2016年07月20日

海外情報(2016年7月分)

1.O-I社がCserpes Sajtmuhely社(ハンガリー)向けに独占供給

 O-I社は、熱烈なフォロアーを持つハンガリー有数の酪農製品サプライヤ-Cserpes Sajtmuhely社とパートナーシップを結び、健康で非アレルギー性乳製品のための新しい市場を開拓した。
O-I社はCserpes Sajtmuhely社の無乳糖ミルクやヨーグルト向けガラスびんをチェコのDubi工場で生産し独占的に供給する。

 出典: FEVE NEWS Letter June 2017-No.451 / 元出所 packagingtoday.co.uk

【訳者注】
 2014年にびん協は、O-IヨーロッパのDubi工場をリニューアル直前に訪問している。

2.Air Products社が韓国Techpackソリューション社に2番目の酸素燃焼装置を設置

 よく知られているように韓国の電力料金は民生・産業用ともに政府によって非常に安価に抑えられている。最近、Air Products社は韓国での最大のガラスびんメーカであるTechpackソリューション社に、最新技術であるCleanfire®HREバーナーを設置すると同時に炉制御の強化などを行う。HREによって窒素酸化物排出量を50%削減、10~20%の省エネなどの他、約25%の生産性とガラス品質の向上というメリットがあるとしている。

 出典: Glass online.com

3.アイルランドのC&Cグループが台湾でアイリッシュサイダーのMagnersを販売

 現在、台湾はアジアにおける最大のサイダー市場となっていて、その規模は年間2万hlを超え、年間ベースで69%成長している。C&C社のMagnersブランドは、アイリッシュサイダー(アルコール4.5%)では世界のNo.1と言われているが、サンミゲル社とパートナーを組んで、台湾でのMagnersブランドの販売拡大を促進する。

 出典: FEVE NEWS Letter July 2016-No.451 / 元出所 foofbev.com

4.REACHに内分泌攪乱物を禁止物質として追加掲載するかどうかの見直しが完了

 国内では過去の話のようになっている内分泌攪乱物質についての議論だが、EUでは継続して検討が続いている。EU議会のあるブリュッセルでは、「安全な閾値」は存在しないという理解の下、REACHに内分泌攪乱物質を追加掲載するかどうかについての見直しが完了し、追加掲載するかどうかの判断がなされるようだ。仮に、禁止物質の附属書XIVリストに追加されたら、社会経済的便益が健康や環境へのリスクを上回ることが示されない限り、継続使用することができなくなる。

 出典: FEVE NEWS Letter July 2016-No.451 / 元出所 endseurope.com

5.欧州委員会が吸入性結晶シリカ(粉塵)を発がん性物質及び変異原指令に追加を提案

 欧州委員会は、癌の原因となる化学物質から労働者の保護を改善するために発がん性物質及び変異原指令2004/37 / ECへの変更案を提案した。これには13種類の物質への曝露に対処することを提案しているが、破砕や研削によって発生する粉塵を意味する吸入性結晶シリカ(RCS)が入っている。

 出典: FEVE NEWS Letter July 2016-No.451 / 元出所 legislationupdateservise.co.uk

【訳者注】
時々シリカは発がん性物質なのですか、という質問をいただくことがあるが、上記の記事で判るように、これは粉塵についての話で誤解のないようにしたい。また、シリカに限らず、粉塵吸入により硅肺といった健康被害を防止するために、マスクを着用して作業するなど、労働安全衛生の観点から必要な対応をとらねばならないことは良く知られている。