2017年03月31日
海外情報（2017年3月分）
1．O-I社の2016年業績報告
Owens-Illinois社は2016年に世界全体で9％の増収を達成した。純売上高は67億ドルで、2015年から5億4,600万ドル増加した。主な要因としては、メキシコ、ヨーロッパ、北米、オーストラリア、ニュージーランドでの買収事業が増加に貢献した。セグメント営業利益（segment operating profit）は、前年の740百万ドルに対し882百万ドルとなり、19％の改善となった。継続して行われている事業の税引前利益は、2015年の2億6,800万ドルに対し、3億5,600万ドルだった。2016年初めの経営陣による公約に沿った製造部門を中心とする戦略的取組がセグメント営業利益に約55百万ドル寄与した。2017年、同社は、主にセグメント営業利益の増加に牽引され、継続事業からの収益増加を見込んでいる。ヨーロッパでの出荷量は、主に好調なビールとワインの量のために、2％近く増加した。欧州のセグメント営業利益は2億3,700万ドルで、前年度比で28百万ドル増の13％の改善となった。
出典:FEVE NEWS FN458 March 2017（元出所：o-i.com）
2．Verallia社の暫定決算報告
Verallia社は、2015年11月に終了した11ヶ月と比較して3％の増加を示す2,170.5百万ユーロの収益を計上した。これは、主に南米における販売量増加と価格上昇による。同期間のEBITDAは397.4百万ユーロで、有利な価格およびコストの見直し並びに製造業績の向上によるプラスの影響を受け、12.7％増加した。
出典:FEVE NEWS FN458 March 2017（元出所：verallia.com）
3．O-I社の欧州投資戦略
O-I社は、競争力を強化し、生産を近代化し、顧客が必要とする安定した機敏なネットワークを確保するために、2017年に欧州の工場に1億5,500万ユーロを投資する予定を公表した。計画された投資には、イタリア、フランス、ドイツ、英国、チェコ共和国、ポーランドにおける設備の継続的な近代化が含まれる。同社はまた、スコットランドのAlloa工場とフランスに焦点を当てたプレミアムプログラムを実施するとしている。このプログラムは、主に高級シャンパン、ワイン、スピリッツといった成長分野に特化して、顧客との協力、価値創造、品質、生産の柔軟性を高めるとしている。一方で、オランダのSchiedam工場を閉鎖し、ヨーロッパの競争力を強化し、生産現場から顧客の長期的なニーズに的確に対応する他のO-I工場へ生産を移管する意向を発表した。この計画的な閉鎖は、従業員代表との協議の対象となる。
出典:FEVE NEWS FN458 March 2017（元出所：o-i.com）
【訳者注】
Schiedam工場の閉鎖は既報。
4．Ardagh社 Limmared工場へ設備投資
Ardagh社は、スウェーデンにあるLimmared工場（首都コペンハーゲンから北方へ約300km）に行った2,100万ユーロにのぼる工場拡張と近代化投資を完了した。同工場は2基の溶解炉を持ち、年間4億5,000万本の製品を出荷している。この投資によって、生産する製品のポートフォリオを更新し、2号炉を従来の150トン／日から240トン／日に拡張させると共にエネルギー効率も向上させ、工場全体の生産能力を5ライン、640トン／日に増強した。
出典:FEVE NEWS FN458 March 2017（元出所：glass-international.com）
5．O-I社 Harlow工場にガス・酸素燃焼炉を設置
O-I社は、ロンドンの北方約50kmにあるHarlow工場に2,500万ポンドを投資し、英国で最も持続可能な工場を作るとして、ガス・酸素燃焼炉とカレット余熱機を設置した。ガス・酸素燃焼炉とカレット余熱機の組み合わせは英国では初で、世界的にみても3番目となる。2016年には酸素燃焼によってCO2排出量を2.5～3万トン削減でき、カレット余熱によって更なる削減を見込んでいる。O-I社によれば、Harlow工場は、O-I社が21ヶ国に持つ75工場の中で、エネルギー効率とCO2排出という観点でNo.1としている。これによって、O-I社はedie Carbon Management Awardを受賞している。
出典:FEVE NEWS FN458 March 2017（元出所：packagingeurope.com）
詳細は以下を参照ください。
http://www.thedrinksreport.com/news/2016/16877-o-i-shortlisted-for-sustainability-award.html
