2017年11月01日

海外情報(2017年10月分)

1. 循環経済のための恒久的な材料

 欧州ガラス容器連合(FEVE)は、ECの循環型経済行動計画(Circular Economy Action Plan)の文脈に沿ったECからの化学物質、製品および廃棄物に共通する問題に関する諮問に対しての答申を発表した。FEVE答申は、循環経済の成功は、(収集した)原材料を(使用できる)原材料としたコスト、品質、安全性の点で競合する二次原材料の市場に依存すると指摘した。FEVEは『したがって、効果的にリサイクルされ、人の健康や環境へのリスクをもたらさない材料のみを市場に出すべき』と示唆し、更に、リサイクルされる時にその特性を維持する恒久的材料へと誘導すべきと推奨している。

 具体的には循環経済における食品接触物質(FCM ; Food Contact Material)の事例を取り上げ、FEVEはECに対して“処理された廃棄物の流通がどのようになっているかの情報が不足しているためにリサイクルされた物質がFCMとして使用された時の影響評価が不可能”であるため、この分野での詳細な事例研究を実施するように要請した。そしてFEVEは、汚染のリスクを制限するためにFCMのための閉ループリサイクルを求めた。そして、“これによって食品に接触するリサイクル物質の安全性が向上”し、同時に容器包装における最高度のリサイクル内容が保証されるとしている。

出典:FEVE NEWS Letter Oct.2017 No.464(元出所:feve.org)

2. StölzleGlass(STG)社はMasnières工場に設備投資を継続

 STG社のMasnières工場は、200年を祝う準備をしているが、STG社はフランス及び海外への供給や更なる柔軟なサービス提供を考え、同工場の設備能力を倍増し、近代化する投資を継続して実施している。同工場には最先端設備を備えた独自の金型工場も設置され、2016年には新しい溶解炉(75t/d)も稼働し、2018年には2020年の稼働を目指して最も古い既存溶解炉の窯修に入る。これらの結果、同工場には4~5の生産ラインが追加されることになる。また、同工場近くの加工工場も設備投資対象となっている。

出典:FEVE NEWS Letter Oct.2017 No.464(元出所:premiumbeautynews.com)

3. トルコのLAV社が最新の検査設備を導入

 トルコのGüraller GroupのLAV社は、世界でも最もダイナミックな食器メーカで、製品の品質最適化のため最新のカメラベースの検査技術を導入している。LAV社はセット、ドリンクグラス、スープボールなど毎年約7億個のガラス食器を製造し、130ヶ国の顧客に輸出している。世界的なテーブルガラス事業へ比較的新規に参入した同社は、過去12ヶ月間、トルコのKütahyaにある2つの生産性の高い生産拠点向けの最新のカメラベース検査装置として、食器、香水、プレミアム・スピリット・ボトルなどの側壁欠点専用のIRIS社Ultimateに着目した。同社が導入したIRIS Ultimateは、タンブラーやステムウェアの胴部と口部を完全にカバーする16台のHDカメラを装備していて、さまざまなタイプの変形、ブリスター、底偏肉、ティア、ラップマーク、キャットスクラッチ、オイルマーク、および多くのタイプの低コントラストの表面欠陥を検査することが可能。

出典:FEVE NEWS Letter Oct.2017 No.464(元出所:iris-im.com)

訳注:LAV社については、以下のURLを参照ください。

4. Stölzleのサステナビリティレポート(2016年版)

 StölzleGlass Group(STG)のサステナビリティレポートの詳細なエグゼクティブサマリーが同社のウェブサイトから入手できる。STG社は、その成長と生産能力の拡大に関連して、環境保護の分野、従業員の労働条件の改善、近年の安全衛生の分野で大幅に投資してきた。2015年から2016年の間に、以下のマイルストーンが達成された。 NOx排出量を20%削減、水の排出量は3%低下し、女性従業員は15%増加した。 年間30億本の平均生産量で、12万トンのリサイクルカレットを使用し、14万トンの原材料を節約し、CO2排出量を3万トン削減した。

出典:FEVE NEWS Letter Sept.2017 No.463(元出所:stoelzle.com)

訳注:Stölzle社については、以下の同社ウェブサイトを参照願います。

訳注:サステナビリティーレポートは、以下のURLから入手できます。

5. スロベニアのSteklarna Hrastnik社は上半期売上を増加

 スロベニアのSteklarna Hrastnik社の上半期売上は30.1百万ユーロで、昨年同期比6%増加。 税引前利益と従業員1人当たりの付加価値も増加し、利益は5.1百万ユーロ(19%増)、従業員1人当たりの付加価値は44.104ユーロ(9%増)となった。これは、過去7年間に従業員のスキルと生産性の改善のために約1.6百万ユーロを投資し、生産の自動化、生産現場の人間工学的配置、正しい作業方法のスタッフ訓練に重点を置いてきた成果としている。

出典:FEVE NEWS Letter Sept.2017 No.463(元出所:steklarna‐hrastnik/sl)