。今回受賞しましたバカルディ モヒートは、20代の若い方をターゲットにした商品です。五感にどのようにアピールするか、ということを徹底的に考えました。
 まずは、見た目のスタイリッシュさ、2点目は、手に取った時の重量感。それから中の液色が見えること、そして当然ながら、美味しいのどごし。それらのすべてが具現化できたボトルだと思います。今後ともモヒートをよろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました。

バカルディ ジャパン株式会社
柴田宗紀様

リリー・フランキー賞 萌え焼酎 りりぃ

 この度は、このような賞をいただきありがとうございました。この商品は、萌え焼酎「りりぃ」という商品名なのですが、皆さん「萌え」って、わかりますか。日本で経済産業省もクールジャパンの一つとして売り出していることでもあるのですが、今から5年ほど前からそれをやり始めて、現在では全国のこのような萌え系商品の9割位は、僕が関わっております。もし、萌え系の何かやりたい、という方がいらっしゃったら、いつでも馳せ参じます。どうもありがとうございました。

株式会社飛夢
市村尚輝様

富永美樹賞 カクテルツアーズ シリーズ

 この度は、ありがとうございます。我々の商品は、生活を華やかにするものということで、企画させていただいております。今回受賞したカクテルツアーズシリーズは、世界各地のカクテルをお楽しみいただけるというコンセプトで開発しました。旅行気分になって、女子会、飲み会で楽しんでいただけると良いと思っています。
 旅行といえば一流ホテル、リゾートホテル、ホテルのバーなどを思い浮かべますが、そういった場所のグラスは全部ガラスなんですね。そしてガラスでできたグラスに合うのは、重量感あるガラスのボトルというのがふさわしいと思います。ボトルを開発したデザイナーには「自分が旅行に行った時、楽しく飲めるボトル」というテーマでボトルデザインを考えてもらいました。
 本日は、どうもありがとうございました。

サントリー酒類株式会社
大住裕一様

日本ガラスびん協会特別賞 ホッピー360ml

 本日は、すばらしい賞をいただきありがとうございます。
やっと私どものガラスびんに対する思いを理解していただいたと、感謝申し上げます。
 ホッピーが生まれたのは遡ること昭和22年、終戦直後になります。そこで私の父がノンアルコールビアとして、ホッピーを発売しました。何せ焼け跡からの出発ですから、まともなガラスびんが日本にはありませんでした。会社が赤坂にあり近くの六本木、今のミッドタウンあたりにはアメリカ兵がたくさん駐屯していました。そのアメリカ兵が飲んだビールびんが捨ててあった。それが360ミリのびんだったのです。360ミリびんを拾い集め、充填したのがホッピーの始まりです。
 そして、昭和48年に初めて自前のびんを開発しました。それまでは酒問屋さんから既成のびんを分けてもらって詰めるというのが慣習でした。ホッピーのびんは既成びんとくらべて特殊な形状をしています。それが受けたのか、昭和48年では日産2万本でしたが、昭和56年にはその10倍、20万本に生産が伸びました。売上が伸びて来ると、今度は反対に酒問屋さんからホッピーを扱いたいと、当時毎日20~30件から連絡を受けました。ところが当時のびんのリユース率は、65%しかなかったのです。それではリユースにならないという事で、酒屋さんにはお売りしませんとお断りしました。昭和60年に、弊社が家庭用ホッピーを発売した時に、そのツケが一気に回って来ました。この商品は酒屋さんを通して販売されるのです。今までお断りしていた酒屋さんに、今度は扱って欲しいと頼みましたが、そっぽを向かれてしまい15年もその弊害が続きました。その間ずっと業績が低迷してしまいました。今では、再びほとんどの酒屋さんで扱っていただいています。
 またリユースびんは、おかげさまでリユース率が97%になりました。
 今後ともリユースに励むと同時に、びんの良さをお伝えしてきたいと思います。どうもありがとうございました。

ホッピービバレッジ株式会社
代表取締役会長
石渡 光一様

日本ガラスびん協会特別賞 キユーピーマヨネーズ(瓶)

