海外情報
2026年07月22日
海外情報(2026年7月分)
1. ヴィーガント社 エコ2ハイブリッド炉
ヴィーガント社(Wiegand-Glas)は同社のシュタインバッハ・アム・ヴァルト工場に、ドイツ国内では初となる酸素燃焼ハイブリッド(電力最大70%)のエコ2溶解炉(Eco2 Furnace:以下Eco2炉)を設置する。これは、ヨーロッパで初めて、1日あたり400トンを超える溶解能力と最大90%のリサイクルガラス含有量を組み合わせたものとなる。これによりリサイクルの可能性が最大化され、ガラス生産における循環型経済の推進が期待できる。同社のオーナー兼CEOであるニコラウス・ウィーガンド氏(Nikolaus Wiegand)は次のように述べた。「このハイブリッド炉は、びんガラス生産の脱炭素化に向けた決定的な一歩。このプロジェクトは単なる技術的節目であるだけでなく、未来への戦略的な一歩でもある。Eco2炉で実務経験を積み、その後、グループ全体でハイブリッドおよび完全電気溶解炉を導入し、食品・飲料用ガラス包装の気候に配慮した生産におけるリーダーシップを確立することを目指している。」
出所: glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
https://www.glass-international.com/news/germanys-first-hybrid-melting-furnace-receives-funding
又は
https://www.wiegand-glas.de/en/news/2026-06-26%20Eco2Furnace
| 訳者注: | ヴィーガント社のHP記事によれば、Eco2炉は、ドイツ国内では初となる酸素燃焼ハイブリッド炉(溶解量:420t/d、色調;緑)。このプロジェクトは2025年12月1日開始、2029年6月30日完了予定となっている。同社HP記事ではこの新設炉(炉番号:15W4)はパイロット炉としいる。公的資金(約2,358万ユーロ/約43.6億円:185円換算)の助成も受けている。 Eco2炉は先行しているアルダー社Nextgen炉(350t/d)の次世代炉と位置づけができるが、炉体メーカ等は検索してもヒットせず。 |
2. ゲレスハイマー社 初の持続可能性報告書を発表
ゲレスハイマー社(Gerresheimer AG)が2025会計年度の非財務持続可能性報告書を発表した。
それによると、同社は2019年と比べてスコープ1およびスコープ2のCO₂排出量を31%削減し、再生可能エネルギーからの電力比を総電力消費率の54%に引き上げた。他に、労働災害率(LTIR)では、従業員が欠勤する労働関連の怪我や病気の頻度を測定しており、約63%改善、としている。
同社のCFOウルフ・レーマン氏は次のように述べた。「2025年の非常に厳しい会計年度にもかかわらず、主要な持続可能性指標を大幅に改善し、初めてCSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive:EUの企業持続可能性報告指令)に沿った持続可能性のパフォーマンスを報告した。弊社の目標は、お客様が持続可能性を高める道を歩むのを支援すること。これには持続可能な製品オプションだけでなく、透明性のある報告も含まれている。」
出所: glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
https://www.glass-international.com/news/gerresheimer-publishes-first-voluntary-sustainability-report
| 訳者注: | 同社の報告書は以下のURLから入手可能。 https://www.gerresheimer.com/en/investors/investors-and-analysts/publications/reports |
3. BAグラス、持続可能なプログラムのために2,500万ユーロを確保
ポルトガルのBAグラスは、バンクインター・ポルトガル(Bankinter Portugal)と共同して資金使途特定型の2,500万ユーロ(約46億円:185円換算)規模の持続可能にむけた商業手形プログラムを正式に設立し、短期資金を確保した。このプログラムは、BAグラスの気候移行とESGパフォーマンスの加速を目指している。この持続可能に向けた資金調達の一環として、BAグラスは水効率と温室効果ガス排出削減に焦点を当てた2つの独立検証済みの主要業績評価指標の達成を約束した。
BAグラスグループのCFOペドロ・マッカーシー氏(Pedro McCarthy)は次のように述べた。「BAグラスの資金調達の90%以上がESG基準に基づいており、この事業は私たちのこれまでの道筋と明確な目標のさらなる一歩を反映している。将来的にすべての資金がこれらの原則に沿って進められることを確実にし、持続可能な成長への完全なコミットメントを強化する。」
また、バンクインター・ポルトガルのカントリーマネージャー、アルベルト・ラモス氏(Alberto Ramos)は次のように述べた。「このBAグラスとの事業は、持続可能性を事業の中心に据えることにコミットする企業を支援するバンクインターの戦略を強化している。気候移行を支援する金融ソリューションを提供することで、責任ある実践の採用とより持続可能な経済モデルの開発を促進しており、これが、私たちが企業と共に歩み続けたい道である。」
