海外情報
2025年09月26日
海外情報(2025年9月分)
1. ボルミオリ・ルイージ社がライオンガラスでコップを試験生産
ボルミオリ・ルイージ社とペンシルバニア州立大学がイタリア・ムラノのデイタンクでライオンガラス(Lion Glass)を溶融し、合計で150個ほどのコップを試験制作した。Lion Glassは、ペンシルベニア州立大学開発のリン酸系ガラス種。ソーダ石灰ガラスより最大で400°C低い温度(1,150℃)で溶融でき、炭酸塩原料も使用しないので原料由来のCO₂排出も併せてCO₂排出を削減できる。また、耐クラック性の向上といった追加特性も備えている。ボルミオリ・ルイージ社はLion Glassを高級化粧品や香水などのラグジュアリービューティ製品向けのガラスびん製造にスケールアップすることを目指している。
出所: glass-international.com
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Lion Glassについては様々な動画がYoutubeにアップされている。以下はその一例。
特許は以下より参照ください。
訳者注: | 脱炭酸塩あるいは低温溶融ガラスの研究・開発が進んでいるが、例えば、Lion Glass(ライオンガラス)製品が大量に出回り、びんカレットに混入した時の影響調査をしておくべきかと考え、この記事を取り上げた。 |
2. ガラス製造におけるAI
インドでガラス製造における人工知能(AI)とデジタル技術の利用拡大に焦点を当てた会議が開催された。この会議は、インドの業界団体 AIGMF(All India Glass Manufacturers’ Federation)が主催した。会議冒頭、AIGMF会長でAGI Greenpac社CEOでもあるラジェシュ・コスラ氏が基調講演を行い、AIがガラス製造のさまざまな工程にどのように応用できるかを紹介した。この会議は、インド・ムンバイで開催された展示会「Glasspex」で開催され、AIとデジタル化をテーマに8本の論文がGlass Service CZ、Heye International、Iris Inspection machines、Siemens、Celsianなどから報告された。
出所: glass-international.com
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3. ヴェラリア社のCO₂排出削減目標
ヴェラリア社は2040年に向けたネットゼロへの道筋を示し、これがScience Based Targets initiative(SBTi)によって検証された。同社は、2019年を基準年として、スコープ1およびスコープ2のCO₂排出量を90%削減(2040年)することを目指している。同グループは数年来、脱炭素を加速し環境負荷を削減するためのソリューションを展開し、2019年から2024年にかけて、スコープ1および2の排出量を24.7%削減し、工場の3分の1以上が100%再生可能電力で稼働している。
出所: glass-international.com
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4. 第24回VITRUM 2025 ガラス脱炭素会議
Glass On Lineが主催し、イタリア・ミラノで開催された第24回VITRUMにおいて、ガラス脱炭素会議が開催された。午前のセッション「新世代炉のための技術とソリューション」では、炉設計の革新、代替エネルギー源、デジタル最適化に関する最新成果が紹介された。発表は、Glass Service Italy、Stara Glass、Glass Futures、Fives他業界を代表する企業から行われ、炉技術の革新が排出削減と将来に向けた産業の移行準備に不可欠であることが示された。午後のセッション「環境と持続可能性:革新と進展」では、ガラスのバリューチェーン全体にわたる持続可能性に焦点が移された。ここでは、Assovetro、FEVE、他の代表者が登壇し、技術革新とサプライチェーン全体の協働が、業界の差し迫った課題に対する実践的かつ拡張可能な解決策を加速させていることが示された。
出所: glassonline.com
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5. Glass for Europe代表団がEUエネルギー・住宅担当委員を訪問
2025年9月18日、Glass for Europe代表団が、“エネルギーと住宅”を議題にして担当の欧州委員ダン・ヨーゲンセン氏とハイレベル会合を開催した。代表団メンバーは、会長であるダヴィデ・カッペリーノ氏(AGC Glass Europe)を筆頭に、理事のセルマ・オネル博士(Şişecam)、ジャン・リース氏(Guardian Glass Europe)、そして事務局長のベルトラン・カズ氏。
会合では、 板ガラスは脱炭素社会に不可欠だが、業界自体は高エネルギー価格と規制で苦境。短中期的には天然ガス依存が不可避というパラドックスがあること、 欧州の板ガラス産業は国際競合に比べ不利で、過去5年で生産能力の25%を停止しており、高エネルギー価格と炭素コストが大きな問題という競争力への懸念、そして、 バイオガスや水素など代替エネルギーの導入努力は進むが、インフラ不足と高コストが障害といった問題などが取り上げられた。
出所: glassonline.com
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6. インドの業界ベテランがガラスびんのテキストを出版
PGP GlassおよびAGI Greenpacの元オペレーション部門社長であるアショカ・ラオ・マニカラ氏が、インドの業界団体 AIGMF(All India Glass Manufacturers’ Federation)と協力し、容器ガラスのテキストを執筆した。この書籍は『Excellence in Container Glass Manufacturing(容器ガラス製造における卓越性)』というタイトルで、内容は、容器ガラスの製造プロセス、炉の設計と運転、エネルギー節約技術などを網羅している。
出所: glass-international.com
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書籍に関する詳細は以下をご覧ください。
訳者注: | インドのガラス業界は現在興隆期にあるようで、そういった中で発刊された最新の入門書と思え、ここで取り上げた。 |
7. JGBA視察団がアルダー社およびグラスフューチャーズを訪問
日本ガラスびん協会(JGBA)視察団は、ヨーロッパの脱炭素技術の現状視察を目的に、アルダー社リマレ工場(スウェーデン)で再生可能電力を利用した水素電解装置からの水素と天然ガスを混焼し低炭素のガラス容器生産の現状視察、および、同社オーベルンキルヘン工場(ドイツ)でNextGen炉の見学等を行った。また、英国セントヘレンズで低炭素ガラス製造技術を開発しているグラスフューチャーズを訪問し、施設の見学を行うとともに、イノベーション、脱炭素化、国際協力といった重要課題に関して率直な対話を行った。
出所: glass-international.com、glassonline.com
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