2024年02月27日

海外情報(2024年2月分)

1. グラスマンラテンアメリカ2024

グラスマンラテンアメリカ展示・講演会が2024年5月15日-16日にメキシコシティーにて開催される。この中でアールグラス社(Arglass社)のホセ・ディエゴ・アロザメナ(Jose de Diego Arozamena)CEOが、AI センサーがもたらすガラス工場の革新について『持続可能なデジタル化:現代ガラス生産設備の再革新 Sustainable Digitalization: Reinventing the Modern Glass Manufacturing Facility』というタイトル(仮)で基調講演を予定している。

出所: glassinternational.com

記事詳細は以下のURLを参照ください。

訳者注: 展示・講演会については以下を参照ください。

2. 米国アールグラス社2号炉を新設

アールグラス社(Arglass)は、米国ジョージア州のバルドスタ(Valdosta)工場に、2号炉(490t/d、ハイブリッド型:ガス・電気・グリーン水素燃焼)を建設するための2億3,000万ドル以上(約345億円:150円換算)の資金を確保した。新2号炉は2025年第2四半期の完成を予定している。この工場は、AI統合型のリアルタイムデータ監視、予測モデリング、完全自動化されたクローズドループ製造および品質保証システムを使って稼働する予定。このシステムにより、最大の柔軟性を持って同時に8つの異なるガラス容器タイプを生産し、小規模な生産を可能にし、市場の需要に対する迅速な対応、在庫レベルの低下、金型への投資の削減を実現するとしている。他に、太陽光発電設備(5メガワット)、カレット処理工場、水循環システムなどを設置し、炭素負荷の低い生物起源の原料などを使用する予定。

出所: glassinternational.com

記事詳細は以下のURLを参照ください。

アールグラス社については以下を参照ください。

3. ワインびん軽量化

最近、炭素負荷の削減など環境影響から、どちらかと言えば重いイメージのあるワインびんの軽量化のニュースが出ている。いくつか拾ったので紹介する。

※O-I社エスタンプ(Estampe)

2024年2月14日 パッケイジングインサイト(Packaging insight)は、O-I社がフランス市場向けのエスタンプびんを公表したと報じた。エスタンプびんは質量約390gで、典型的なワインびんの平均質量を大きく下回り、500gびんに比べて炭素排出量(輸送含む)が25%低い。

※ボルドーエアー300G(Bordeaux Air 300G)

アドバイザーワインインダストリーネットワーク(Advisor wine industry network)によると、ヴェラリア社は、ボルデライズシリーズで最軽量となるボルデライズエアー300g(bordelaise AIR 300g)/ボルドーエアー300G(Bordeaux Air 300G)(10.58oz:約312ml)を公表した。

出所: packaginginsights.com他

記事詳細は以下のURLを参照ください。

※エスタンプびん関連

※ボルドーエアー 300G関連

訳者注: 軽量化は、資源使用量や炭素排出負荷の削減につながる。一方で、ワインびん軽量化について様々な意見がある中で、今後、軽量化が著名なブランドにまで拡大するか注目したい。
(ワインびんの軽量化について以下のような記事があるので参照ください)

なお、ワインびんの質量は製品によって大きくばらつくが平均で約500g(720ml)と言われている。
(出所:https://www.vinovest.co/blog/how-much-does-a-bottle-of-wine-weigh

4. O-I社 2023年業績

O-I社は2024年2月6日付けで2023年業績を発表した。

  • 純売上高:71億ドル(約10,650億円/150円換算、前年比約4%増)
  • 出荷トン数:前年比約12%減
  • 税引前利益:6,700万ドル(約100億円、前年8億5,000万ドル(1,275億円)から大幅減少)
    ※各地域別営業利益
  • アメリカ大陸地域営業利益:5億1,100万ドル(約767億円、前年比約8.2%増)
  • ヨーロッパ地域営業利益:6億8,200万ドル(約1,023億円、前年比39.8%増)

O-I社CEOのアンドレ・ロペス氏(Andres Lopez)は「・・・悪化した軟調なマクロ経済をうまく乗り切った・・・、最も厳しい市場環境は過ぎ去ったと考えている・・・バランスシートはほぼ10年ぶりに最高の状態にある・・・売上高と生産量が時間の経過とともに前パンデミックレベルに回復するにつれ、将来の収益が強化されると予測している。・・・」などと述べた。

出所: o-i.com

記事詳細は以下のURLを参照ください。

訳者注: 本年中頃にはケンタッキー州ボウリンググリーンで建設中の新工場が稼働する予定になっている。

5. ヴェラリア社 2023年業績

2024年2月14日付けのヴェラリア社2023年業績の主要な指標は次のようになっている。

  • 売り上げ:3,904百万ユーロ(約6,246億円/160円換算、前年比21.4%増)
  • 調整後EBITDA:1,108百万ユーロ(約1,773億円、前年比28.0%増)
  • 純利益:475百万ユーロ(約760億円、前年比33.7%増)
  • スコープ1および2CO2排出量:5.6% 削減(購入カレット54.1%、前年より1.6ポイント減)
    ※地域別売り上げ等
  • 南および西ヨーロッパ:前年比売り上げ14.2%増(販売数量は減少)
  • 北および東ヨーロッパ:前年比売り上げ18.0%増(主に2022年11月買収のアライドグラス社(現ヴェラリアUK)の寄与が大きい。ロシアおよびウクライナでの事業活動は活発だが状況は不透明で、ヴェラリア社は現地社員の安全を優先させながら現地得意先に供給している)
  • 南米:前年比売り上げ5.5%減(販売量は増加したがアルゼンチンでのユーロに対するペソの引き下げが大きく影響。アルゼンチンを除くとブラジルが好調で5.6%増)

出所: verallia.com

記事詳細は以下のURLを参照ください。

6. ヴィドララ社 2023年業績

主要な業績指標は次のようになっている。

  • 売り上げ:1345.6百万ユーロ(約2,152億円/160円換算、前年比24.1%増)
  • EBITDA:270.4百万ユーロ(約43.3億円、前年比1.0%増)
  • 純利益:153.7百万ユーロ(約24.5億円、前年比1.52%増)

取締役会議長のカルロス・デルクロア氏(Carlos Delclaux)は決算報告書で「2022年は前例のないインフレ圧力の影響を受け、最初から異常な年となった。・・・ヨーロッパのエネルギー価格はロシアとウクライナ間の紛争で高騰・・・2022年全体を通して、当初悪化した利益率が内部のエネルギーコスト緩和策、堅実な製造、野心的な投資計画の効果および販売価格の段階的な適正化の結果徐々に回復・・・びん需要は食品・飲料の強固な基盤とサプライチェーン、消費者の支持で良い状況・・・ガラスびんにはこれまで以上に明るい未来がある。・・・」などと述べている。

出所: vidrala.com

記事詳細は以下のURLを参照ください。