海外情報
2025年09月02日
海外情報(2025年8月分)
1. ベータグラス社2025年第1四半期利益前年比600%増加
8月20日 グラスインターナショナルは、ナイジェリアのガラス容器メーカー ベータグラス社(Beta Glass:フリゴグラス(Frigoglass)グループ傘下)は、2025年第1四半期の税引後利益が前年同期比で約600%増加したと報じた。同社はナイジェリアに3工場を持ち、日産720トン・年間6.5億本超のびん・容器を製造し、西・中央アフリカの飲料・食品・化粧品・医薬品市場に供給している。業績改善は、全社的な事業変革戦略の成果によるものとされる。フリゴグラスグループ会長ガギク・アプカリアン氏は、「2024年第4四半期から2025年第1四半期にかけて、売上成長・利益率改善・強力なキャッシュ創出を達成した。」と述べ、2025年以降も高い成長を見込むとした。
需要の背景には、食品・飲料・医薬品・スピリッツ市場の拡大と、ガラス包装への強い嗜好がある。顧客はアルミやPETの使い捨てに比べて「ガラスびんの多回使用(1本あたり10~20回)」の経済性を評価しており、消費者も「飲料の風味」や「マイクロプラスチックの心配がない安全性」からガラスを選好している。
また、同社はオグン州アグバラのGuinea工場で、炉(GF1)のコールドリペアを1,750万ユーロ(約30億円、172円換算)を投資して完了。これにより日産30トン増(年産1.1万トン相当)の増産が可能となった。
出所: glass-international.com
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Beta Glasse社については以下のURLを参照してください。
2. シシェカム社2025年上半期売り上げ
8月18日のグラスインターナショナルによれば、シシェカム社は2025年上半期に、連結純売上高1,010億トルコリラ(約25億ドル:約3,675億円、147円換算)を達成した。
シシェカム社は現在、ハンガリー・カポシュバールにおけるガラスびん工場の建設を進めている。この施設には2基の溶解炉が設置され、年間約39.6万トンの総生産能力を持つ予定である。また、2026年第1四半期にはトルコ・タルススにおけるフロートガラス工場を稼働開始予定である。
出所: glass-international.com
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3. オローラ社 南オーストラリアのガラス炉を閉鎖へ
オーストラリアの包装大手 オローラ社(Orora) は、南オーストラリア州ガウラーの G1ガラス炉を2025年9月に閉鎖すると発表した。また、フランス・ルアーブルの F4炉も2026年に閉鎖予定で、欧州のワイン・シャンパンびん生産はベルギー・グラン工場に集約される。
この決定は、世界的なガラス産業の厳しい事業環境と、オーストラリアの商業用ワイン市場の構造的不振を背景とした生産体制見直しの一環である。ガウラー工場は3炉体制から2炉体制に縮小される。
ガウラー工場はG3炉の改修や酸素プラント建設により投資総額が1.84億豪ドル(約177億円、96円換算)に膨らみ、EBITは2,540万豪ドル(約24億円)と前年から54%減少。一方、子会社サヴァーグラスのEBITも5.5%減の7,920万ユーロ(約136億円、172円換算)だった。G3炉の酸素プラント導入でCO₂排出30%削減、グループ全体でスコープ1・2排出量をFY19比で19〜22%削減。また、2035年までにスコープ1・2を41%削減、スコープ3を31%削減という新目標を出している。
出所: glass-international.com
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4. ゲレスハイマー社 工場閉鎖
ゲレスハイマー社(Gerresheimer)は、ドイツ・バート・ケーニヒスホーフェンの医薬品用ガラスびん工場を年末までに閉鎖する。これにより、90人の雇用が失われる。ゲレスハーマー社は2024年12月、ボルミオリファルマ社(Bormioli Pharma Group)を買収した際に、バート・ケーニヒスホーフェンにあるRemy & Geiser(旧ISO Arzneiverpackungen)の工場を取得していたが、同工場は2021年以来赤字であった。ゲレスハイマー社はこの工場の買収後、6か月以上にわたり集中的な分析を行い、採算性と競争力を回復させる経済的な方法があるかどうかを検討したが、残念ながら、それは不可能だったとしている。
出所: glassonline.com
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訳者注: | ゲレスハイマー社は世界的な医薬品包装メーカーでもあり、注射器・バイアル・カートリッジなどの 高付加価値製品(特にプラスチック製品や複合材料) に注力している。また、単純なガラスバイアルよりも、デリバリーシステム(自己注射器、プレフィルドシリンジ、バイオ医薬対応製品)にシフトする傾向が強まっている。2024年12月に ボルミオリファルマ社(Bormioli Pharma Group) を買収 → ヨーロッパでの医薬用包装の製品ラインを拡大。一方で、収益性の低い小規模・老朽化工場は整理。欧州ではエネルギーコスト上昇や脱炭素投資も加わり、古い工場の収益悪化が進行。欧州市場全体でも「小規模・旧式拠点の淘汰」と「大規模・次世代拠点への集約」が進んでいる。 |
5. サイナーグラス社 ベルギー工場向け資金調達
サイナーグラス社(Ciner Glass)は、ベルギー・ロメルにおける最新鋭のガラスびん造工場の建設を支援するため、5億400万ユーロ(約867億円)の資金調達契約を締結したと発表した。
この大規模投資は、過去10年間でベルギーにおける最大級の外国直接投資のひとつであり、ヨーロッパ市場における持続可能な成長とイノベーションに対するサイナーグラス社の強いコミットメントを示すもの。同工場には日産650トンの能力を持つ大型溶解炉2基設置、合計8本の製造ラインを持つ。約500人の直接雇用を創出し、地域経済およびヨーロッパのガラス容器サプライチェーンに大きく貢献する予定。ロメルの建設工事は急ピッチで進んでおり、工場は2026年第2四半期に稼働開始する見込み。
出所: glassonline.com
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