ガラスびんというものは、私たちの生活に「特別」な時間を与えてくれるものだと思います。中身の個性を活かしたガラスびんだからこそ成り立つデザイン、それを手にして味わう時間、そうしたガラスびんの存在するシーンに「特別さ」を感じるのは大きな力だと思います。受賞した作品はそうしたシーンをうまく表現してくれるものだと思います。
桑沢デザイン研究所所長。インテリアデザイナーとして商・住空間、家具、工業デザインから地域開発に至る幅広い活動を国内外で展開。代表作に山本耀司のブティック一連、茶室「受庵・想庵・行庵」、門司港ホテル、富士通ゼネラルAVIAMOシリーズ、オリエンタルホテル広島他。メトロポリタン美術館等に永久コレクション多数。毎日デザイン賞、芸術選奨文部大臣賞等受賞。’07年紫綬褒章受章
過剰なグラフィックを施さず、ガラスびんそのものの良さを生かした、リユースへの繋がりやすさを意識した作品が今回のアワードで多く見られました。「リターナブル」という言葉をそのままガラスびんに表示しているユニークな作品もあり、エコロジーという意識がガラスびんを通してさらに高まってきているのだと実感しました。
1973 年東京造形大学デザイン学科卒業後、建設会社やデザイン事務所を経てフリーに。家電製品など様々な工業製品のデザインを手がける。1990年代に入るとエコデザインを専門領域とする活動を開始。企業に対するデザインコンサルティングとともに日本各地の地域産業の振興に関わる。2000年より東京造形大学デザイン学科教授。
最近のガラスびんにはユニークで斬新なデザインを意識したものがあまり見られなくなっているように感じます。その中で、今回の佐藤卓賞のように、新しい試みに挑戦していこうとする姿勢に出会えたこと、そしてパッケージやラベルのデザインも含めて一つの商品とした完成度の高い作品に出会えたことをとても嬉しく思います。
1955 年東京生まれ。「ニッカ・ピュアモルト」の商品開発、「ロッテキシリトールガム」「明治おいしい牛乳」などの商品デザインを手掛ける他、「金沢21世紀美術館」「国立科学博物館」等のVIデザイン、NHK教育テレビ「にほんごであそぼ」の企画・アートディレクション、東京ミッドタウンにある21_21 DESIGN SIGHTではディレクターを務めるなど活動は多岐にわたる。
「モノが溢れかえっている今、日々の暮らしの中で、いかにシンプルに生活していくかということが大事になってきていると感じています。今回の応募作品には、雑誌『クロワッサン』の読者が望むこうしたシンプルな生活にぴったりの使いやすさやコンパクトなデザインを追求したものが多く見受けられました。」
雑誌ハナコの創刊メンバーとして、ハナコ編集部に10年以上在籍し副編集長を務めた後、クロワッサン編集部副編集長に就任。雑誌クロワッサンは、2007年春に創刊30周年を迎え、女性の生き方、美容、健康などを柱に多くの読者の共感を集める雑誌として生活情報を発信し続けている。ガラスびんデザインアワードでは、そんなクロワッサンならではの、女性そして生活者としての目線から選考を行う。