2021年04月28日

海外情報（2021年4月分）

1. ゲレスハイマー社がファーネスフォーフューチャー（F4F）プロジェクトに参加

ゲレスハイマー社（Gerresheimer）はF4Fに参加することを表明した。同社は温暖化ガス排出量（スコープ1及び2）削減目標として、2030年までに2019年比50％削減と設定している。
F4Fプロジェクトでは、ハイブリッド型電気炉（350t/d）をアルダー社のオベルンキルヘン工場に2022年までに設置し2023年には最初の成果を得る予定にしている。

出所：glass-international.com

訳者注：ヨーロッパでは2050年カーボンニュートラルに向けての具体的な活動が活発化し、それぞれの活動で重なりが無いようにどこかで調整されているように見える。
先に2月の海外情報でエンサーク社デリリン工場がバイオ燃料を使用しうまくいった事を取り上げた。その後、ネット調査やヒアリングなどから、どうやらバイオマスディーゼル燃料を使用してディアジオ社向けの緑色びんを生産したという事が判った。バイオマスディーゼル燃料は運輸部門で幅広く使用され、バイオマスディーゼル燃料の生産体制も既にある程度整備されている。まだまだ価格は高いようだが、今後、需要が伸びるにしたがって生産体制の拡充も予測され、同時に価格も下がっていくのではないかと思われる。
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2. 英国ガラス協会が英国の排出量取引システムをEUのシステムと結びつける要請を政府に行った

英国ガラス協会（British Glass）は英国ガラス業界を代表して、新しい英国排出量取引システムをEUの排出量取引システムに結びつけることが重要とする英国政府に要請する公開書簡に、紙、陶磁器、石油、ガスなど他の40団体と共に名前を連ねて提出した。二つのシステムを結びつけることで、英国がより速く、より費用対効果の高いネットゼロに達することを可能にすることが期待される。ボリス・ジョンソン首相に宛てた書簡で、英国がより速く、よりコスト効率の高い両方で正味ゼロに達することを可能にするために、二つのシステムを「可能な限り早く」結びつくことを求めている。11月の国連気候変動会議2021(COP26)の前に英国とEUのETSを結びつけることで、「気候リーダーとしての英国とEUの再確認」と、炭素価格の面で同じ土俵の場で競争することで、競争上の歪みを回避し、英国と欧州経済地域全体の産業に対するコストへの影響を一致させるなどの利点が見られるとしている。

出所：britglass.org.uk

訳者注：今後、国内でも炭素税の議論や排出権取引などがより活発になると予測される。
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3. O-I社2020年通期業績

O-I社の2020年通期業績はパンデミックの影響があり、アメリカ、ヨーロッパともに第二四半期に出荷量が前年比約15%落ちたが、第3四半期には前年比プラスと回復している。通年の売上は前年比▲4％、生産は前年比▲7.5％で、収益は前年856百万ドル（約899億円:105円換算）に対して678百万ドル（約712億円）となった。

出所：o-i.com

訳者注：3月海外情報で2020年の通年業績は検索ヒットせずとしたが、2月9日付けで概要報告されていた。
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4. O-I社シパキラ工場を拡張

3月23日　O-I社は、南米コロンビアのシパキラ工場（Zipaquirá）を拡張すると発表した。投資額は約75百万ドル（約79億円:105円換算）。既存3窯に加えて1窯を新設し2022年に稼働の予定。この拡張によって同工場はO-I社最大の工場となる。O-I社CEOのロペス氏は、「強い市場成長とガラスに対する嗜好がアンデス地域共同体におけるガラスびんの大きな需要を促進している。」と述べている。

出所：o-i.com

訳者注：アンデス地域共同体（ANCOM又はCANと略称）は、コロンビア、ボリビア、エクアドル、ペルーからなる共同体で、域内関税撤廃により自由貿易圏を形成している。他に準加盟国としてアルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、チリがあり、オブザーバー国としてスペインがある。
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5. EME社が韓国テクパクソリューション社のバッチプラントを最新の設備に更新

EME社が、最近韓国テクパクソリューション社（Techpack Solutions）のバッチプラントの設備を、最新の高性能パンミキサー、カレット供給設備、秤量設備および制御設備に更新した。

出所：glassonline.com

訳者注：コロナ後を見据えてか老朽設備の更新、アップグレードはヨーロッパ以外の各地でも行われている。
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