海外情報
2025年10月24日
海外情報(2025年10月分)
1. エンサーク社が新しくエネルギー移行ディレクターを任命
2025年10月17日 グラスインターナショナルは、エンサーク社が新しくマーティン・ドハーティ(Martin Doherty)氏を新しい役職である「エネルギー移行ディレクター(Director of Energy Transition)」に任命したと報じた。ドハーティ氏はエンサーク社の脱炭素化ロードマップの策定・実行を統括し、ネットゼロ(二酸化炭素排出実質ゼロ)のガラス生産に向けた取り組みを加速するとともに、全社的なエネルギープロジェクトを推進する。ドハーティ氏は、持続可能性、循環型経済、エネルギー戦略分野で10年以上のリーダーシップ経験を持ち、直近では、北アイルランドの先進持続可能エネルギーセンター(CASE:Centre for Advanced Sustainable Energy)のセンター長を務めた。エンサーク社は今後の脱炭素化プロジェクトとして、水素燃焼炉の導入、家畜排泄物からのバイオ燃料の試験等を予定している。
出所: glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
| 訳者注: | CASEは産学官の橋渡しにより、低炭素技術の社会実装と産業競争力の向上を同時に狙う地域中核ハブ。産業主導(industry-led)の持続可能エネルギー研究センターで、企業の研究ニーズと大学の研究力を結びつけ、共同R&Dを資金面・運営面で支援。クイーンズ大学ベルファスト(QUB)、アルスター大学(Ulster University)とAFBI(Agri-Food & Biosciences Institute)と連携する機関横断組織でグラスフューチャーズと似たところがある。 CASEについては以下を参照ください。 |
2. O-I社がオランダとフランスの工場を閉鎖
10月3日 グラスインターナショナルは、O-Iヨーロッパが、オランダのマーストリヒト工場(Maastrihct:1925年創業 従業員約215人)を恒久閉鎖したと報じた。O-I社は欧州市場低迷による過剰生産能力の整理等を進めており、これはその一環。また、10月15日付け記事で、フランスのヴェルジェ工場(Vergèze:従業員約164名)の炉停止・生産規模縮小について組合と9月に開始した協議が妥結せず、一部組合員が過激な行動をとったために高危険物取り扱い指定を受けている工場(SEVESO-classified facility)の安全が保てないとして同工場を一時閉鎖と報じた。
出所: glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
- https://www.glass-international.com/news/o-i-to-close-maastricht-furnace?utm_source=chatgpt.com
- https://www.glass-international.com/news/o-i-halts-french-glass-furnace?utm_source=chatgpt.com
| 訳者注: | コロナ後のビールやワインなど欧州市場回復状況が思わしくなく、その中でO-I社は「Fit to Win」というプログラムの一環として、余剰能力の削減・製造ネットワークの最適化を図っており、2024年通年で8炉(従業員約1,500名)を閉鎖している。 |
3. 英国政府がシネル社のベルギー工場プロジェクトに資金供与
10月15日 グラスインターナショナルは、英国政府がロンドンに本社を置くシネル社(Ciner Glass)のベルギー工場プロジェクトで英国輸出信用機構(UKEF:UK Export Finance)を通じて約1億ポンド(約190億円:190円換算)の資金を供与すると報じた。主幹銀行はBNPパリバ。対象設備は、建屋2棟(アンバー、グリーン)、原料貯蔵設備・倉庫等他など。
出所: glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
シネル社については以下を参照ください。
| 訳者注: | シネル社はシネルグループの一員。同グループは英国、ベルギー、トルコに製造拠点を持っている。 |
4. ゲレスハイマー社がびん事業売却
旧聞に属するが、8月にゲレスハイマー社(Gerresheimer)は、長年の中核事業だったガラスびん事業を切り離し、「製薬・バイオテク専業のシステムソリューション企業」へと完全転換を図ると発表した。ガラスびん事業は独立体制での成長を期待されており、近く正式な売却プロセスが始まる見込みで、詳細は2025年10月15日のキャピタル・マーケット・デーで報告される見込。
出所: glassonline.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
5. ヴィーガント社の太陽光発電設備
10月20日 グラスオンラインは、ヴィーガント社(Wiegand)グロスライテンバッハ(Großbreitenbach)工場の倉庫屋根に設置された18,000枚超のPVパネルによる太陽光発電(7GWh/年)が5月末に順調に稼働したと報じた。
出所: glassonline.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
| 訳者注: | 記事掲載の写真をみると倉庫屋根にびっしりとPVパネルがのっている。最近の高出力PVパネル(600w程度)でもその重量は1枚(210cmx115cm程度)で約30kg程度、メガソーラに使用されているパネルはもっと大きくて1枚100kgはあると聞いていて、18,000枚も倉庫屋根によくのせられたものだと感心した。 |
