2020年09月18日
海外情報(2020年9月分)
1. O-I社ランス工場(フランス) 廃熱を地域暖房に利用
O-I社とフランスのエネルギーソリューション会社ダルキア社(Dalkia)は、O-Iのランス(Reims)工場の炉にハイテク熱回収ユニットを設置し、熱回収ネットワークを構築し、サンレミ大聖堂がある歴史的なサンレミ地区(Saint Remi)の1,200軒以上の暖房に再利用した。これによって1,460台の車が年間排出するのに相当する2,630トンの二酸化炭素排出量が削減される。ランス工場の工場長ダラメッキ氏(Mr.Dallah Mekki)は、「環境に対して具体的な行動を取ることができることを示すこの作戦に参加できることを非常に嬉しく思います。」「新しいハイテク機器、新しいグローバル構成、追加の技術革新により、工場は柔軟性、生産能力、エネルギー効率を大幅に向上しました。ガラスびんは、新しいガラスびんやびんに何度もリサイクルする能力を含む、地球に優しい多くの利点を持っています。O-I社は、2030年までに温室効果ガス排出量を25%削減することを含む持続可能な製造に取り組んでいます。ランス工場からの熱回収のようなプロジェクトは、O-I社がガラス製造プロセスを革新している方法の一例です。」と語った。
出所:o-i.com / glassinternational.com
訳者注:記事詳細は以下のURLを参照ください。
- https://www.glass-international.com/news/recaptured-heat-from-o-i-glass-plant-heats-french-homes
- https://www.o-i.com/news/recaptured-heat-from-oi-glass-plant-heats-homes-in-reims-france/
Dalkia社については以下のURLを参照ください。
2. ヴィーガント社のシュロイジンゲン新工場
ヴィーガント社(Wiegand-Glas)は今年2020年、ドイツのフランクフルトから東に約250kmの場所に立地するシュロイジンゲン(Schleusingen)の既存工場に隣接した敷地に、生産効率を大幅に向上し、環境負荷を低減した新工場を建設している。新工場建設プロジェクトは現在の様々な規制に合致する必要がある上に、Covid-19パンデミックの最盛期の中での工事となり、非常に困難であった。
出所:FEVE NEWS FN96-9-20(元出所:glassworldwide.co.uk)
訳者注:記事詳細は以下のURLを参照ください。
新工場は溶解炉2基で既に1基は稼働し、2021年には残る1基も稼働の予定。既存工場の跡地利用は未定。主な設備は、バッチ周りはZIPPE社、溶解炉はSORG社、ISはエムハート社とハイエ社、コールドエンドはDr.Gunther及びティアマ社。
インタビュー記事の最後で、オリバー・ヴィーガント社長が「将来的には、ガラス産業のようなエネルギー多消費型産業は根本から変わらざるをえないか、EU域外に出て行くしかない。」「ハイブリッド型溶解炉といったものもあるが、それ単独ではEUのCO2削減目標を遵守できない。」「私はガラス(の可能性)を強く信じている。ガラスは魅力的な素材で他素材に比べて大きな優位点がある。」と述べ、「業界として、我々はガラスが(消費者に)好まれる素材として、ガラスの将来に向け共同でがんばって行かねばならない。」と結んでいるのが印象的。
3. ヴィーガント社のエコガラス
ヴィーガント社(Wiegand-Glas)は、カレット使用率93%を保証した実質上CO2排出ゼロのワインボトル「エコボトル」の生産に協力している。新しいエコツー(Eco2)びんは、世界初の実質CO2排出ゼロのワインボトル。約20%軽量化されている。実質ゼロを達成するために、ヴィーガントガラス社はカーボンオフセットプロジェクトに投資し、100%水力発電(フェアブント社:VERBUND)を使用するなど様々な方法を使用して目標を達成した。なお、このワインびんには特別なロゴマークが刻印されている。
出所:glassinternational.com
訳者注:生産工程からの直接CO2排出が避けられない中、様々な手法を利用して実質CO2排出ゼロを保証する製品を出したことに敬意を表したい。記事詳細は以下のURLを参照ください。
Eco2びんについては以下のURLを参照ください。
フェアブント社については以下のURLを参照ください。
4. O-I社ジロンクール(Gironcourt)工場3号窯が竣工
2020年8月27日 O-I社の、6,000万ユーロ(約75億円:125円換算)を投資し、20ヶ月の工事を経て、フランスのジロンクール・シュル・ヴレーヌ(Gironcourt-sur-Vraine)工場の3号窯が竣工した。これにより、同社は年間19億本のビールびんを生産できるようになる。これは、同社が過去20年間にヨーロッパで行った最大の投資。
出所:glassinternational.com
訳者注:記事詳細は以下のURLを参照ください。
5. 2020年第2四半期/上半期の各社業績概要
COVID-19パンデミックが大なり小なり各社の業績に影響している。
※アルダー社2020年第2四半期売上前年比5%減少
アルダー(Ardagh Group)社の2020年第2四半期の売上高は、前年より5%減少し16.06億ドル(約1,686億円:105円換算)だった。第2四半期のガラスびん売上は7%の減少だった。同四半期の調整後EBITDAは2.71億ドル(約285億円)で、前年同期比11%減。
出所:glassinternational.com
訳者注:記事詳細は以下のURLを参照ください。
※ヴェトロパック(Vetropack Group)社の2020年上半期売上は10.4%減
2020年上半期売上高は3.238億CHF(375億円:116円換算)となり、前年同期比10.4%減、連結営業利益は昨年とほぼ同じだったが、営業に必要ない物件の売却により、前年の3,790万CHF(約44億円)から4,630万CHF(約54億円)に増加。生産能力を積極的に削減し、ヴェトロパック社は上半期に725,000トンを生産した(2019年は730,000トン)。
出所:glassinternational.com
訳者注:記事詳細は以下のURLを参照ください。