2022年07月28日

海外情報(2022年7月分)

1. ドイツガラス産業連盟のCO2削減ロードマップ

ドイツガラス産業連盟(BV Glas)は、ガラス産業界の脱炭素の道筋について政治家などを招待し講演を行った。この講演会で、シュトゥットガルト大学のエネルギー経済学・省エネルギー研究所(IER:the Institute for Energy Economics and Rational Energy Application )は脱炭素の三つのシナリオについて報告した。
それによると、気候中立のためにエネルギー構成比の77%を占める天然ガスを長期的に置き換えることが必要となっている。このため、従来の溶融タンクは、全電気またはハイブリッド溶解炉に置き換える必要があるが市場から入手できる状態に無く、今後数年間で多くの研究開発が必要になる。
代替エネルギー源に切り替えることでエネルギー関連の排出量をゼロに減らすことができるが、原材料から直接生じるプロセス関連の排出量に対する解決策はまだ無い。これには、CO2回収・貯蔵または再利用する炭素回収貯蔵(CCS/CCU)プロセスが有望と考えられている。
また、溶解炉を置き換えるなどしてガラス産業界全体を変革するコストとして、総計で約45億ユーロ(約6,300億円:140円換算)が必要と初めて試算された。これは各企業がグローバル競争の中で生き残り続けたいのであれば、単独では調達できない金額となっている。
ドイツガラス産業連盟(BVグラス) ハインリヒト会長(ショット社CEO)は、業界にとって適切な枠組み条件として、「十分なグリーン電力、インフラの拡張、そして最終的には競争力のある産業用電力価格が必要」など招待客の前で述べた。

出所:glass-international.com

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2. NSGピルキントン社の合成ガス試行

NSGピルキントン社は、キュー・テクノロジー社(Kew Technology)およびNGFヨーロッパ社とパートナーを組み、英国経済・エネルギー産業戦略省(BEIS:the Department for Business, Energy & Industrial Strategy’s)のネットゼロプログラムからの資金供与を受けた後に、同社場内でキュウ・テクノロジー社の技術によって合成ガス生産設備を設置し合成ガス(Syngas)使用の試行を行う予定。

出所:glass-international.com

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キュー・テクノロジー社については以下を参照ください。

3. 英国ガラス協会が脱炭素をテーマとして会議を開催

パイレックスやデュラレックスを傘下に持つ硼珪酸ガラス製品を作っているラメゾンフランセドヴェーレ社(La Maison Française du Verre)は、シャトールー工場(Châteauroux)での天然ガス・水素混合ガス燃焼テストに成功した。このテストは、SEFPRO社、エアーリキド社、GRTガス社、フランスクリスタルガラス連盟、フランスガラス連盟などとパートナーを組み、フランス環境・エネルギー庁(ADME:日本の環境省に相当)から資金支援を受け、フランス再興(France relance)プロジェクトの一環として実施された。また、サンゴバン・プロバンス研究所が天然ガス・水素混焼が耐火物、燃焼およびガラス品質へ与える影響を調査し、初期調査の結果は非常に前向きなものであった。

出所:glass-international.com

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4. ガラス産業の脱炭素と高品質耐火物の役割

脱炭素対応という、ガラス産業が直面する脱炭素と資源循環という歴史的転換点に関連して、酸素燃焼や水素燃焼を行うハイブリッド炉での高品質の耐火物の選択についてSEFPRO社の二人の技術者がグラスインターナショナル誌に寄稿している。一例をあげるとスーパーストラクチャーには、低滲出の電鋳AZS煉瓦と高アルミナ電鋳煉瓦あるいは高ジルコニア電鋳煉瓦の組み合わせ、タックストーンには高ジルコニア電鋳、大迫には低滲出のAZS材質あるいは電鋳高アルミナなどを勧めている。

出所:glass-international.com

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5. スクロストロイ社の12セクションIS機

チェコのスクロストロイ社(Sklostroj)が、ドイツからTAGS12型(フルサーボ+パラレルMOC、12セクションIS機)をあるドイツのある大手びんメーカから、初号機が4年間問題無く稼働したとして再び受注した。この機種では、ワインびんをトリプルゴブで、ビールびんをクワッドゴブで生産可能。

出所:glassonline.com

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6. 英国アライドグラス社がリーズ工場に大型投資

アライドグラス社(Allied Glass)は、顧客のポートフォリオが伸び続けているとして英国のリーズ(Leeds)工場のL2溶解炉の能力を300t/日に増加すると共に生産ラインおよび検査ラインに45百万ユーロ(約63億円:140円換算)を投資して刷新する。これ以外に今年後半に百万ポンドを印刷加工設備に投資する予定。

出所:glassonline.com

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7. O-I社がカナダのポアント・サン・シャルルにある工場を近代化

O-I社はモントリオール近郊にあるポアント・サン・シャルル(Pointe-Saint-Charles)にあるウエリントンストリート工場(Wellington Street)について、2023年にケベック州のデポジット枠組が拡張され、埋め立てに回っていた年間75,000トンのガラスが回収されカレットとして再利用できるようになるのを見込んで同工場の設備を近代化する。これによってカレット使用率は50%以上となる見込み。

出所:oicanadian.com

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8. ヴィーガント社がシュロイジンゲン工場の2号溶解炉を稼働

ヴィーガント社(Wiegand)は2022年3月以後、いつもで稼働できる状態にあったシュロイジンゲン工場(Schleusingen)の2号溶解炉を稼働させた。2号溶解炉では緑色およびアンバーのびんが生産される。

出所:glassonline.com

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