2020年04月27日
海外情報(2020年4月分)
異例ですが、4月海外情報をお送りするにあたり、COVID-19感染拡大の中、奮闘されている医療関係の皆様に感謝を申し上げまたいと思います。そして、前AGCヨーロッパCEOのフィリップボドソン氏(76才)が感染により亡くなられたという報道がある中、我々業界において、日々、生活に必須な食品・薬品等の容器を生産し供給を継続するため並々ならぬ努力をされている皆様の健康が保たれますようにと願っております。
1. O-I社はCOVID-19感染拡大の中、ほとんどの工場で生産を継続
ガラスびんは、食品および飲料チェーンの不可欠な要素と考えられており、O-I社では同社の生産能力の約85〜90%が稼働している。欧州とラテンアメリカでは、一部の国では、顧客需要の減少や、政府の公衆衛生上の法令に準拠するための生産を一時的に削減している。このような中、2020年第1四半期の業績は堅調だったが、生産トン数は、昨年の同時期と比較して0.8%減少した。中でも、3月の最後の2週間、特に南ヨーロッパとラテンアメリカでは、Covid-19の影響を反映して、需要は前年比で約7%減少した。
出典:Glass International
訳注1:記事詳細は以下のURLを参照ください。
2. ヴェラリア社はヨーロッパの全工場で生産を継続
ヴェラリア社(本社:フランス)は、自社の生産量を調整し、顧客に可能な限り最大限のサービスを提供した。北ヨーロッパ、イタリア、イベリアの工場は持続的なレベルで生産しているが、フランスとラテンアメリカの工場は、需要の減少と出勤できる従業員の数に生産が影響を受けている。
同社は、生産現場でのウイルスの拡散を防ぐために必要なすべての健康予防策を直ちに実施したとしており、さらに、考えられるすべてのケースでリモートワークが迅速に展開された。また、同社の従業員は、生産拠点が置かれている地域社会に連帯を示し、病院の備品、水性アルコールジェル、防護服、マスクの寄付をした。
出典:Glass International
訳注1:記事詳細は以下のURLを参照ください。
地域社会との連帯という意味では、他にも、O-I社やシュテルツレ社が3Dプリンターを使って地域の病院の医療従事者向けのフェイスシールドのフレームを作り提供するといった活動を始めている。
3. ヴェトロパックグループ2019年業績
ヴェトロパック(Vetropack)グループの2019年の純売上高は、前年比3.5%増の7億1,490万スイスフラン(約794億円:111円換算)だった。販売数量は、前年とほぼ同じ51.6億本だった。昨年は、いくつかのオーバーホールや設備の近代化プロジェクトを実施したが、グループとしては、146万トン(2018年:145万トン)を生産し、前年より1.0%増加した 。2020年度はクロアチアのガラス工場での炉修とそのシステムの完全な再構築を計画し、生産能力が大きくなる。
出典:FEVE NEWS FN492-04-20(元出所:vetropack.com )
訳注1:ヴェトロパック社及び記事詳細は以下のURLを参照ください。
4. ジーニャーゴ・ヴェトロ社2019年業績
イタリアのヴェネツィアから東に約80kmに本部を置くジーニャーゴ・ヴェトロ(Zignago Vetro SpA)グループは、2019年に前年比11.7%増の4億2,050万ユーロ(約492億円:117円換算)の売上を達成し、輸出は前年比1.7%増の1億4,900万ユーロ(約174億円)を記録した。飲料および食品びんは、強い一般消費レベルに牽引されて、イタリアおよびヨーロッパ全体の両方で、すべての市場セグメントにわたって増加した。ガラス容器の需要の伸びは、環境問題や製品の品質に対する消費者の感受性にも支えられているようだ。 グローバルな香水市場も、主にアメリカとアジアの需要のおかげで一般的に好調だったが、より専門的なカテゴリーはサプライチェーンの在庫レベルのために減速した。化粧品容器の需要は、主に新興国に牽引されて増加したが、マニキュア容器は例外で、弱い状態が続いている。
出典:FEVE NEWS FN492-04-20(元出所:zignagovetro.com )
訳注1:ジーニャーゴ社および記事詳細は以下のURLを参照ください。
5. ハインツグラス社ポーランド工場で大規模生地洩れ
ハインツグラス社(Heinz-Glas Group)は、ポーランドのジャウドボ(Działdowo)にある工場で3月11日発生した電気炉の生地洩れ事故について関係者に声明を発表した。声明によると、スロート近くから大規模な生地洩れが発生し、短時間で炉全体が完全に空になった。事故当時、炉は外部の専門の請負業者の従業員によって保守されており、4人が負傷、現場で一人が亡くなった。
出典:FEVE NEWS FN492-04-20(元出所:heinz-glass.com )
訳注1:ジャウドボ工場はポーランドのワルシャワから約150km北にあり、2019年の報道ではレキュペレータ炉をゾルグ設計のエンドポート炉に置き換え生産能力を大幅に増強し、さらに同工場のオパールグラス製品用の炉の炉修が計画されていた。オパールグラスはフッ素揮発を低減する意味からもコールドトップの電気炉で生産される事が多く、今回生地洩れを起こした炉は電気炉ということから、恐らくは、このオパールグラス製品用の炉の末期での生地洩れと思われる。
ハインツグラス及び記事詳細は以下のURLを参照ください。
6. フラマテック社が酸水素バーナを開発
フラマテック社(FlammaTec)は、CO2フットプリントを削減するという環境問題への対応として、酸水素バーナを開発した。 この開発では、広範なコンピューターシミュレーションとエンジニアリング作業を行い、その後高温燃焼施設でのテストが行われた。この結果、火炎の柔軟性、および非常に効率的で安定した燃焼が確認された。
出典:FEVE NEWS FN492-04-20(元出所:flammatec.com )
訳注1:記事詳細は以下のURLを参照ください。