2015年12月15日

海外情報(2015年12月分)

1.EUの容器包装廃棄物目標

 2015年12月2日付けで欧州委員会は、循環経済を進めるための新しい行動計画ついてプレスリリースを配信した。民間のENDSEUROPEが出した同日付の概要によれば、2030年の包装廃棄物リサイクル目標(出荷量に対する回収量:重量基準)は、前回目標の80%から75%に引き下げられ、各包装素材別の目標は下記表のとおりとしている。また、プラスチックに対する2030年目標は設定されていないが、行動計画にはリサイクル性能、生分解性能および危険物質に対する戦略が含まれており、EU各国の進捗状況によって見直す、となっている。

包装素材 2025年 新目標 2030年 新目標 2030年 旧目標
アルミ 75% 85% 90%
厚紙および紙 75% 85% 90%
75% 85% 90%
ガラス 75% 85% 90%
60% 75% 80%
プラスチック 55% 設定なし 60%

 

 これについて、FEVEは「ガラス容器に対する目標は野心的なものだが、業界はこの目標に挑戦する準備ができている。最新の統計によれば、既に73%がリサイクルのために収集されている、残る30%が収集されていないので、この貴重な資源をガラスびんに戻すのが業界の目標」としている。

出典:FEVE NEWS Letter December 2015-No.444、endseurope.com
   European Commission – Press release IP-15-6203-EN

2.Stoelzle Glass社のMacallan Reflexionが英国2015年ガラス容器包装賞を受賞

 2015年11月11日 ロンドンのホテルで、今年で10回目となる英国包装賞(2015Packaging Award)の授賞式が開催され、2015年ガラス容器包装賞(プレミアム部門))をStoelze Glass社のMacallan Reflexion注1が受賞した。同部門の優秀賞(Highly Commended)には、Ardagh社のStar of Bombay注2が選ばれた。また、常用部門(everyday)ではArdagh社のHarrogate Spring Wate注3が選ばれた。

 

3.O-Iヨーロッパ社は、アールデコ様式のウォッカのボトルを開発

 2015年12月7日付けのGlass International Weekly NewsはOIヨーロッパ社がアールデコ様式の八角形のプレミアムウォッカボトル、Lux Black Labelを開発し、スコットランドのアロア工場で製造していると報じた。OI社では最高の視覚的効果を得るために、このボトルをエクストラフリントで製造している。
Lux社は英国のエセックス州EPPINGに拠点を置き、長い歴史を持つLux Copper House社(以下Lux社)が生産・販売している。同社では、流行に流されることがなく、長期的な成功を目指し、伝統的な外観を強調するために豪華な装飾紙ラベルを使用している。OI社はLux社と緊密に連携をとり、このボトル開発プロジェクトを進め、その結果はOI社のフレキシビリティーを示す良いモデルになったとしている。

 

4.世界初のLEDボトルキャップ『Illmicap;イルミキャップ』が2016年に発売される

 2015年11月5日 FoodProduction.comは、東京のキリングループF&B社がWHITE社(目黒区)と共同し、世界初となるインターネットを物とをつなぐIoTを使ったLEDボトルキャップを開発した、と報じた。
このプラスチックキャップにはLEDとブルートゥースのモジュールが組み込まれており、スマートフォンで感知した音楽や動きを感知し、LEDからの様々な色の光によってボトル全体が光るすようになっている。
キリン社では、2016年末の上市を目指している。また、WHITE社が販売ライセンスを所有する。

出典:Foodproduction daily.com
   詳細はhttp://www.illumicap.com/を参照。
   (株)WHITE社についてはhttp://255255255.com/を参照下さい。

【訳者注】
この記事は、本来は国内ニュースのキャップの話であり、しかもPETボトル関連でもあるのだが、海外メディアが報じたこともあり、ここで取り上げた。

5.TIAMA-msc & sgcc社が正式にTIAMAに社名を変更

 検査機メーカのTIAMA-msc & sgcc社は、公式に社名をTIAMAに変更した。同社は旧MSC社と旧SGCC社という、いずれも50年近く同じような過程を経た検査機メーカの合併によってできた会社。この社名変更によって、単一会社としてのブランドアイデンティティを再確立するためと、社名を簡素なものにして欲しいという声に応えた変更で、同社の目指すもの、戦略、従業員などに変更はない。

出典:FEVE NEWS Letter December 2015-No.444