2013年10月09日

海外情報(2013年9月分)

1.O-I社 2013年第2四半期(4~6月)業績公表

 売上高は17.8億ドル、ほぼ前年同期比並みであった。
 売上量は1%減少した。欧州・北アメリカでの天候不良、南アメリカでの経済問題等が、ビールの消費不振を招いた。世界的なワインの好調、東南アジアの全般的な消費上昇が補ってくれた。
 世界的な価格上昇が、コストインフレをカバーしてくれた。
 本四半期の営業利益は267百万ドル(前年同期とほぼ同等)であった。欧州とアジア太平洋地区は良好であったが、南米は窯修繕が多く、足を引っ張った。
 Stroucken会長の展望。「低成長の中、環境問題をより重視する。地域別では、北米は安定、欧州は再編、南米はスローな拡大を目指す。ブラジルとオーストラリアの逆風は予想以上である。我々は収益性改善のため、構造的コスト低減・資産運用の効率化・経営の即時対応を目指す。
 特に、本半後半では売上数量の拡大を目指す。このため欧州ワイン市場を回復したい。」
(Source: O-I ホームページ)

2.GPI 2013年Award受賞作品公表

(1)通常の内容別部門賞
 ①ワイン ②蒸留酒 ③ビール ④飲料 ⑤食品 ⑥化粧品
 ⑦Conversion賞(容器を他素材からガラスに代えて成功した商品)
  需要先はMcCormic Distilling Compasnyで、ウォッカの容器をプラスチックから、ガラスに変えて成功した。
 審査員は、Virginia Tec University 教授、有名レストラン・バーのバーテンダー長など異色の人を含み5人。
(2)President’s Choice Award
 現GPI President Lyn氏が選び、3作品に与えられた。技術革新、持続可能性の面で顕著な功績が認められた製品である。
(3)the winner of the People’s Choice Competition
 選択は、1週間、FacebookのGPIのページの上で行われた。

 受賞作品10種の製びん会社別は、O-I 4種、Verallia North America 3種、Ardah North America 2種、Vitro 1種とグローバル企業の寡占である。
 これらのガラスびん入り商品は、現在Las Vegasで開催中の PACK EXPOで展示されている。
 なお、受賞作品の写真と説明文はこちらをご覧ください。
(Source:GPIホームページ)

1. Quinn Glassについて

 Feve news 2013年3月号に、次のような記事が出ていた。
 Quinn Glassは、そのBottling 部門を“Covevco”と命名した。当社は製びん部門と、隣接してBottling部門を併設するユニークな企業である。(イギリスは葡萄の生産国ではないので、フランスなどの国からびん詰ワインを輸入していた。そのワインをバルク輸入し、自国内で製びんとBottlingをすれば、省エネになるとの発想に基づいていると思われる)
 “Covevco”の事業は順調に軌道に乗っている。21.6千㎡の敷地に、Krone壜詰機5ラインを設置し、ラベリング・格納倉庫等も完備している。1週間に5千キロリットルのワイン・ビール・飲料等を詰める能力を持っている。200名を雇用している。AB Inbevなどの国際的有力企業を顧客に持っている。
(FEVE news Mar. ’13- Source: glassonmeb.com)

【訳者注】
Quinn Group は、アイルランドの富豪Sean Quinn氏が創業し、欧州全土に、セメント・採石・建材・ホテル・化学・保険など多くの業界に亘り事業を展開した巨大グルーで、2008年のグループ売上は22億ユーロを超えていた。Quinn Glassは、その一部門として1998年に創業し、第1工場を北アイルランドに、第2工場をイングランドサイドに建設した。このグループのガラスびん業界への参入を業界は好まず、工場は環境基準を充たしていないなどのクレームを関係官庁に訴えていた。このニュースは当時(2005年)Feve newsに報じられたことがあった。当社の概要を知りたくFeve事務局に紹介依頼したが、会員企業ではないので不明との回答であった。
今年、Feveのホームページの会員一覧表に当社が記入されていることを発見した。
上記の記事もそれを契機に掲載したと思われる。

インターネット上で、「Wikipedia」が社歴等を詳細に報じている。
それによると「Formerly privately owned ,now in administration」とあり、2010年、創業者Sean Quinn氏は破産宣告をうけ、グループは主取引銀行の管理の下で再建手続きが行われた様子である。その後の経緯等の記載はない。
Quinn Glassのホームページは、現況について詳細に掲載され、順調に経営されている様子で、イギリス有力製びん企業になっているものと思われる。