2023年03月02日
海外情報(2023年2月分)
1. O-I社2022年業績
O-I社の2022年の純売上は前年64億ドル(約8,448億円:132円換算)から69億ドル(約9,108億円)に増加。これは、主に平均販売価格の上昇と販売量(重量ベース)が1%増加した結果としている。税引き前利益は8億5千万ドル(約1,122億円)で前年比4億7千万ドル(約620億円)増加。2023年業績は2022年度とほぼ同様から1%程度の増加と見込んでいる。
■南北アメリカ | |
営業利益: | 2021年の4.56億ドル(約601億円)に対し、4.72億ドル(約1,095億円)に増加。販売価格の上昇がコストインフレを相殺する以上であった結果、正味価格が好調であった。 |
販売トン数: | 1%減少。製品ミックスの改善によって部分的に相殺。 |
■欧州 | |
営業利益: | 2021年の3.71億ドルに対し、4.88億ドル。 販売価格の上昇がコストインフレを相殺し正味価格が好調であったことと販売量(トン数)が4%増加した。 |
出所:o-i.com
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2. ヴェラリア社2022年業績
ヴェラリア社(Verallia)の2022年売上は、前年比25.3%増の33.52億ユーロ(約4,860億円:145円換算)だった。純益は昨年比42.7%増の3.56億ユーロ(約516億円)。
CO2排出削減は2019年比10.8%減で予定どおり。外部カレット使用率は昨年比0.7%増の55.7%だった。
ヴェラリア社のパトリス・ルーカスCEO(Patrice Lucas)は「不安定な環境下・・・前例のないコストインフレにもかかわらず・・・2022年の業績に非常に満足している。」などと述べた。
出所:verallia.com
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訳者注: | 2022年11月にアライド社(Allied Glass)買収で純負債は昨年比1.6倍となったが業績は全ての分野で好調だった様子。 |
3. エムハート社2022年売上は前年比33.2%増
エムハート社の2022会計年度の売上高は前年の3億9,400万スイスフラン(約559億円:142円換算)から5億2,500万スイスフラン(約745億円)に増加。受注金額は前年比10.8%増の、2021年の5億2,200万スイスフラン(約738億円)から5億7,800万スイスフラン(約820億円)となった。2021年に始まった投資の急速な回復は、特にヨーロッパのガラス容器メーカに悪影響を及ぼした高エネルギー価格にもかかわらず、継続した。2023年の売上高見通しは2022年並みになると予想している。
出所:glass-international.com
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訳者注: | エネルギー価格高騰で海外各社も大変だと思うが、最近は、溶解炉も含めて生産効率アップと同時に二酸化炭素排出削減を目的として様々な公的助成も受けつつ古い設備を更新するという報道が目につく。 |
4. 大地震直後のトルコでグラスマンヨーロッパ2023が開催された
2023年2月13日 グラスインターナショナルは、トルコのイスタンブールで開催されたグラスマンヨーロッパ2023について「これまでに無い数の出席者を得て開催されたが会場の雰囲気は抑制されたものであった。」と次のように報じた。
「先週トルコのイスタンブールで開催されたグラスマンヨーロッパ会議で、トルコのガラスメーカーであるシセカムとパークカムがプレゼンテーションを行い、両社はトルコ地震の犠牲者に哀悼の言葉を述べた。」、「このイベントは、トルコ東部での悲劇的な地震の2日後にイスタンブールで開催され、会場の雰囲気は当然のことながら抑制されたものであった。」
出所:glass-international.com
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訳者注: | イベント冒頭で1分間の黙祷が行われると共に地震被災者を支援のため赤十字への寄付が呼びかけられ、主催者が受け取った寄付に上乗せして赤十字に寄付するとのこと。 |
5. オーエンス・ブロックウエイ社がセネット工場を近代化
オーエンス・ブロックウエイ社はニューヨーク州のEDFプログラム(The Empire State Economic Development Fund Program)から助成金280万ドル(約4億円:145円換算)を受け取って同州カユーガ郡セネット(Sennett, Cayuga County)にある工場の炉の更新などを行う。これによって、CO2排出が削減されるとともにエネルギー効率が向上する。またCO2排出が削減されることなどからニューヨーク州が設定しているエクセルシオ-ル・ジョブ・プログラム(Excelsior Jobs Tax Credit Program)から100万ドル(約1.45億円)の税額控除も受ける。
出所:glass-international.com
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訳者注: | オーエンス・ブロックウエイ社は、1988年にO-I社がブロックウエイ社を吸収合併してできたO-I社の100%子会社。セネット工場はニューヨーク州のフィンガーレイク地域のオーバーン市近郊にある工場。グーグルマップから溶解炉2基、4ライン程度の工場にみえる。オーバーン地元のニュースによると2022年5月12日に出火事故を起こしている。古い工場のようで出火事故を機に工場閉鎖もあり得たと思うが、この地域は米国有数のワインの産地で、地域の雇用維持(EDFはこれが主目的)も考慮して助成金などを受けて再建することにしたものと想像する。 |
6. O-I社 テキサス州ウエイコー工場の溶解炉の一つを閉鎖
ウエイコー(Waco, Texas)工場(溶解炉3基、7ライン)は、1944年にO-I社の20番目の工場として発足。長い歴史を持ち、地域経済を支えてきたが、この冬同地域を襲った寒波による突然の停電、ガス供給停止などで溶解炉が損傷した様子で、3基ある溶解炉のうち損傷のひどい1基を無期限に閉鎖。これに伴い、同工場従業員の約25%に相当する90人の従業員を一時解雇すると発表した。なお、O-I社は一時解雇に伴う転職支援を行うとしている。
出所:glass-international.com
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訳者注: | 同工場の主な製品はビール、蒸留酒、清涼飲料水。 また次のURLに掲載された同工場のこれまでの長い歴史は非常に興味深い読み物となっていて、参考に上げる。 |