2023年05月31日
海外情報(2023年5月分)
1. カレット100%のウィスキーびんをバイオ燃料で生産
5月15日 ウィスキーワシュ(the whiskey wash)は、スコットランド北部のスカイ島(Skye)にあるタリスカー蒸留所(Talisker Distillery:ディアジェオ(Diageo)傘下)が、海洋環境保護に取り組むパーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ(Parley for the Oceans)と共に、限定版ではあるがカレット100%+バイオ燃料で生産したウィスキーびんに充填したシングルモルトのウィスキーを発売したと伝えた。同蒸留所としてこの種のびんを使った初の商品。記事によると、びん自体としての炭素排出量は以前に比べ82%削減されている。
出所:thewhiskeywash.com
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2. 米国での水素利用ガラス生産プロジェクトが前進
5月10日付けのグラスインターナショナル誌は、既報の米国五大湖地方でガラス生産に水素を利用するというプロジェクトが一歩前進したと報じた。報道によれば、ガラスメーカとエネルギー供給業者が参加する五大湖地方クリーン水素ハブ連合(GLCH:The Great Lakes Clean Hydrogen Hub coalition)は、米国エネルギー省(DOE)がインフラ投資・雇用法(the Infrastructure Investment and Jobs Act)に基づき地域クリーン水素ハブ創成に準備している80億ドル(約1兆1,200億円:140円換算)からの資金援助を正式に申請した。GLCHでは、オハイオ州、ミシガン州およびペンシルバニア州とインディアナ州の一部をカバーする水素ハブを作るために20億ドル(約2,800億円)の支援を申請している。この水素ハブでは、短期に目標を達成するために、カーボンフリーの原子力発電を利用して水素を生産する予定で、日産100トンを目指している。
出所:glass-international.com
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訳者注: | GLCHはリンデ社を代表企業とし、主要メンバーとしてエナージーハーバー社(Energy Harbor:原発を運転)、クリーブランドクリフ社(Cleaveland Cliffs:圧延製鋼会社)、トレド大学および米国ガラス製造業者協議会(GMIC)などが参加している。正式申請には同地域の州政府、企業、大学等および労働組合などから提案支持の意見書も一緒に提出されている。 本件については、国内でも原子力産業新聞が報道している。(次のURLを参照ください) |
3. アルダー社UKが温暖化ガス排出を抑えた溶解炉を建設
5月18日 グラスインターナショナル誌は、アルダー社がイギリスのドンカスター(Doncaster)にある工場のサイドポート炉を最新の技術を応用した効率の良いエンドポート炉に更新し、燃料ガス使用量を削減することで温暖化ガス排出量を削減すると報じた。更にフィルターを使った排ガス濾過システム(Gas Filtration)を設置し大気汚染物質を現状の工業標準より低減するようだ。この設備更新は、部分的に政府の産業エネルギー転換資金(IETF:Industrial Energy Transformation Fund )からの援助を受けて行われるもの。また、資金援助申請ではグラスフューチャーズから多大の支援を受けたとのこと。
出所:glass-international.com
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4. フラストニク社がハイブリッド炉を建設
スロベニアのステルクラルナ・フラストニク社(Sterklarna Hrastnik )は、同社の蓄熱式エンドポート炉をハイブリッド型(電気ブースト40%以上、取出量170t/d)に更新し、天然ガス使用量を更新前から50%削減し温暖化ガス排出量を33%低減するBEAR(the hybrid regenerative glass furnace)プロジェクトを2022年から開始しており、現在、炉本体の築炉は最終段階にある。電力は再生可能電力を使用する。このプロジェクトはEUイノベーション基金から2.238百万ユーロ(約3.35億円:150円換算)の支援を受けて行われており、2025年第1四半期に完了する予定。
出所:glass-international.com
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訳者注: | 以下のURLに同社の発表が掲載されている。 |
5. グラスフューチャーズとO-Iの連携
5月22日 グラスオンラインはグラスフューチャーズとO-Iが今後の連携を模索していると短く報じた。
出所:glassonline.com
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訳者注: | 数行の非常に短い記事だが、グラスフューチャーズのアストン・フラー事務局長が米国O-I本社敷地内にあるイノベーションセンターを訪問した写真が掲載されている。イノベーションセンターには標準的なびん工場の1/10規模のパイロットプラント(20t/dの酸素燃焼炉1基、成形ライン2)等があり、様々な新技術等の開発等が行われている。 O-I社イノベーションセンターについては以下のURLを参照ください。 |