2020年04月06日

海外情報(2020年3月分)

1. ヴェラリア社2019年業績

ヴェラリア社(Verallia)は2019年の年次結果を公表した。それによると、既存事業売上は25.86億ユーロ(約3,077億円:119円換算)で前年比9.1%の伸び、調整後EBITDAは6.156億ユーロ(約1,169億円)、純益は前年比倍増し1.25億ユーロ(約149億円)だったと発表した。ヨーロッパで業界第1位、南米で業界第2位、世界で業界第3位という位置にあるとしている。

出典:FEVE NEWS FN490-03-20(元出所:verallia.com)

訳注1:記事詳細は以下のURLを参照ください。

2. アルダーグループ2019年業績

アルダーグループ(Ardagh Group SA)の2019年業績発表によると、全体の売上は66.60億ドル(約6,859億円:103円換算)、営業利益4.68億ドル(約482億円)だった。ヨーロッパのガラスびん部門は好調で、北米アルダー社は収益の安定化に成功したとしている。同グループは、欧州での好調な出荷の継続と北米での安定化を反映して、ガラスびん売上高は2%伸びたとしている。

出典:FEVE NEWS FN490-03-20(元出所:ardaghgroup.com)

訳注1:同社決算報告を見ると、地域的な売上の割合は北米47%、ヨーロッパ46%、その他7%で、事業別売上は金属缶51%、ガラスびん49%となっている。また、生産施設は金属缶が23工場(米国8、ドイツ4、ブラジル3、英国3、その他欧州地域5)、ガラスびんは33工場(米国13、ドイツ8、オランダ2、ポーランド3、英国4、その他欧州地域3)となっている。
記事詳細は以下のURLを参照ください。

3. ヴィドララ社2019年業績

ヴィドララ社(Vidrala)の2019年業績は、純売上高が5.8%増の10.108億ユーロ(約1,203億円:119円換算)、EBITDAが14.7%増の2.746億ユーロ(約327億円)だった。

出典:FEVE NEWS FN490-03-20(元出所:vidrala.com)

訳注1:記事詳細は以下のURLを参照ください。

4. ゲレシャイマ-社の2019年業績

ゲレシャイマー社(Gerresheimer AG)の2019収益は、前年比2.4%増の約13.8億万ユーロ(約1,640億円:119円換算)、調整後EBOTDAが約4億ユーロ(約476億円)であった。同社は、これは革新、卓越性、顧客と従業員に焦点を合わせるといったテーマに積極的に取り組んだ結果としている。また同社は、持続可能で収益性のある成長を目標としている。

出典:FEVE NEWS FN490-03-20(元出所:gerresheimer.com)

訳注1:記事詳細は以下のURLを参照ください。

5. ヴェレソンス(旧SGD)社のGHG排出削減目標

化粧品びん業界最大手のヴェレソンス社(Verescence、旧SGD社、フランス)は、SBTi(Science Based Targets initiative)に参加し、科学ベースの温室効果ガス(GHG)排出削減目標の設定に取り組んでいる。 同社は2022年末までにパリ協定、COP21に沿って、2016年から2022年にかけて、スコープ1と2のCO2排出量削減目標を設定した。

出典:FEVE NEWS FN490-03-20(元出所:verescence.com)

訳注1:国内外ともに企業の環境対策への取り組みは企業成長にとって重要な課題となっている。そういった中、温暖化対策への取り組みが外部から見えやすいということは投融資を受ける際の一つのポイントで、各企業がその取り組みについて第三者検証を受け、その認証を取得するというのは銀行やファンドからすると一つの判断材料となる。このため、最近、温室効果ガス排出削減についてSBTiなどから科学的検証を受けて、第三者認証を受け、企業努力をアピールする会社が増えてきているように感じる。
スコープ 1:自社の工場・オフィス・車両など事業者自らの直接排出
スコープ 2:他社から供給された電気などの使用に伴う間接排出
スコープ3:自社以外が排出する原料調達から製品の廃棄等までのサプライチェーンのうち、スコープ1、2以外の間接排出
記事詳細は以下のURLを参照ください。

ヴェレソンス社については以下のURLを参照ください。

同社のPR動画が何本かユーチューブにあげられている。日本語はないが同社の様子を知ることはできると思い以下に2本のURLを参考にあげた。

6. O-I社がGHG排出削減目標についてSBTiの認証を受ける

O-I社は、同社のGHG排出削減目標について、SBTi(Science Based Targets initiative)から認証を受けた。 O-I社は、2017年の基準年から2030年までに、スコープ1、2、および3の絶対GHG排出量を25%削減するとしており、SBTiのターゲット検証チームは、O-I社のスコープ1および2の目標を検証し、気温上昇を2°C以内に納めるというパリ協定に従っていると判断した。

出典:FEVE NEWS FN490-03-20(元出所:o-i.com)

排出削減については、他にもアルダー社はカーボンディスクロージャ(Carbon Disclosure Project:CDP)の評価を受けるなどしている。
記事詳細は以下のURLを参照ください。

SBTiの日本語パンフレットは以下のURLより入手できます。

SBTiについては以下のURLを参照ください。

CDPについての日本語説明は以下のURLを参照ください。

CDPのウエブサイト(一部が日本語化されている)は以下のURLを参照ください。

7. NSGグループの水素燃焼溶解テスト

日本板硝子グループ(NSG)は、英国セントヘレンズのグリーンゲイト工場(Greengate Works)でフロートガラス炉の代替燃料としての水素の使用を世界で初めてテストする予定。 これは、イングランド北西部の産業コンソーシアムであるHyNetが管理するプロジェクトの一部で、NSGは、水素を使用して、ガラスを溶解するための天然ガスと石油を全体的または部分的に置換できるかどうかを調査し、CO2排出量を約80%削減する。このプロジェクトは、2020年11月に最初のテストが計画されており、産業燃料切り替えスキームの下での英国政府からの520万ポンド(約7.1億円:137円換算)の資金援助によって支えられている。

出典:FEVE NEWS FN490-03-20(元出所:nsg.com)

国内でのLNG熱量バンド制移行議論の中でも水素添加燃焼の話が出ている。板硝子ではあるが、このNSG社のグリーンゲイト工場での試験の結果は我々にも影響があると考え取り上げた。
記事詳細は以下のURLを参照ください。

Hynetについては以下のURLを参照ください。