2025年05月27日
海外情報(2025年5月分)
1. フランス セイヴァーガラス社が炉を閉鎖
5月20日 グラスインターナショナルは、フランスのセイヴァーガラス社(Saverglass)がノルマンディーのルアーブル(Le Havre, Normandy)のツアー・エ・シー(Tourres & Cie)工場の再編計画に伴い2基ある溶解炉のうち1基を閉鎖すると報道した。従業員480人のうち139人が削減される。同社は「これまで18ヶ月稼働を維持し、雇用を守るため運用調整を行ってきたが、ワインや蒸留酒にたいする関税障壁に直面」などと述べている。この一方で、再編プロジェクトにより稼働中の炉の近代化、脱炭素化計画が促進するとも述べている。
出所: glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
Saverglass社については以下のURLを参照ください。
2. ブラジルのアンキエタ社がGHG排出削減投資
5月19日 グラスインターナショナルはブラジルのサンパウロ市内にある、アンキエタ社(Vidraria Anchieta)がGHG排出削減に向け新しい溶解炉を設置、2025年7月稼働の予定と報じた。
出所: glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
同社および同社PR動画は以下のURLを参照ください。
訳者注: | 同社は1955年創業。所在地をGoogleマップで確認すると町中に立地する工場で、工場煙突より高い高層マンションなども隣接し、環境には相当注意を払わなければならないように思える。 |
3. ゲレスハイマー社 酸素燃焼ハイブリッド炉
5月16日 グラスインターナショナルは、ゲレスハイマー社(Gerresheimer)がロール・アム・マイン(Lohr am Main)に、ホーン社による酸素燃焼+高ブースティング(e-Fusion)のハイブリッド炉を導入すると報じた。これにより従来に比べCO₂排出が最大40%削減される。
ホーン社は、同工場にある2基の溶解炉のうち1基の更新作業を2025年1月より開始し5月4日生地流しの予定。
出所: glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
訳者注: | 同記事には炉内部写真もあり、以下の5月14日発の記事によれば、投資額は1億ユーロ(約162億円:162円換算)で、電力供給インフラ、建屋拡張、成形機更新、環境に優しい冷却システムへの更新なども含まれる。以下の記事によれば、同工場使用の電力は現時点70%再生可能電力で、2030年には100%となる予定。 |
4. ゾルグ社がポーランドのガラス工場向け溶解炉建設
5月15日 グラスインターナショナルは、ゾルグ社(Sorg Polsla:旧Techglass)がポーランドのケメティカ(Qemetica:中央ヨーロッパでの有力な化成品製造業者。ソーダ灰、塩、シリケートなどの生産能力は欧州最大)のガラス事業部門であるケメティカグラス社(Qemetica Glass:1846年創設)とポーランドのイウォヴァ工場( Iłowa, )2号炉ハイブリッド化更新および生産ラインの全面的近代化契約を締結と報じた。
出所: glassonline.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
ケメティカグラス社については以下のURLを参照ください。
5. 米国アーグラス社は持続性を優先
5月14日 グラスインターナショナルは、アーグラス社(Arglass)の米国ジョージア州バルドスタ(Valdsta、Geogia)工場では、持続性を優先した設計となっていると報じた。記事によると、水は100%リサイクル使用のクローズドループ。溶解炉(365t/d:6ライン)は酸素燃焼炉で、排出NOXは他地域のガラス工場に比べ82%少ない。原材料輸送等の引き込み線もある。
出所: glass-international.com
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同社については以下のURLを参照ください。
訳者注: | 同社は、フレキシブル生産、効率、持続可能性の三つを創立の原則としている。 工場のあるバルドスタは歴史的にピーナッツ、綿花、タバコ、ブルーベリーなどの農業が盛んで、パルプ・製紙業や木材加工など、周辺の森林資源を活かした林業が盛んな地域。木造船時代は防水に使う長葉松から採取する樹脂が有名。現在でもジョージア州は世界最大のロジン(松脂)などの生産地で、土地柄、工場周辺も林(林業地?)で水質汚染、大気汚染には注意が必要と思える。 |