2025年04月25日
海外情報(2025年4月分)
1. ヴィジー社がニュージーランドで年間平均カレット使用70%を達成
2025年4月18日 グラスインターナショナルは、オーストラリアとニュージーランドで事業を営むヴィジー社(Visy)がニュージーランドでガラスリサイクルのマイルストーンに到達と報じた。
カレットを70%使用したVisy社のガラスびんは、温室効果ガスの消費量をカレット0%に比較し最大30%削減できるとし、ニュージーランドはVisy社の事業部門でこのベンチマークに到達した最初の国としている。ニュージーランドのクリストファー・ラクソン首相も、オークランドのガラスびん工場を訪問しVisy社の顧客とともにこのマイルストーンを祝った。
Visy社のCEO Mark De Wit氏は、「ニュージーランドのワイナリーや食品・飲料業界は、ニュージーランドのグリーン電力網と高いリサイクル素材率のおかげで、世界で最も持続可能なガラス包装を手に入れることができるようになりました。」と述べた。
出所: glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
Visy社については以下のURLを参照ください。
訳者注: | Visy社2024年売り上げは全体で前年比3%増の69億豪ドル(約6,210億円:90円/豪ドル換算)。事業分野は、段ボール箱、ガラスびん、プラスチック(rPET、rHDPE)、飲料及び食品缶、包装用クラフト紙、その他と幅広く、特に持続性に力をいれており、自社リサイクル処理工場を持つなど幅広く活動している。 |
2. ホーン社 ガラスの脱炭素化プロジェクトの状況
4月16日 グラスインターナショナルは、ホーン社(Horn)が、ZeroCO2-Glassプロジェクトの一環としてドイツのアーヘンに建設した、2.4 t/dハイブリッド炉(水素オキシ燃焼、天然ガスオキシ燃焼、可変ブースティング)でのガラスびんのCO₂ニュートラルな溶解プロセス開発について最新情報を提供と報じた。このプロジェクトパートナーには、Horn Glass Industries、International Partners in Glass Research(IPGR)、RWTH Aachen、Wiegand-Glasが含まれる。
ハイブリッド炉は、2024年10月28日に稼働し、今年の初めに安定した状態となり、ガラス溶融、成形、製品の品質など多数の基礎データが収集され、現在これらデータを分析中。次のステップでは、ブースター率を変動させ、H2/O2燃焼などはその後となる。
出所: glass-international.com
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訳者注: | 2.4t/dの実験炉の火上げおよび設備の習熟訓練・ホットランテストに2ヶ月かかり、今年1月から3ヶ月間基礎データを収集したようだ。炉はグラスフューチャーズの30t/dよりは小型だが、年内にこの実験炉で行われると推測されるH2/O2での感触はつかめるように思う。 |
3. ポシェット社 縦型全電気溶融炉稼働
4月14日 グラスインターナショナルは、フランスのポシェット社(Pochet du Courval)がギメルヴィル工場(Guimerville)に約4,000万ユーロ(約64億円:160円換算、このうち約9.6億円は公的資金)を投資し、フィヴス(Fives)が建設したプリアム全電気コールドトップ縦型溶融炉(Prium E-Melt 70t/d、エクストラフリント)が稼働と報じた。電力はシャラント(Charente)にある太陽光発電所から供給される。ポシェット社のオペレーションディレクターであるBenoît Marszalek氏は、「電気炉は、高級ガラスびんとしてはフランスで初めてのものです。これは、当社の環境への取り組みにおける大きな一歩であり、当社の運営方法に多大な影響を与えるでしょう。これにより、高級ブランド向けに高度に脱炭素化されたガラスびんを提供し、明日の美を形作ることができます。」と述べた。
出所: glass-international.com
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4. O-I社が戦略的なビジネス変革を提案
4月15日 グラスオンラインは、ここ数年のフランスのガラスびん市場が主にワインの減速により過剰生産能力、激しい競争という課題に直面しており、これらの課題に適応し、長期的な競争力を向上させる事などを目的とした戦略的イニシアチブ「Fit to Win」をO-Iフランス社が発表したと報じた。この取り組みの一環として、O-I 社は、ヨーロッパとフランスの従業員代表との情報提供と協議のプロセスを開始した。この協議では、ジロンクール(Gironcourt)、ピュイ・ギヨーム(Puy-Guillaume)、ランス(Reims)の各工場での操業調整の可能性、ヴェール(Vayres)工場での1つの炉の生産停止の可能性、ヴェルジェーズ(Vergèze)工場の閉鎖の可能性、フランス本社の管理機能の縮小の可能性に焦点が当てられており、同時に、以前に発表した2025年の資本計画に沿って、フランス工場への数百万ユーロの投資も検討している。
出所: glassonline.com
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5. より環境に優しい未来を形作る:低炭素ガラスへの道をナビゲートする
4月2日 グラスインターナショナルは、シュナイダーエレクトリック社がスポンサーとなって作成した『より環境に優しい未来を形作る:低炭素ガラスへの道をナビゲートする』という白書を紹介している。この白書はAndreas Habraken氏とRené Meuleman氏の二人の著名なコンサルタントによる共著で、網羅的な内容で示唆に富む白書となっている。
出所: glass-international.com
記事詳細および白書の入手については以下のURLを参照ください。
訳者注: | 白書は、1859年に物理学者でチンダル現象の発見者であるジョン・チンダル(John Tyndall)氏がCO₂の温室効果(赤外線放射)を証明していることが同氏の写真と共に紹介されている。 |