http://retailpackagingmag.co.uk/a-glass-act-2/
【訳者注】
ロンドン近郊にある同工場（従業員約120名）はアンバーと緑色のプレミアムビールびんを生産しており、2014年に溶解炉2基が老朽化し改修時期を迎えたのを機に、それ以降、工場の生産効率向上のための設備改善投資を積極的に行っている。
6．スリランカのPiramal Glassが利益増を報告
Piramal Glass Ceylonは、最新の四半期で21.7％の純利益の増加を報告した。当期の売上高は、国内市場を中心に11％増の約20億ルピーとなった。
出典:FEVE NEWS FN458 March 2017（元出所：economynext.com）
7．Gerresheimer社 2016年度は好調
Gerresheimer AGは2016年度を成功裏に終え、今後も大きな成長見通しを示した。売上高は7.2％増の1,375.5百万ユーロ、調整EBITDAは307.8百万ユーロに上昇した。これは、吸入器、プラスチック製薬包装、注射バイアル、化粧品ガラスで顕著な収入増加による。
出典:FEVE NEWS FN458 March 2017（元出所：gerresheimer.com）
8．ブルガリアのDrujba Glassworksは2016年増益
ブルガリアのガラス器具およびガラスびんメーカーDrujba Glassworksは、2015年の純損失980万レフから一転して、1,616万レフ（870万ドル/ 8.2百万ユーロ）の純利益を2016年に上げたと発表した。ソフィア証券取引所に提出した年次財務報告書において、売上高は前年同期の2億3,638万レフから2016年には2億4,970万レフに減少したが、生産コストは、2015年には20,630万レフから189.6百万レフに減少し、他の費用は、前年度の2,400万レフと比較して、2016年に710万レフへ急激に下がったとしている。昨年、ギリシャのガラス製品メーカーであるYioulaは、Drujba Glassworksを含む実質的にすべてのガラス容器事業を、ポルトガルのBA Vidroに非公開で売却している。1月に、BA Vidroは、所有していないDrujba Glassworksの残りの0.76％に対してバイアウト提案を開始した。
Drujba GlassworksにはSofiaと南部のPlovdivに工場がある。
9．Luigi Bormioli社でFive社の電気溶融炉が稼働
2015年にLuigi Bormioli社は、パルマ工場の既存電気炉の1つを拡大するためにFives社と契約した。
化粧品用ガラスセグメントは、ガラス品質要求の点で最も要求の厳しいものの1つで、Five社の新型コールドトップ全電気炉であるPrium®E-melt CTVMが導入された。開発設計ではCFD（コンピュータ流体力学）モデリングのリーダーであるCelSian Glass＆Solar BVと提携し数学的モデリングが使われ、2016年10月に80トン/日の能力を持つ全電気熔解炉の建設に成功した。この炉は世界で最も深い炉の一つ（3.7m）で、予想炉寿命は8年となっている。
出典:Glassonline
詳細は以下を参照ください。
http://www.glassonline.com/site/news/topic/Furnace-technology-/id/27506/Successful-startup-of-new-Fives-allelectric-furnace-at-Bormioli
http://glass.fivesgroup.com/equipment/melting-furnaces/electric-furnaces.html
10．Harbison Walker社が3,000万ドルを投資して米国内に新工場を建設
米国最大のサプライヤーであるHarbisonWalker International（HWI）は、最新のモノリシック耐火物製造工場を建設するために3,000万ドルを投資すると発表した。新しい工場は、米国の北部ケンタッキー/オハイオ州南部のオハイオ川渓谷に沿って配置され、新施設は、米国で建設される最も技術的に進歩した耐火物工場の1つになり、2018年初めまでに操業する予定。生産能力は年間8万トンと見込まれている。
【訳者注】
出典:FEVE NEWS FN458 March 2017（元出所：thinkhwi.com） 詳細は以下を参照ください。
http://www.glassonline.com/site/news/topic/Furnace-technology-/id/27464/HarbisonWalker-International-announces-new-plant-