2014年08月29日

海外情報(2014年8月分)

1.ワールドカップがドイツのガラス容器業界の販売増に寄与

 ドイツの2014年第1四半期の販売は3.5%増であった。これは、1-6月の国内市場が4.4%、輸出が1.3%増加した結果による。飲料分野は1-6月で5.7%(国内;6.9%、海外;2.1%)伸びた。中でも、ブラジルでのワールドカップの影響でビールが16%の伸びを示した。また、水/炭酸飲料が15%の伸びを示した。これは今春がいつもより暖かかった事による。スパークリングワインは10.6%の伸び、ジュースは2.2%の伸びだった。一方、ワインは1.5%減、アルコール飲料も4.1%減であった。
 ドイツガラス連盟〔BV Glas, the Federal Association of the German Glass Industry (Bundesverband Glasindustrie e.V.)〕会長のDr. Johann Overath氏(所属はSchott Glass AG)は次のように述べた。
「ガラスびんの需要は堅調で、ガラスびんが依然として多くの分野で必要とされていることが判る。」「ワールドカップと平年より気温が高かったこともビールなどの分野に良い影響を与えたことも確かだ。」「第二四半期も堅調に推移すると考えている。」

 出典:Glass International
【訳者注】
 BV Glasにはガラスびん、板ガラス、特殊ガラス、ガラス加工等の業界各社の80%が会員となっている。
 ガラスびん部門は32工場、従業員数約9,000人。
 ガラスびん部門独自のウエブサイト;http://www.glasaktuell.de/ があるがドイツ語のみで英語はない。

2.2014年 第38回ASEAN ガラス大会

 2014年9月8日~11日の予定でマレーシアのペナンで、第38回ASEANガラス大会(38th ASEAN Glass Conference)が開催される。同会議の組織委員会議長のChai Kung Fee氏(O-I BJC Glass Malaysia, Plant Manager)は以下のように述べた。

(1) 今大会について
 今大会のテーマは“Go Green with Glass/ガラスと共に環境を守る”とした。これはガラス産業が現在行っている“Go Green/環境を守る”という取組に沿ったものとなっている。我々は今年の大会がこの課題に対する取組のレベルを更に上げる機会となることを願っている。とりわけ、エネルギー効率の向上とその回収、つまり、より効率のよい設備機器を設計し使用することで環境負荷をどれだけ軽減することができるかということ。技術分科会では、最新の技術情報が紹介される。また、お互いを知り合えるようにNetworkingの機会も設けている。

(2) マレーシアのガラス業界の状況
 最近マレーシア政府は、ガソリン価格を10.5%、砂糖価格を13.6%、タバコ税を14%、電気への課税を10.6%から16.9%に上げた。このような料金値上げあるいは補助金の削減は、確実に品物の価格を押し上げることになる。このレベルのインフレは、マレーシアのガラス容器業界に大きな課題を課すことになって短期的な痛みはあるものの、食品容器の需要には変化がない。これは、マレーシアがハラル製品の全世界的な生産・販売などを促進するハブとなっている結果と考えている。また、マレーシア国民の67%がイスラム教徒である結果、酒類容器の需要は限定的でもある。

(3) 東南アジアとの関係
 マレーシアのガラス産業が伸びる可能性は、国内人口が約3,000万人であることを考えると限定的だ。しかしながら、国内各社は東南アジアへ、特にインドシナ、ミャンマーへの輸出に力を入れている。

 出典:Glass World Wide誌July/August 2014

3.適正な仕様のフォアハースとディストリビュータの重要性

 従前の作業室は、その大半が今ではより小型のディストリビュータに置き換わり、ディストリビュータからフォアハースにかけての制御が燃費、歩留まりに大きな影響を持つようになっている。
 これに関連してPSR社のDavid Parkinson氏が、同社System 500の紹介記事をGlass World Wide誌July/August 2014に寄稿している。同氏によると、PSR社System 500を導入することで、既存の燃焼および温度制御システムを変更せずとも、50-20%の燃料節減になり、10年という期間でみると大きなコスト削減になるとしている。詳細は、Glass World Wide誌July/August 2014を参照下さい。

 出典:Glass World Wide誌July/August 2014
【訳者注】
 PSR社の自社製品についての寄稿だが、昨今のエネルギー事情を考えてご紹介してみた。
 国内でもPSR社のフォアハースの導入例があるようなので、実際にどれほどの燃料節減が得られているのか
 という点は非常に興味がある。

4.GIMAVはLaura Biason女史を理事待遇(Dupty Director)で迎えた

 イタリアのガラス業界向け設備機器メーカの団体であるGIMAVは、企業間の連携などで業績を上げてきたLaura Biason女史を理事待遇で迎えた。イタリア製の設備機器の売り込みに力を発揮すると期待されている。

 出典:Glass World Wide誌July/August 2014