海外情報
2026年08月28日
海外情報(2026年8月分)
1. アルダー社 アンモニアヒートポンプを導入
アルダー社(Ardagh Glass Packaging-Europe:AGP-Europe)は、ドイツのオベルンキルヘン工場(Obernkirchen)で、工場の熱供給を従来方式から電気駆動のヒートポンプ方式へ転換するプロジェクトを進めている。新システムはラインエネルギー社(RheinEnergie)と共同で構築され、主な内容は、①アンモニアを冷媒とするヒートポンプ2基(911kwx2)、②新しい温水供給システム、③廃熱回収システム、④4基の徐冷炉から出る温かいプロセス空気の回収、包装工程への利用で合計約3.5 MWthの熱出力。2026年11月の全面稼働を予定している。
従来オベルンキルヘン工場では、通常型ガラス溶解炉の高温燃焼排ガス(hot flue gases)の熱を利用して蒸気を発生させ、その蒸気を工場の熱源として利用していた。しかし、同工場にNextGen炉が導入されたことに伴い、この従来型の熱供給方式を廃止し、電気駆動ヒートポンプによる熱供給に切り替える。NextGen 炉自体も再生可能電力を大幅に利用するため、工場全体としてCO₂排出量をさらに削減する狙いがある。
出所: glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
https://www.glass-international.com/news/ardagh-plans-to-build-electric-heat-pump-system
| 訳者注: | 排ガス保有熱の再利用は脱炭素に向けて重要な項目の一つ。しかし、NextGen炉のように溶解炉を電化・ハイブリッド化すると、従来「当然存在していた大量の高温燃焼排ガス」が減少し、その結果、これまで排ガスボイラーで作っていた蒸気・温水を別の方法で供給する必要が生じる。オベルンキルヘン工場では、その解決策として低~中温廃熱+大型ヒートポンプ+電力を採用したと思われる。ただアンモニアは劇毒物なので、導入にあたってはその点留意の必要がある。 共同するラインエネルギ―社(https://www.rheinenergie.com/)には訳者の環境ではなぜか接続できず、以下はAIで確認した概要。 ラインエネルギー社は実質的にケルン市が保有する会社で、「産業・地域熱供給を、ガス燃焼から電気+廃熱+大型ヒートポンプへ転換する」ことを主要な成長事業の一つとしている会社。 現在はドイツ全土で事業を行っており、電力、天然ガス、地域熱供給、蒸気、水道に加え、企業・産業向けのエネルギーソリューションを提供している。会社規模は現在、同社単体で従業員約1,700人、グループ売上高約64.9億ユーロ(約1.2兆円:185円換算、参考:東京電力ホールディングスの2026年3月期売上高は約6.3兆円)。電力販売量約15.1TWh、天然ガス約6.0TWh、地域熱約1.63TWh、蒸気約0.47TWhというかなり大きなエネルギー事業者。 |
2. 米国カーディナル社 板ガラスで世界初となるCCUS設置計画を発表
2026年8月13日 グラスオンラインは、カーディナル・グラス・インダストリーズ(Cardinal Glass Industry)が、米国ワシントン州ウィンロック(Winlock、Washington)にあるカーディナルFGフロートガラス工場に、世界初の炭素捕集設備(CCUS)を設置すると報道した。これはウィンロックプロジェクトを呼ばれ公的資金援助を受けていない。システム運用は2029年第1四半期に予定されている。CCUSはイタリア・パドヴァのK2-CO₂社との共同によるもので、核となる炭素捕集技術は同じイタリアのジャンマルコ・ヴェトロコーク(Giammarco Vetrocoke)社によるもの。年間約130,000トンのCO₂回収が予定され、対象となるフロートガラス製造プロセスから最大95%のCO₂を除去するよう設計されている。
出所: glassonline.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
https://www.glassonline.com/cardinal-glass-worlds-first-float-glass-carbon-capture-installation/
| 訳者注: | カーディナルガラス社は1962年に複層断熱窓ガラスの製造からスタートし、2021年にAGC北米社を4.5億ドル(約698億円:155円換算)で買収、現在49拠点、従業員1万人の会社。同社については以下のURLを参照下さい。 https://www.cardinalcorp.com/company/history/ また同社フロート板ガラス工場の脱炭素については以下のURLから動画を参照ください。 https://www.cardinalcorp.com/technology/sustainability/decarbonizing-cardinal-fg-float-glass/ 共同するK2-CO₂社については以下を参照ください。 https://www.k2-co2.com/dobby 核となる脱炭素技術については以下のジャンマルコ・ヴェトロコーク社のURLを参照ください。 https://www.giammarco-vetrocoke.com/about/ |
