2013年11月27日
日本ガラスびん協会研修会に参加して
石塚硝子株式会社
安井 則生
日本ガラスびん協会(技術委員会主催)の1泊2日の研修会に参加させて頂きまして、大変僭越ながら今回の研修会の所感を述べさせて頂きます。
初日は講義を3テーマ拝聴しました。講義Ⅰは吉永専務理事による、「日本とヨーロッパのガラスびん事情と日本ガラスびん協会の取組みについて」でした。日本のガラスびん事情では、減少が続いている出荷量について、そのデータを目の当たりにし、大変厳しい状況にあることを再認識しました。ただ、近年は地サイダーや地ビール等での需要増もあり、明るい話題も出始めていることを知りました。ヨーロッパではガラスびんの需要は日本ほど減少しておらず、「ガラスびんに入っていること」がその土地や地域に住む方々の意識に根付いてることが、日本との大きな違いであると感じました。広報活動においては、「びんむすめプロジェクト」が展開されており、ガラスびんの良さを継続して発信し、積極的に消費者意識に働きかけることの重要性を学びました。
講義Ⅱは、岩本技術参与による「技術委員会の取り組み」についてでした。技術委員会では、関係法令への対応や、ガラスびんの品質規格の見直し、リサイクリング関係への対応、業界の技術的課題などに取組まれており、業界内の技術水準の向上や、共通する利害に対してグループとして取組むことの重要性を学びました。
講義Ⅲは、弊社石塚硝子株式会社の営業本部東京支店長:鈴木による、『びん協の活動を通じて改革したかったこと 「打ち破れ!」』でした。需要創造委員長として活動した時期の経験談を中心とし、中でも経済産業省へのプレゼンテーションをした際の内容が印象的でした。省内の売店やコンビニでの飲料をリターナブルびんに切り替える具体的提案をされており、少々奇抜であるとは感じたものの、その熱意に共感した人は私だけではなかったように思います。「意志あるところに道は開ける」の格言のように、力強い意志を持って大局を動かそうとする行動の重要性を学びました。
初日の講義後には、新横浜フジビューホテルでの懇親会にて大変楽しい時間を過ごさせて頂きました。各社より若手~中堅の方々が参加されており、部署も営業や製造、品質管理、検査、総務等々・・・と多岐に渡っていました。互いにびんビールをグラスへ注ぎあいながら会食することで、それぞれのガラスびんに対する熱い思いを感じることができ、大変良い刺激を受けることができました。また、この懇親会のおかげで翌日のグループ討議はスムーズにコミュニケーションをとることができ、内容も一層充実したものになったと思います。
グループ討議では、①びんの需要を増やすには、②他容器にいかに対抗するか、③リサイクルへの提案、④日本ガラスびん協会へ望むこと、の4つのテーマの中からグループとしてアピールしたいテーマを選定しました。私達のグループは、テーマを幅広くとらえ、リターナブルびんのデポジット制度の復活が必要ではないかとの案をもって、デポジット制度を海外のように有効に認知し、活用していくにはどうしたらよいか、そのためにガラスびん協会にどんな要望を出したらよいかを議論していきました。討議中は参加メンバーの誰もが前向きな発言をし、議論を進めていくほどにメンバーのガラスびんへの高い意識と向上心を感じることができました。
今回の研修会を通じて、ガラスびん協会の取組みについての知見が深まっただけでなく、各ガラスびんメーカーの方々と意見を交わしながら交流を深めることができ、大変貴重な経験になりました。ガラスびんの需要が減少し続けているという厳しい現状ではありますが、前向きに、自分達にできることは何かを考えながら、これからも日々研鑽を積んでいきたいと思います。
最後になりましたが、今回の研修を企画・運営して頂きました日本ガラスびん協会の技術委員の皆様、ならびに関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
以上