2016年01月12日

日本ガラスびん協会研修会に参加して

石塚硝子株式会社
長町 直行

 この度、受講者を代表し研修会レポートを作成する機会をいただきありがとうございます。今回の研修に参加されたメンバーは積極的な方が多く、我こそはと思われていた皆さんには大変申し訳ありません。また、取り留めのないレポートかと思いますがご容赦をいただきますようお願いいたします。

 今回の研修会では色々と考えさせられることがありました。一連の講義を伺いながら、私の思考は5年先の東京オリンピックの年(2020年)に想いを馳せていました。その頃の世界情勢はどのようになっているのだろうか? 我が国の産業はどうあるべきか? そして、ガラスびん業界はどのようになっているのか? など様々な想いが過ぎります。このままでは研修レポートが超大作になってしまいますので、話は元に戻したいと思います。

講義内容は
講義Ⅰ:①日本ガラスびん協会の取り組み ②近年のガラスびんの動向(講師:吉永専務理事)
講義Ⅱ:技術委員会の取り組み(講師:岩本技術参与)
講義Ⅲ:「SAKEの世界マーケットとガラスびんの役割」(講師:喜多常夫氏(きた産業株式会社 社長)

講義Ⅰ で話された近年のガラスびんの動向では、ガラスびん出荷の3割を占める酒類が前年に続き本年も前年クリアの見通してあることに特に関心をもちました。ガラスびんの出荷を活性させるうえで、酒類に採用されることが大きなカギであると感じたものです。
講義Ⅱ 技術委員会の取り組みに関しましては、関係法令への対応や品質規格に関する話でした。私は営業職のなかで日々の業務で接することの少ない部分ではありますが、こうしたことを考え実行できる優秀な人材を得るためにどうすればよいのか?後述するディスカッションの中で話し合われたテーマのヒントとなりました。
講義Ⅲ SAKEの世界マーケットについての話は、海外事情について大変勉強になりました。中でも海外で消費される「サケ」に占める外国産の比率の高さに驚いております。日本の酒造メーカーが資本や技術参入をしているメーカーも多いようですが、なるべく本国で生産された日本酒が海外で消費されることが「うまい」日本酒の評価を高め、ひいてはガラスびんの販路拡大につなげられるのではないかと感じました。東京オリンピック開催決定により世界的に関心が高まる中、酒蔵を中心に今後輸出を強化したいと考えるメーカーも多いようであり、我々の製品開発がどうあるべきか顧客ニーズを理解するうえで海外の状況を知っておくことは重要と感じ、大変役立ったと思う次第です。

 講義の内容については、我々が日ごろ市場で感じていることを再認識する機会となりました。特に海外情報については、ガラスびんをベンチマークする上において、新たな認識や知識となりました。

 その後の3グループに分かれてフリーディスカッション、二日目はそこで決めたテーマに沿って、各グループからの発表という流れで展開していきます。
一連の講義を受けて、頭の中に情報をアップデートして、グループ別討議に入りました。各グループ共に共通していたテーマは、消費者の方々にどのようにしたらガラスびんの良さや素敵なイメージを持ってもらえるかということでした。
私のチームでは、次の2点をテーマに様々な方向や自由な発想の中から議論は白熱し大いに盛り上がりました。
①一般消費者へのガラスびん認知度の向上について
②ガラスびんのイメージアップについて

 私たちが作るガラスびんは中味が入って製品として完成します。消費者が求めるものであれば、中味メーカーさんにも採用いただけるはず。ならばガラスびんを通して、消費者の購買意欲に繋げるため何が出来るのかついて様々な意見や考えが飛び交いました。「ガラスびんってカッコイイ!」とか「外国人観光客にCOOLと言わせよう」とか、枠にとらわれない自由な議論が白熱していきます。
やがては、「消費者の方々はガラスびんに協会があることを知っているの?いや知るわけがない!」といった意見まで飛び出します。大胆な発想がブームを創るではありませんが、日本ガラスびん協会が火付け役となりブームの発信基地として活動してはということになりました。
 まずは形からということで、活動拠点となる事務所をアニメ文化の発信地である東京秋葉原に移し、ガラスびんキャラクターやグッズを作ってイベントもやって盛り上げよう等など色々な意見や考えが出てきます。ガラスびんはカッコいいが呼び水になり消費者の購買意欲が高まることにより業界に就職したいという若者が増えて優秀な人材が集まり技術的にも素晴らしいガラスびんが開発され業界が活況に繋がる壮大なプランが完成することになりました。
 業界各社の皆さんとガラスびんのブーム到来を期待しつつ自由闊達な意見交換を通し、ガラスびんを考える機会をいただきましたことに感謝すると共にこの場をかりお礼申し上げたいと思います。
これからも業界に身を置く者として、力の限りがんばります!

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