2025年07月01日

海外情報(2025年6月分)

1. BWGI社によるヴェラリア社株式公開買い付け提案

6月20日 グラスインターナショナルは、BWGI社によるヴェラリア社株式公開買い付け募集の期間は6月23日~7月25日と報じた。BWGI社のオファー価格は1株あたり28.30ユーロ(総額約61億ユーロ:約1兆円/165円換算)。この募集はフランスの金融市場庁(AMF:The French Autorité des marchés financiers)の2025年6月5日付けの承認を受けたもの。

出所: glass-international.com

記事詳細は以下のURLを参照ください。

ヴェラリア社の発表は以下のURLを参照ください。

訳者注: 2015年にサンゴバンから独立したヴェラリア社(ガラスびんでは世界第3位:同社HPによる)に敵対的ではないにせよ、ファンドに買収されるという話。びん協は以前の欧州視察で同社最大のシャロンスルソーヌ(Chalon sur Saône)工場を訪れている。

2. NEG社が英国のガラス繊維工場を閉鎖

6月18日 グラスインターナショナルは、NEG社が英国のガラス繊維事業(EGFU、Electric Glass Fiber UK)を精算し、生産工場であるWigan工場を6月末で閉鎖すると報じた。これにより250名の工場従業員が失職する。

出所: glass-international.com

記事詳細は以下のURLを参照ください。

NEG社の発表は以下のURLを参照ください。

訳者注: 本件はガラスびんの話ではないが、先日NEG社を脱炭素委員会に同行し訪問した事もあり取り上げた。同工場は元PPG社の工場、英国最大のガラス繊維工場。2016年にNEGが買収。
英国ガラス連盟(British Glass)は非常に残念なニュースとコメントしている。

3. ヴェトロパック社 クロアチアの工場に太陽光発電を設置

ヴェトロパック社は、クロアチアのフム・ナ・ストォリ(Hum na Sutli)にあるスツラツァ(Straža)工場の屋根に3基目となる太陽光発電設備(パネル数4,438枚、インバータ25台。年間発電量1899.5Mwh)を設置した。これにより年間約302トンのCO2が削減される。これはMF-2023-1-1-120というプロジェクトで、クロアチア環境保護・グリーン移行省、および環境保護・エネルギー基金から、総額約136.1万ユーロ(約2.2億円/165円換算)のうち約81.7万ユーロ(約1.3億円)の協調融資を受けている。

出所: glass-international.com

記事詳細は以下のURLを参照ください。

4. ドイツガラス協会 コンラート教授を名誉会員に選出

5月26日~28日にかけて開催された第98回ドイツガラス協会( DGG:Deutsche Glastechnische Gesellschaft)会議は、ラインハルト・コンラート教授(Prf. Reinhard Conradt)のガラス科学に対する長年の功績で名誉会員に選出した。同教授は2021年~2024年にわたってICGの会長も務めている。また、ウェニアミン・ユシム博士(Dr. Weniamin Yusim)が、硫黄着色硝子、カレット使用、電気溶融炉の最適化およびDGG技術委員会Ⅲガラスのリサイクルなどの業績に対して、DGGアドルフ・ディーツェル産業賞(Adolf-Dietzel Industry Award)を受賞。そして、バイロイト大学のアメリエ・フェルベルト氏(Amelie Ferbert)らが化学強化びんガラスの洗浄プロセスに焦点をあてたポスター発表でDGGポスターアワードの第1位を獲得した。

出所: glassonline.com

記事詳細は以下のURLを参照ください。

訳者注: この記事を取り上げたのは、ガラスびんの持つ実際的な課題に取り組んできた方々をDGGが評価した点。

5. 米国アーグラス社 酸素燃焼炉を火上げ

6月18日 グラスインターナショナルは、アーグラス社(Arglass)の米国ジョージア州バルドスタ工場の2番目の炉となる酸素燃焼炉(495t/d)が6月5日に火上げ作業に入ったと報じた。同社は創業5年だが、2024年5月より2.2億万ドル(約319億円/145円換算)以上をかけて拡張工事を行ってきている。この投資にはAIR主導の生産システム、戦略的ロボティクスが含まれている。

出所: glass-international.com

記事詳細は以下のURLを参照ください。

訳者注: 先月に引き続きアーグラス社の話題になったが、AIとロボットの導入が今後進むと思われる。

6. 南京電子技術グループがゾルグ社より3基目の炉を導入

南京電子技術グループ(Nanjing Electric technology Group、以下 南京電子)は、長年にわたりゾルグ社の溶解技術を使ってガラス碍子を生産してきた。ここ数年、ゾルグ社はガス燃焼炉とゾルグVSM電気溶解炉を南京電子に設置してきたが、再び、3番目の炉として全電気溶融のゾルグVSM溶解炉を導入し、また、ゾルグ社の上部電気加熱敷のゾルグ社STFフォアハース(含む、スターラ及びConti-Drain)も導入した。
記事詳細は以下のURLを参照ください。

同社については以下のURLを参照ください。

訳者注: ガラス製の碍子の存在をしらなかったので、記事に取り上げた。

7. イギリス 電力系統接続補償を引き上げ

英国ガラス連盟(British Glass)は、英国政府による2026年からの産業戦略で提供される系統接続料金補償が60~90%に引き上げられた事を歓迎している。これにより英国のガラス業界はEUの競合他社と同様の電力価格を得ることができる。
記事詳細は以下のURLを参照ください。

訳者注: 英国政府はIS-8(Advanced Manufacturing、Clean Energy Industries、Creative Industries、
Defence、Digital and Technologies、Financial Services、Life Sciences、Professional and Business Services)と呼ばれる成長産業とガラスを含む基盤産業向けに接続料金の補償金を増額。