出所: glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
https://www.glass-international.com/news/ba-glass-secures-eur25-million-for-sustainable-programme
| 訳者注: | BAグラス社は非上場企業で、その売り上げ規模等は明確ではないが、欧州でヴェトロパック社と共に第5位グループを形成していると推定されている。 同社HPでCEO ティアゴ・モレシア ダシルバ氏( Tiago Moreira da Silva)は「すべての産業の未来は持続可能性によって形作られるべきだ。」というメッセージを寄せ、「BAグラスでは、持続可能性が数十年にわたり私たちの歩みの中心であり、戦略を形作り、イノベーションを推進してきた。目標は明確で、2050年までにカーボンニュートラルを達成すること。現在、私たちはすべての事業を100%再生可能エネルギーで賄い、スコープ2の排出を排除していることを誇りに思っている。過去4年間で、スコープ1および2のガラス生産による排出ガスの21%を削減した。しかし、私たちのコミットメントはここで終わらない。最先端技術と顧客、サプライヤー、外部団体との強固なパートナーシップを通じて、サプライチェーン全体でカーボンフットプリントを削減し、より環境に優しい未来への道を切り開いている。」と述べている。 BAグラス社については以下のURLを参照ください。 https://www.baglass.com/ |
4. EU市場における包装容器の大部分はガラス(重量ベース:推定値)
欧州委員会合同研究センター(JRC:Joint Research Center)の最近の報告書は、2011年から2025年の間に19のEU諸国で市場に投入されたガラス、プラスチック、金属、紙などの包装材料を推定している。2024年の一人当たり包装量98kgのうち、ガラスは75%を占めていた。
出所: glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
https://www.glass-international.com/news/glass-makes-up-majority-of-packaging-material-on-market
| 訳者注: | このJRCレポートは2026年7月に公表されたばかりで、従来のEurostat統計とは目的も算定方法も異なる。両者の違いは、Eurostat統計は、EU加盟各国の政府機関が、国内の生産・輸出入データや、拡張的生産者責任(EPR)スキーム(各企業からの報告)を元にまとめたトップダウン方式の公式統計で、飲料包装といったカテゴリーでの集計ではなく、飲料包装以外の工業用包装も含めた素材別に括ったデータ、これに対して、JRCレポートは市場調査会社(Euromonitor International等)の製品販売ボリュームデータ(例:〇ミリリットルの飲料が何本売れたか)に、JRCが独自に調査・設定した「容器1個あたりの平均重量係数」を掛け合わせるボトムアップ方式で推計する新しい「市場投入包装量」の評価モデルで、少し極端に言えば、ガラスは過大評価されている。今回のJRCの報告書は以下より入手可能。 https://op.europa.eu/en/publication-detail/-/publication/b17be87d-7751-11f1-bf5e-01aa75ed71a1/language-en |
5. イタリア 2025年ガラスびんは前年比4%増で好調
イタリアガラス産業協会アッソヴェトロは(Assovetro)、総会でイタリアのガラス産業全体の2025年の好調な業績を報告した。同協会は、2025年は米国の関税、金融緊張、戦争などの地政学的複雑さにもかかわらず、業界にとって好ましい結果と報告している。
ガラスびんの生産は450万トンを超え、前年比で4%増加した。Close the Glass Loopの最近のデータでも、イタリアのガラスリサイクル率は82.1%に上昇した。アソヴェトロ会長職を今年退任するマルコ・ラヴァシ氏は次のように述べた。「2025年は国内産業にとって好調な結果をもたらし、生産能力の面でヨーロッパ初の製造と新工場建設に賭けている製造の堅実さを示した。一方でヨーロッパ(の他の地域)は工場を削減している。しかし、この分野は複雑な産業的、環境的、戦略的な課題に直面しており、2026年前半には安心できる兆候が見られない。ペルシャ湾での紛争により石油・ガス価格が上昇し、我が産業の原材料であるエネルギー価格が近年最高水準に再び上昇し、競争力とエネルギー転換を危険にさらしている。」
出所: glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
https://www.glass-international.com/news/assovetro-reports-positive-year-for-italian-glass-industry
| 訳者注: | アソヴェトロについては以下を参照ください。 https://www.assovetro.it/lassociazione/ |