 本日は名誉ある賞をいただき心より感謝申し上げます。キユーピー マヨネーズは、1925年に発売いたしまして、来年で90周年を迎えます。最初は100gに満たない小さなびんからスタートしました。その後、カタチやその大きさを変えながら、今から40年ほど前、現在のびんのデザインになったと聞いています。
 私どもの商品は、ポリボトルのものもありますが、「びんの方が好き」「びんじゃないとダメなんです」そういった熱い声がいまだに届いております。びんのもつ機能性や、情緒性、それらにつねに支えられてきたと思っています。
 20年ほど前から、可愛らしい印刷デザインを施したびんタイプも発売いたしました。これは、家族団らんの食卓でびんのマヨネーズにもっともっと愛着を持ってほしい、そういう思いで始めたと聞いております。さらに10年ほど前から、お正月のお仕えものにということで干支に変装したキユーピーちゃんを印刷デザインしたびんタイプのマヨネーズも展開しています。
 このようなびんを我々は“デザインびん”と称しているのですが、お客さまも、使い終わったら花びんや小物入れに使って再利用しているという声をよくお聞きします。本当にありがたいことだなと感じています。これからもさらに、磨きをかけていきたいと考えています。本日は誠にありがとうございました。

キユーピー株式会社
商品開発担当
金丸淳様

審査委員からの祝辞

審査委員長 リリー・フランキー
 10回目のアワード、本当におめでとうございます。5年前、初めてこの審査をさせていただいて以来、スーパーに行っても、海外に行っても、どこへ行っても、びんをまじまじと見る生活を送っています。その結果、びんのデザイン、素材感、奥行き、トレンド等々、たとえば今回のジャワティといった質実な傾向のものから、「萌え焼酎」という今の日本のクールさを表現したものまで見分けられるように、感性がより鋭くなりました。
 今回受賞され、並べられたびんのデザインを見てみると、本当にガラスびんは時代を反映していると感じました。女子会に代表されるような、女性の消費者に向けたエントリー商品がすごく多く、また受賞作品にも多かったですね。女性たちの時間の演出の小道具に、びんが脇役として登場しているのだと実感しました。
一方では、ホッピーやキユーピーさんのようにびんという素材の特徴を質実に守っていくような商品も選ばれまして、この10回目はとても完成されたアワードになったと思います。20回、30回続くように、僕も精進していきますので、これからもよろしくお願いします。

審査委員 富永 美樹
 今回2回目の審査になりますが、昨年はびんというものは、想像以上にさまざまなカタチにできるのかとか、驚きがたくさんありました。それにも増して今年は、エメラルドグリーンやパールがかったホワイトといった、びん自体が美しい色に染められた、そしてデザイン面でも素敵なびんがたくさんあり驚きの連続でした。
 いつも飲んでいるようなジャワティが、シンプルで重量感あるびんに入るだけでこんなにも美味しそうに見えるのかと。こんなに高級感が出て素敵に見えるのかと。びんの偉大さ、ちから強さを、一消費者として、一主婦として、あらためて実感させていただきました。
 エントリーされた商品には、普段行くスーパーにあるようなものがたくさんありました。この審査員をやらせていただいているおかげで、スーパーに行ってもついびん商品に目が行くようになりました。これまでとは、びんに対する思いが変わってきましたのは事実です。
 びんてすごいなと、今年は特に、いろいろな点で思いました。楽しく、緊張しながら、リリーさんの助言もいただきながら、本当に楽しく審査をさせていただきました。どうもありがとうございました。

第10回ガラスびんアワード2014・合同懇親会

 ガラスびんアワード授賞式に引き続き、合同懇親会が開催されました。冒頭、日本ガラスびん協会 会長 石塚久継(石塚硝子株式会社 代表取締役社長)より挨拶ののち、経済産業省 商務情報政策局 日用品室長 多田俊樹様からご挨拶をいただき、当協会副会長 神﨑惠(第一硝子株式会社 代表取締役社長)より乾杯の発声とともに合同懇親会が開宴となりました。
 今回も昨年に引き続き、「びんむすめプロジェクト」や、ガラスびんの良さを伝えていく「ガラスびん応援隊」の紹介もあり、お祝いムードに包まれた大変にぎやかな合同懇親会となりました。

中締め

ガラスびんフォーラム会長 七島徹(柏洋硝子株式会社 代表取締役社長)
 本日は栄えある賞を受賞した皆さま、おめでとうございます。また、このすばらしいガラスびんアワードを開催するにあたりまして、ご尽力いただきました皆様に、あらためて御礼申し上げます。
 審査員のリリー・フランキーさん、富永美樹さんより、貴重なご意見をいただきました。また、受賞者のご挨拶やトークセッションでは、ガラスびんに対する非常に熱い思いと強いエールをいただきました。そのような意味でも日本人は実はガラスびんがとても大好きだということを、あらためて感じた次第です。
 そのようなガラスびんファンの思いに応えていくためにも、我々業界人がもっともっともっと頑張らないといけないと強く感じた次第です。それでは、中締めとさせていただきたいと思います。本日は、誠にありがとうございました。