2022年05月18日
海外情報(2022年5月分)
1. フランスガラス産業 生産コスト高騰
フランスのガラス産業連盟(FIV)は生産コストが高騰し状況は緊迫しているとしている。FIVはガラス産業のエネルギー消費の最大80%をガス、残りの大部分を電力が占めているとしている。そして、価格の高騰以前は生産におけるエネルギー価格のシェアコストは20-30%であったが急激に高騰していて、これはロシアのガス禁輸の可能性がその主な原因であると話している。これ以外にも、その他の高騰要因として、ソーダ灰、段ボール箱、プラスチックフィルム、パレット、および物流側の燃料費高騰などもあって状況は緊迫していると概括した。
出所:FEVE NEWS 2022.04.25-05.02
訳者注:FIVのサイトを検索したが当該記事の掲載はなく、usinenouvelle.comのインタビューに答えたものの様子。
記事詳細は次のURLを参照ください。Usine Nouvelle (L’), 26 Apr 2022, online:
FIVについては以下を参照ください。
2. 欧州でのワインと蒸留酒の需要がO-I社2022年第一四半期売上を押し上げ
重量ベースで欧州向け出荷量は9.9%伸び、同社売上は前年同期15億ドル(約1,950億円:130円換算)であったのが17億ドル(約2,210億円)に増加(前年同期比 約13%増)した。更に売値も以前より高く出来たのでインフレコストを上回ることができたとO-I社CEOのAndres Lopez氏は話している。
出所:glass-international.com
訳者注:記事から推測するに欧州では酒類の需要が伸びているようだ。しかし、欧州での燃料価格高騰がどのように影響するか今後を注視したい。記事によればESG関連で同社使用電力の30%以上が再生可能な電力となっているようだ。
記事詳細は次のURLを参照ください。
3. スペイン ヴィドララ社 ガラスびん需要が伸びていると報告
ヴィドララ社は、得意先や消費者の強い支持があって同社の営業エリアでの食料および飲料向けの需要が伸びていると報告している。2022年第一四半期売上は前年比18.8%増の278.9百万ユーロ(約384億円:138円換算)となった。しかし営業利益(EBITDA)は前年比▲63.6%の23.3百万ユーロ(約32.15億円:138円換算)となり、これはインフレの影響としている。
出所:vidrala.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
4. アルダー社 コンソル社買収を完了
アルダー社は、南アフリカのヨハネスブルグに本拠を置くコンソル社の買収を完了した。同社は、今後200百万ドル(約260億円:130円換算)を投資して2基の溶解炉を建設する予定にしている。これによって同社は全体として、16カ国の生産拠点、65の生産ライン、従業員2万人、年間売上約100億ドル(約1兆3,000億円)の規模を持つことになる。
出所:glassonline.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
5. ショット社 水素を使ったパイロットプロジェクト
ショット社は天然ガスを水素に置換することを考えていて、同社の本拠地マインツ(Mainz)で水素を使った大規模生産テストを計画している。同社の特殊ガラスでワクチン用のヴァイアルびん、スマホのカバーガラスおよびマイクロチップ用のガラスを溶かすには1,700℃を必要とし、燃料としてこれまでは天然ガスあるいは場合によっては電気を使用していた。同社は2030年には気候中立となることを目指しており、グリーン電力と水素によるガラス溶融を考えている。計画では天然ガスを10日間隔で徐々に35%まで水素に置き換える。この研究プロジェクト全体の費用は71.4万ユーロ(約9,853万円:138円換算)を超え、同社とその研究パートナーはERDF(European Union’s European Regional Development Fund:ヨーロッパ地域開発基金)から33.8万ユーロ(約4,664万円)の助成を受ける。
出所:glass-international.com
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ERDFについては以下のURLを参照ください。