第12回 授賞式レポート
2016年3月17日、銀行倶楽部にて、「ガラスびんアワード2015」授賞式が行われました。その模様をレポートします。
山村 幸治会長からの開会の挨拶
このたび、「第12回ガラスびんアワード授賞式」を開催できましたことは、ひとえに日頃よりお世話になっております、皆様のご協力とご支援の賜物と日本ガラスびん協会を代表いたしまして、心より感謝申し上げます。
今回のエントリー数は、205エントリー、359本となり、ガラスびんアワードとしては、過去最高を記録いたしました。回を重ねるごとに、今では業界を代表するイベントとして、多くのお客様にご注目をいただく機会へと成長させていただきました。
さて、本日はガラスびんアワード誕生のきっかけについて、ご紹介したいと思います。きっかけとなったのは、協会の諸先輩の皆さんが、ガラスびん広報活動のヒントを求め、アメリカのガラスびんの業界団体を訪問した折に、ガラスびんのデザインに特化したアワードを開催しているとのご紹介をいただいたことから始まります。
市販されているガラスびんを作品として、捉えるこの催しの存在に刺激を受けた諸先輩の皆さんは、「日本の製びん技術は世界でもトップを誇るもの、日本でもこのような催しの機会を作って、ガラスびんの良さを世の中に発信しよう」との機運が盛り上がりました。そして「ガラスびんデザインアワード」と命名し、スタートしたのが12年前でございます。
回を重ねるごとにガラスびんには、「デザイン」のほかにも「環境面の特性」や「機能面の特性」と、様々な生活シーンを演出する「感性」を持ち合わせていることに気付きをいただきました。そこで、第6回目より名称を「ガラスびんアワード」に変更し、デザインだけではなく、環境面や機能面などガラスびんを総合的に評価するアワードへ大きくリニューアルをさせていただくことになりました。
そして、審査委員長にお迎えしたのがリリー・フランキーさんです。今回も世相や流行を背景とし、ウィット感の中にも配慮とバランスに富んだ絶妙な審査をいただきました。いつもながらガラスびんへの新たな発想と気づきを与えていただきました。
また、今回で4回目の審査委員をお願いしています、富永美樹さんには、女性ならではの感性や主婦目線に加え、日常のガラスびん使用体験を活かされた審査は、ガラスびんの創意と工夫へのヒントを与えていただきました。
このようにお二人には、それぞれの感性や観点より、厳正な審査をしていただいた結果、6点の賞と日本ガラスびん協会特別賞2点が決定いたしました。
当協会といたしましては、「ガラスびんアワード」を通じて、ガラス素材の持つ特性や優位性を活かし、多くの皆様の感性に呼びかけるような製品作りを通し、暮らしに「彩りと快適さ」を、心や体に「癒しと豊かさ」を与える、そのような容器を目指し、これからも日々努力をしてまいる所存でございます。
皆様には引き続き格別のご支援を賜りますようお願い申し上げ、私の開会の挨拶とさせていただきます。本日はありがとうございました。
受賞作品一覧
審査委員からの祝辞
審査委員長 リリー・フランキー
今年で7回目の審査になるのですが、7年前とは画期的な違いを感じました。デザインの流行が時代とともにあって、これまでのデザイン的というか、装飾的なものから、今年は機能的な美しさを兼ね備えたものが、軒並み賞を取ったという印象です。アールヌーボーがアールデコに、とって変わったように、これからの時代は、こういうデザインになっていくんだなと、そんな予感がしました。
また、ひとつ取り上げたいのが、環境優秀賞を受賞したビールびんです。そもそも3社が共通のびんを使用していることを知りませんでした。そして、その3社が環境に優しいびんを、10年もかけて苦労して開発した。そんな事実を知ってしまうと、それこそが酒場の話題になって広がっていくのではないかと、そんな風に思いました。
今年の審査は思いのほか、時間をかけることなく、受賞作品を決めることができました。来年もまた楽しみにしたいと思っています。ありがとうございました。
審査委員 富永 美樹
ガラスびんに入っていると色がストレートに伝わってきて、中身が、目に心にバンっと訴えてくる、そんな強さがあるなと、あらためて思わせていただきました。そして、新たな発見も。たとえば、デザイン優秀賞のオリーブオイル。可愛いハート型のデザインも年を重ねると、ちょっと照れくさかったりするのですが。このびんは言われるまでハートと気づかない奥ゆかしさを感じました。さらに、持ってみたら、ハート型というのは、すごく手になじむんだという驚きがありました。
また、最優秀賞の石鹸が入った白いびん、最初はびんではないのでは、と思ったくらいです。これが洗面台にあったら、すごくかっこいいし、おしゃれな洗面台になるなあと。今年は、びんとして可愛らしいことはもちろん、機能的にすぐれている、そういったものが多かったと思います。今年も楽しかったです。ありがとうございました。
第12回ガラスびんアワード2015・合同懇親会
ガラスびんアワード授賞式に引き続き、合同懇親会が開催されました。冒頭、経済産業省商務情報政策局 日用品室室長補佐の関澤和広様のご挨拶ののち、当協会副会長 日本耐酸壜工業株式会社 代表取締役社長 堤 健より乾杯の発声とともに合同懇親会が開宴となりました。
「びんむすめプロジェクト」や、ガラスびんの良さを伝えてくださる「ガラスびん応援隊」など、当協会の広報活動を紹介させていただき、お祝いムードに包まれた大変賑やかな合同懇親会となりました。
中締め
ガラスびんフォーラム 会長
日本精工硝子株式会社 代表取締役社長
小西 慈郎
本日は、ガラスびんアワードにご参加いただき、誠にありがとうございます。私ども、ガラスびんを作る、びん屋として、ひとこと申し上げたいと思います。ガラスびんはあくまで、容器です。中身が入っての容器。ある意味、黒子です。でも、私どもは決して黒子に留まりたいとは思っていません。ガラスびんこそが主役であり、ガラスびんの良さで、商品が売れる。そういう素材だと自負しております。これからもガラスびんメーカー13社が力を合わせて邁進していきたいと思っています。本日はありがとうございました。