2023年08月31日
海外情報(2023年8月分)
1. ヴィドララ社がバルセロナで太陽光発電所を立ち上げる
ヴィドララ(Vidrala)社は、3月に開始した太陽光発電自家消費プラントの建設プロジェクトを完了し、バルセロナのカステラールデルヴァレス(Castellar del Vallés )にあるカステラ・ヴィドリオ(Castellar Vidrio)工場で太陽光発電所の試運転を開始した。この新しい太陽光発電所は、年間約8,000MWhのエネルギーを生産する能力があり、年間2,000トン以上の大気中へのCO2排出量の削減を意味する。ノルヴェントエネルシア(Norvento Enerxía)社と共同で推進しているこの自家消費プロジェクトは、同社のクリスノバ(Crisnova)工場で2022年に12MWを設置し年間約12,000トンのCO2の大気中への排出量を削減した事に続く事例。
出所: glass-international.com
訳者注: | 太陽光発電については、発電用パネルの寿命がつきた後の処理方法が確立されていない他の指摘もあるが当面のCO2排出量削減には有効な方法で、ヴィドララ社は積極的に発電プラントを立ち上げている。 記事詳細は以下のURLを参照ください。 ノルヴェントエネルシア社については以下のURLを参照ください。 |
2. O-I社 第2四半期業績は好調
O-I社の2023年第2四半期の純売上高は19億ドル(約2,755億円:145円換算)だった。
アンドレス・ロペス最高経営責任者(CEO)は「より厳しいマクロ環境の中で順調に推移したため、第2四半期の業績は予定を上回る力強い業績を報告できてうれしく思う。良好な正味価格の実現、堅調な業績、および継続的な利益拡大イニシアチブの利益を反映して、需要の低迷の影響を相殺する以上の利益を得て、前年を大幅に改善した。2023年の調整後利益は、好調な執行と業績を踏まえ、前年を大幅に上回ると引き続き予想している。」と語った。
2023年第2四半期の純売上高は19億ドル(約2,735億円)で、主に平均販売価格の上昇と有利な外貨換算により、前年同期の18億ドル(約2,610億円)と比較して増加。販売量(トン単位)は前年比9%減となったが、これは主に消費者消費活動の低迷とバリューチェーン全体の在庫削減によるものだった。
出所: glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
あるいは
3. バイオ燃料による英国ガラス産業脱炭素化
非営利の研究技術組織であるグラスフューチャーズ(Glass Futures:以下GF)は、英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)向けの報告書を公開した。この報告書によると、低品位の廃棄物バイオ燃料は、英国全土のガラスおよびセラミック製造炉および窯を脱炭素化する可能性があることがわかった。
GFが実施した燃焼試験では、低品位燃料(調理油や廃油由来)の熱伝達効率が天然ガスと同程度であること、さらなる調査が必要ですが、ガラスの品質に影響を与えるとは予想されていないことも示された。
出所: glass-international.com
記事詳細については次のURLを参照ください。
報告書は以下のURLより入手できる。
4. カンディル(Kandil)社はエジプトのクレオパトラガラスを買収る
エジプトのカンディルガラス(Kandil Glass)は、食器メーカのクレオパトラガラス(Cleopatra Glass)を買収し、日産を410トン/日から490トン/日に増やした。
カンディル社はカンディルインダストリーズ(Kandil Industries)のグループ会社で、食品および飲料、化粧品、食器用のガラス包装に焦点を当てており、2005年にエジプトで設立された。
同社の生産の約60%は世界中に輸出されており、その大部分はヨーロッパと米国の市場に送られている。
出所: glass-international.com
訳者注: | 同社HPによると、カンディルインダストリーズは創業1865年、1969年に鉄鋼事業を開始しエジプト最大の鉄板メーカとなっている。また珪砂鉱山も所有している。カンディルグラスHPには、ゾルグ社設計の溶解炉(60t/d)1基、コップ等の食器生産ライン1、AISによるびん生産ライン1の第1工場の動画が掲載されている。他に同社HPによると360t/dの第2工場(ガラスびん)がある。 記事詳細は次のURLを参照ください。 カンディルガラス社については以下のURLを参照ください。 カンディルインダストリーズについては以下のURLを参照ください。 |
5. ヴィーガント社などが脱炭素化の公的支援を受ける予定
ウィーガンド社のニコラウス・ウィーガンド氏他は、ヴィーガント社本社で脱炭素ガラス製造について話し合うためにテューリンゲン州とバイエルン州の経済大臣などと会談した。この結果、ドイツ南部のテューリンゲン州とバイエルン州北部のガラス製造業は、エネルギー供給と生産プロセスをより費用対効果の高いCO2ニュートラルなエネルギー源に変換するための支援を受けることになった。
ニコラウス・ウィーガンド氏は「連邦州が産業界との、そして産業界の利益のために、この共同の州を越えたイニシアチブを決定したことを嬉しく思います。現在開始されているこの作業プロセスの結果は、テューリンゲン・フランケン・レンシュタイク地域に拠点を置くすべての企業にとって、ガラス業界をはるかに超えた影響を与えると確信しています。」などと語った。
バイエルン州のフーベルト・アイヴァンガー経済相は、「脱炭素化とエネルギー価格の高騰がこれらの企業を破産させたり、移転を余儀なくさせたりしてはならない。そうでなければ、私たちは、実際に自分たちで生産できる商品を中国や米国から輸入しなければならない。革新的なソリューションと水素、そして競争力のある産業用電力価格は、国際競争力を維持し、ドイツで雇用を確保するための鍵です。」などと語った。
出所: glass-international.com
訳者注: | ドイツは原発を全面停止する一方で天然ガス総供給量の約62%がロシア産(ユーロ圏全体は約34%)。ウクライナ戦争でロシアからのノルドストリームの天然ガス供給が絞られている状況にあり、エネルギー価格が急騰。この影響は大きく、企業努力では対処できないためにこの記事のような対応がとられたように思う。 訳者はエネルギーについて日本はドイツ以上に深刻ではないかと感じており、脱炭素を進める必要性と相まって先行きを懸念している。 記事詳細は次のURLを参照ください。 |