2014年12月10日

日本ガラスびん協会研修会に参加して

磯矢硝子工業株式会社
松本 泰幸

 11月7日から8日にかけて開催された、日本ガラスびん協会の1泊2日の研修会に参加させていただきました。
各社より様々な部署から若手~中堅の方々が参加されており、予想通り私が最年長参加者でした。

 1日目はオリエンテーションと開会のご挨拶後、3テーマの講義がありました。
 講義Ⅰは吉永専務理事の「日本ガラスびん協会組織」、「ガラスびんの動向について」でした。日本のガラスびん事情が大変厳しい状況下にある事を改めて認識しました。
また近年は、その他酒類(梅酒、カクテル等)・飲料水・清酒など、出荷量が伸長している物もあるとの少し明るい話題もありました。
「びんむすめプロジェクト」など、広報活動も精力的に行われている様子で、いかに消費者に知ってもらう、理解してもらう事が大変重要な事だと改めて感じました。

 講義Ⅱは岩本技術参与による「びん協技術委員会の取り組みについて」でした。
技術委員会では、JIS・計量法・リサイクル等の関係法令への対応、カラスびんの品質規格・びん口規格等の見直し、リサイクリング関係への対応、業界の技術的課題への対応など、数々の課題に取り組んでおられる事が分かりました。
また、海外調査団の派遣も行われており、海外ガラスびん協会、海外工場の省エネ事情や最新設備状況の視察、Glass Tec展示会の視察など、業界の最新技術等の情報を随時収集し、技術力の向上、色々な課題解決へのヒントに役立てておられる様子が見て取れました。
実際視察に行かれた海外工場の工場内撮影写真を見て、あまりの美しさに驚愕しました。
徹底した「5S」が実施されているとの事で、レアーエンド、成形現場共に非常に綺麗にされていました。特に成形現場は白く塗装された床にも関わらず汚れていない、普通では考えられない状態でした。工場規模、環境等の違いもあり全てを真似する事は難しいと思いますが、見習わなくてはいけない点も幾つかあると思いました。

 講義Ⅲは元エムハート・グラス・ジャパン株式会社 代表取締役社長 向田一彦氏による「世界のガラス容器市場・成長とその動向」でした。
世界市場における各国の状況がグラフから見ることが出来ました。
びん詰めアルコール飲料市場では、中国を筆頭としたアジア太平洋の成長率が伸びて来ており、日本は足踏み、ヨーロッパは若干後退気味の状況になっていました。
他業界におきましても、近年アジア各国の成長率は目を見張るものがあります。
最新鋭の設備・技術についての紹介もあり、しばらくの間ガラスびん業界から離れていた私にとりましても、近年の技術の進歩には驚きと新鮮さを感じました。
私が大阪工場に勤務していた約20年程前、エムハート社のISマシン導入に当たり、向田氏には色々とお世話になっており、まさかこの場で再会できるとは思いもよりませんでした。

 1日目の講義後には研修センター内のパーティールームで懇親会が行われました。
技術委員の先生方々、各社からの参加者方々とお酒を交わしながらコミュニケーションを図ることが出来ました。お酒の力もあり普段はあがり症で口下手な私も、リラックスして楽しく過ごすことが出来、ありがたく大変貴重なひと時でした。
限られた時間ではありましたが向田氏とお話しする事も出来、お互い昔話に花が咲き大変懐かしい気持ちになりました。

 2日目はグループ別討議と発表が行われました。
3つのグループに分かれ、私達のグループはあらかじめ与えられた4テーマの中から、「びんの需要を増やす」を発表テーマに決めました。
若手のメンバー達からは前向きでユーモラスな発言が活発に交わされ、その後の発表においても率先して行ってくれて、終始引っ張って行かれた感がありました。
若い人との考え方・感じ方の違い、感心すると共に興味も覚え、改めて色々と勉強になりました。
 私達グループからは、「ガラスびん自体をもっと世間一般広く知ってもらう(TVCM、電車広告等)」売れ筋の有名芸能人を起用してのTVCM(エコCM)など広報活動の更なる強化、「義務教育に組み込む(工場見学をカリキュラムに導入、エコ科目)」子供達にガラスびんの事をもっとよく知ってもらう等々数項目が、最終的にはガラスびん協会への要望事項としてまとまりました。
各グループ共、新たな目線、ユーモラスな発想で発表を興味深く聞くことが出来ました。
それぞれの発表内容について、「ガラスびん協会としても前向きに検討をする」とのお言葉もいただきました。

 今回の研修会に参加させていただき、私なりに感じる事、思う事が多々あり、色々と勉強させていただきました。
また、わたし達の生の声が物事を動かす可能性を秘めている、非常に意義のある場だと思いました。
微力ではありますが、ガラスびん業界の更なる発展の為、これからも頑張って行こうと思います。

 最後に、今回の研修会の開催に際しご尽力された、日本ガラスびん協会の技術委員の先生方々、関係者の方々、大変お世話になりありがとうございました。

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