2009 最終審査会レポート

 2月17日、都内某所にて「ガラスびんアワード2009」の審査会が行われました。今回から「ガラスびんアワード」と、審査内容も一新、これまでのデザイン性だけではなく、環境性や機能性についても審査の対象となりました。また、審査委員長にリリー・フランキー氏、審査委員に小黒一三氏(ソトコト編集長)を迎えて行われた最終審査会の模様をレポートします。今回は、機能面や環境面などを重視し、デザインに説得力のある商品が多く見受けられました。また、審査は、終始和やかな雰囲気の中行われました。

「ガラスびんアワード」各賞 受賞作品決定!


 2月17日の最終審査会での、厳正な審査の結果、以下の各商品がそれぞれの賞を受賞されました。3月17日、東京會舘にて「ガラスびんアワード2009 授賞式」を実施予定です。

受賞作品一覧

ネスカフェエクセラチャージ220g ハッピーキャニスターセット

ネスレ日本株式会社(ガラスびん/日本山村硝子株式会社)

 雑誌「Mart」と「ネスカフェ」のコラボレーションにより誕生。入れ物として、見た目のデザインがかわいい。機能性・環境という面でも評価できる。今までの詰め替え用の容器は、デザイン的にもいまひとつであり、一番ありそうでなかった商品だと思う。リニューアルとなった今回の「ガラスびんアワード」のテーマに、もっともマッチしている存在だと思います。

キューピードレッシング、キューピーノンオイル

キユーピー株式会社(ガラスびん/東洋ガラス株式会社・石塚硝子株式会社)

 点字の入った作品がいくつか見られた今回のガラスびんアワード。その中でも、食生活に密着している製品だからこそ必要なもの。優しい目線での配慮があるところが素晴らしい。その機能性を高く評価しました。

メグまごころビン

日本ミルクコミュニティ株式会社(ガラスびん/石塚硝子株式会社)

 従来のリターナブルだけではなく、さらに軽量化したことでCO2の削減にもつながっていること、また、樹脂コーティングによって、傷つきにくく、従来の牛乳びんよりも長寿命になっている点も評価しました。180mlという飲み切りサイズも無駄が無く、その点も好印象を持ちました。

サントリー緑茶 「伊右衛門 秋の茶会」

サントリー食品株式会社(ガラスびん/東洋ガラス株式会社)

 お茶一本でもガラスびんに入り、この紙袋に入れれば、お土産ものとして十分に使えるし「もらってうれしい」と思ってもらえるのではないか。ガラスびんのもつ高級感を最大限デザインに活かしているという点を評価しました。

2010年 FIFA ワールドカップ南アフリカ大会公認 「日本の酒」シリーズ マグナムボトル

はせがわ酒店(ガラスびん/きた産業株式会社・株式会社山村製壜所)

 美しいフォルムのガラスびんと、特徴的な栓のおかげで、あたかもイタリアの高級なスパークリングワインに出会ったような気持ちになります。ガラスびんが持つ高級感や、中身のフレッシュさを感じさせ、「飲んでみたい」と思わせる点を評価しました。

3210(ミニーレ)フィニッシュワークシリーズ

ホーユー株式会社(ガラスびん/日硝実業株式会社・株式会社山村製壜所)

 形が特徴的で、ガラスの持っている気持ちよい手触り感を十分に表現できている。握りやすく、機能的に優れているという点も評価しました。

キリンフリー

キリンビール株式会社(ガラスびん/日本山村硝子株式会社)

 0.00%ノンアルコールビールという新しい飲料市場を確立、消費者のニーズを捉えた大ヒット商品に。リターナブルびんを採用するなど環境性にも優れ、ガラスびんの需要喚起にも大きく貢献頂きました。(選定:日本ガラスびん協会)

サントリーウイスキー 角瓶 450ml

サントリー酒類株式会社(ガラスびん/日本山村硝子株式会社)

 ガラスびんの素材感を活かしたボトルデザインにより、長年ウイスキー市場を牽引してきた製品に新しいサイズのボトルが登場。ハイボールという飲み方の提案から新たな支持層も獲得、ガラスびんの需要喚起にも大きく貢献頂きました。(選定:日本ガラスびん協会)

審査

 今回、改めてガラスびんに入った商品を見ましたが、実際に手にとってみると、意外と繊細なデザインをしているんだな、と感じました。ガラスびんという容器に大切なものは、その「快適さ」だと考えます。それは、例えば高級感であったり、清々しさであったり清潔さであったりすると思うのです が、今回受賞した商品は、その「快適さ」を最大限に活かしたものだと思っています。今回から、アワードの選定を「デザイン性」だけではなく、「機能性」や「環境性」も加味した基準にしました。そのため、商品としてエネルギー溢れる作品を選ぶことが出来たと自負しています。(審査委員長 リリー・フランキー)

リリー・フランキー 審査委員長
 イラストレーター・写真家・文筆家など。
 1963年、福岡県生まれ。武蔵野美術大学卒業。
 主な著書に、「女子の生きざま」「誰も知らない名言集」「美女と野球」「おでんくん」「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」等。

小黒 一三 審査委員
 1950年、東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。
 株式会社平凡出版社(現・株式会社マガジンハウス)入社。
 マガジンハウスで、雑誌「ブルータス」「クロワッサン」「ガリバー」などの編集を担当。
 1999年、世界的に見ても類のない環境ライフスタイルマガジン「ソトコト」を発刊。
 スローフード、スローライフ、ロハスなどのライフスタイルをいち早く日本に紹介し、雑誌等のメディアを通じて、新たな価値観の提案をしている。