2023年06月23日

海外情報(2023年6月分)

1. アルダー社 350t/dハイブリッド炉を建設

アルダー社はオベルンキルヘン工場(Obernkirchen:ドイツ)で、同社でネクストジェン(NextGen)と名付けた最大取出量350t/dのハイブリッド炉の築炉を開始した。これにはゾルグ社のクリーンメルター(CLEAN Melter®)が採用されており、本年末に完成する予定。記事によると、この溶解炉は、酸素・ガス燃焼:電気溶融=2:8のハイブリッド炉でアンバーを溶解する。カレット使用率も高く、従来炉に比較してCO2排出負荷を最大60%低減する。また、2030年までには再生可能電力を使用し、次のフェーズ2ではガス燃焼を水素燃焼として更にCO2負荷を削減する予定で、将来的には同社の全工場に拡大するとしている。
なお本事業は以下より資金援助等を受けている。

ドイツ連邦経済・気候保護省:BMWK(Bundesministerium fur Wirtschaft und Klimaschutz (Federal Ministry for Economic Affairs and Climate Action)) およびエネルギー集約型産業における環境保護機構:KEI(Klimaschutz in Energieintensiven Industrien (Climate Protection in Energy-Intensive Industries))

出所:glass-international.com

記事詳細については次のURLを参照ください。

アルダー社の発表は以下のURLを参照ください。

さらに動画が以下にアップされているので参照ください。

訳者注: KEIは2019年に開設され、2021年からBMWKのもとで「産業における脱炭素化」資金調達プログラムを担当し、ドイツのエネルギー集約型産業を気候に優しく持続可能なものにすることを目的としている。
BMWKおよびKEIについてはそれぞれ以下のURLを参照ください。

2. グラスフューチャーズのセントへレンズの研究開発拠点が公式に開所

6月6日 ガラス産業の脱炭素技術開発を行うグラスフューチャーズ(GFL:Glass Futures Limited)は、英国セントヘレンズ(St.Helens)に建設していた研究開発拠点を公式に開所した。開所にあたって、CEOであるカッツ氏(Richard Kats)は次ぎのように述べた。
「世界中の製造業の炭素排出量を削減することは、今日の世界の最大の課題であり、我々はこれまでのやり方を変える必要があります。ガラス産業、より広くは基盤産業(セラミック、鉄鋼、金属、化学、紙、セメント)では脱炭素の必要があり、持続可能なエネルギーを使用し、現在の主なエネルギーである天然ガス使用を避ける必要があり、このことがGFLの存在理由です。そして、創設に携わった方々、会員の皆様、資金を提供して下さった方々、支援して下さる方々に感謝を申し上げます。しかしながら、本日の公式開所は第一歩に過ぎません。」

出所:glass-international.com

記事詳細については次のURLを参照ください。

3. ブッハー・エムハートグラス社マレーシア工場建設開始

6月14日 グラスインターナショナル誌は、ブッハー・エムハートグラス社がマレーシア工場建設の鍬入れ式を行ったと報じた。同工場はマレーシアのスナイ国際空港近くのアイパーク(i-Park@Senai Airport City)に300,000 sq ft(約27,871m2)の敷地を確保し、24百万米ドル(約33億円:140円換算)を投じて建設され、2024年中に完成の予定。

出所:glass-international.com

記事詳細については次のURLを参照ください。

4. 米国GPIの2023クリアーチョイスアワード商品

旧聞に属するが、米国ガラス包装協会(GPI、Glass Packaging Institute)は、4月20日に2023年クリアーチョイスアワード(CCA、The Clear Choice Awards)に選ばれた商品を同協会のHPで紹介した。CCAは1989年から行われている表彰で、ガラスびんを使用して商品ブランドのストーリーを伝え、他の製品とは一線を画すびんデザインの商品を作り、ブランドの持続可能性の目標を支援する注目すべき方法を見つけた商品メーカを表彰している。

出所:www.gpi.org/

2023CCAに選ばれた商品の写真など記事詳細は次のURLを参照ください。

訳者注: CCA表彰商品は4人の独立した審査員からなるパネルによって、各商品カテゴリー別に① デザイン(びん、ラベルおよびクロージャ)、② 陳列効果(shelf impact)、③ ブランドまたは製品の消費者への訴求性(storytelling strength)、④ 容器形状および当該カテゴリーでの斬新性(innovation)の四つの領域を考慮して選ばれる。2023年の商品カテゴリーは次の9カテゴリー:(1) ビール、りんご酒およびフレーバアルコール飲料、(2) 食品、(3) 蒸留酒、(4) ワイン、(5) 非アルコール飲料、(6) 化粧品、フレグランスおよび医薬品、(7) イノべーション、(8) サステナビリティー、(9) 海外会員製品