2020年06月25日
海外情報(2020年6月分)
1. エンサーク社エルトン工場に900t/dの溶解炉を建設
5月27日 glassonline.comはエンサーク(Encirc)社がエルトン工場(Elton) に既存溶解炉を拡張し、900t/dの世界最大のガラスびん溶解炉を建設すると報じた。世界初となるインダストリー4.0生産ラインの導入でより柔軟な生産ができ、成形ラインはエムハート12セクションクワッドを設置。
出典:glassonline.com
訳注1:記事詳細は以下のURLを参照ください。
本件は同社のHPでは確認できなかったが、同社のツイッター等で発表されている。
2018年に協会のEU視察で訪問した当時は、フリントのB溶解炉(850t/d)が稼働8ヶ月、アンバーのA溶解炉(750t/d)が稼働12年目で、窯修が2020年に予定されていたことから、このA溶解炉の能力を900t/dに拡張したものと思われる。
2. O-I社ジロンクール工場が溶解炉建設を再開
Covid-19の影響で中断されていたO-I社ジロンクール工場(Gironcourt、フランス)の#3溶解炉の建設が再開された。O-I社は6,000万ユーロ(約73億円:122円換算)を投資して同工場を拡張。これにより同工場では年間20億本のビールびんが生産される。工場には350人が雇用されており、そのうち60人はこの投資の一環として特別に雇用され、訓練を受けている。今秋稼働の予定。
出典:glassinternational.com
訳注1:記事詳細は以下のURLを参照ください。
3. O-I社第二四半期の状況
O-I社は、2020年6月9日のドイツ銀行2020グローバルインダストリアルアンドマテリアルズサミットへの同社の出席に先立ち、最新の状況を公開した。
CEOのAndres Lopez氏は、「O-Iは、Covid-19世界的感染拡大によって引き起こされる状況に対応して積極的にビジネスを管理しながら、お客様に安全に供給できるよう行動を続けている。予想通り、第2四半期は、供給と需要のバランスを取り、特定の市場での政府の健康に関する法令に準拠するため、一時的に出荷レベルが低下し、生産が抑制されるため、マイナスの影響を受けた。四半期累計の出荷量は5月中旬まで一貫して減少していたが、市場が再開し始めたため、過去数週間で数量の傾向は徐々に改善している。感染拡大の経済的影響を部分的に軽減するために、いくつかの具体的な対策を実施した結果、当四半期の5月までのセグメント業績はプラスになり、キャッシュフローは前年並みだった。同様に、流動性は非常に強く、5月の借り換え活動によりO-Iの財務の柔軟性とバランスシートの健全性が向上した。当社はこれらの困難な時代を乗り越えて、構造の最適化、パフォーマンスの方向転換、ガラス革命に焦点を当てた戦略に引き続き取り組んでいく」と述べた。
出典:glassonline.com
訳注1:記事詳細は以下のURLを参照ください。
記事の概要:出荷トン数は前年同期比で約18%減少。通年で前年対比5-10%の減少と予想。感染拡大に合わせてライン停止、溶解炉停止などを実施。コスト削減活動の徹底、設備投資の削減、役員・その他管理職の給与削減、配当と株式買い戻しの一時停止などを実施。
4. 2020グラステックは2021年6月開催に延期
今年10月20日~23日に開催が予定されていた2020グラステックは、COVID-19の世界的感染拡大の影響で2021年6月15日~18日に開催が延期された。COVID-19によって業界全体が大きな影響を受ける中、当初予定どおり開催したとしてもEU域内外からの旅行(渡航)制限、検疫、展示会訪問者の健康リスク等を考慮すると、訪問者数の少ない展示会にならざるを得ず、延期となった。
出典:glassonline.com
訳注1:記事詳細は以下のURLを参照ください。
多くの展示会が中止、延期となる中、本年のグラステック開催が危ぶまれていたが、展示会の諮問委員会や地元ドイツの業界団体などの意見も受け延期となった模様。